5月1日(月)

 朝、病院へ行くために家を出てびっくり。原付がない。盗られた!?と一瞬唖然としたが、よく思い返してみると、昨日原付で外出の帰りに近所のスーパーに寄り、そのあと歩いてコンビニまで行き、その帰りは原付で戻ってきただろうか?
 果たして原付はスーパーに置き去りにしたままだった。いつも歩いて行っているところに原付で行くとこういうことになるのね。

 用事があって四条河原町に出ると、メーデーの行列に巻き込まれる。帰りに以前ひな祭りたれぱんだぬいぐるみを手に入れたゲーセンのUFOキャッチャーに、今度は5月の節句たれぱんだぬいぐるみがあるのを発見。鯉のぼりと柏餅とあと何かの3種類。ふらふらと近づくと、そのさらに奥にあるスロットを止めて商品を得るやつに、たれぱんだルームライトと鯉のぼりたれぱんだぬいぐるみのセットを見つけた。
 ということで400円で商品をゲット。しかし、商品を手に入れてからふと考える。以前のひな祭りぬいぐるみから考えて、おそらく5月5日を過ぎれば、3種類のぬいぐるみがセットでスロットの商品になるだろう。ということは、今日手に入れなくてもよかったのでは。いやしかし、スロットの商品になっても手に入るとは限らないので、一つだけでも持ってたらめでたいことだよなあ。季節感もあるし。
 鯉のぼりたれぱんだぬいぐるみは、たれぱんだが鯉のぼりの中に入って顔だけ出しているものだが、実際は鯉のぼりの中にはたれぱんだの体ではなく、パンヤのようなものだけが入っているようで中身があまりなく、かなり恐いものがある。研究室に置いておいたが、うちの研究室ではぬいぐるみにいたずらするのが流行なので、ちょっと不安。こないだも当直から帰ってきたら、すいかを持ったお手玉サイズのたれぱんだぬいぐるみが、らんま1/2のお父さんにされていたし。
 たれぱんだルームライトは、豆電球が溶接してあって、電球は切れたらおしまいです、その後はインテリアとしてお使い下さい、なんて書いてあって、実用的価値はかなり乏しいが、まあ趣きがあってなかなかよい。しかし、これでまた部屋が狭くなるよう。目の前にたれぱんだグッズがあると、そういう理性はどこかにお行き遊ばされるのはなぜだろう。

 実験で、サランラップを板に貼っていると(上にものをのっけて写真をとるので、しわがないようにぴったりと貼らなければならない)先輩(女のひと)に後ろから抱き付かれ、「おお、ねえちゃん、サランラップ貼るのちょいとうまいやんけ、ええ」と言われた。いや毎日楽しいねえ。

5月2日(火)

 9時からはじめて行く医院で外来のバイト。早く寝ねば、と思いながらも眠れず、寝たのは3時過ぎ。7時前に起きたのでセミナーを前にして早くも寝不足。
 研究室の人間の大方の予想をくつがえし、今回は迷わずに到着。電車で行ったのと、そこから一本道だったからな。
 バイト先の医院はいわゆる普通の開業医で、子供から年寄りまで幅広く来て、何かといえば注射をするところだった。お年寄りが、「今日は何かしんどいので注射してもらおうと思て」などと言いながら続々とやってくる。
 年寄りだけでなく、元気そうな中年の男の人も「ここ2、3日何も食べれないから注射して下さい」というので、「昨日はご飯食べましたか?」と聞くと、「昨日は食べた。今日は注射してもらおうと思てまだ食べてへん」。は、さようですか。
 お年寄りが毎日やって来ては、注射の1本も打ってもらって多少元気になり、世間話して楽しく帰っていく、というのは、別に悪いことではないとは思うが(医者も患者も満足してるんだからねえ。よく知らないが、実際そうでもしないと開業医は収入が確保できないのではないか?)、医療費の負担を考えるとちょっとやめて欲しいよなあ。まあ昔戦争で苦労したりしたんだし、ある程度は仕方ないとは思うけど。それともこの注射攻撃が日本の平均寿命を支えているのか?

 バイトが終わって大学へ。ここ2週間で初めてまともなデータが出た。でも明日から東京だから追試は帰ってきてからだな。

 夕方大学を早退。セミナーに行く準備をする。
 前京フェス実行委員長の岡田さんと京都駅で待ち合わせ。最終のひかりに乗り遅れ、初めてのぞみに乗る。すごおい、のぞみって速いのね。

5月5日(金)

 10時前に京都について、みんなを見送ったあと、そのまま実家に帰る。親が海外旅行に行っていて、たあ(犬)が残されているので、下宿に連れてかえるためである。ここ2日は近所の人が見てくれる予定になっているのだが、実家に入ってみると犬がいない。以前も近所の人の家に遊びに行っていたので、今回もそうかと思い電話してみると、やはりそこだった。機嫌よう遊んでいるらしい。連れて帰って欲しくなさそうだったが、また来るのは面倒くさいので、無理を言ってたあを返してもらう。
 たあは早朝に散歩に連れていってもらったのでもう眠いらしく、あまり歩きたがらない。しかも夏日になっていて、暑いことこの上ない。その上、ゴールデンウィークの昼前に京都駅なんかに着いたため、観光客で一杯。清水寺へ行く人が山になっていて、バスに乗るのに一苦労。京都って観光地なのを忘れてたよ。
 家に辿り着いたのが1時過ぎ。実に3日ぶり。
 あとはうとうとしたり、部屋を片付けたり。

5月6日(土)

 起きたら11時。やばい、たあ(犬)が怒ってる、と思って見ると、たあも顔に寝癖をつけて熟睡していた。なんだ。やはり慣れない家に居たり、暑い中京都に来たりして疲れていたものとみえる。
 夜行で寝たために筋肉痛になった体をひきずり、たあを散歩に連れて行く。と、迷ってしまった。南北と東西の通りを間違え、どんどん家から遠ざかっていた。情けない。

 昼過ぎに大学へ行ってちょっと実験。

 セミナーのときの日記は、こちらに置いてます。

5月7日(日)

 9時前にたあに起こされ、散歩。
 帰ってきてだらだらしていると、携帯が鳴った。3月まで勤めていた病院の同僚で「今日暇か?緊急事態や」。同僚は当直中で、同じく当直の別の同僚が今日他病院での当直バイトを引き受けていたのをすっかり忘れていて、その病院から電話がかかってきて急いで代わりを探しているらしい。そりゃ緊急事態だわな。
 しかし、昨日細胞をまいてきたため、今日はどうしても大学に行かなければならないので、私も行ってあげられなかった。いったいどうなったんだろう。

 その後大学へ行って実験。思ったより時間がかかって、家に帰ってきたのは5時前。ちょっと昼寝する。

 「俺の屍を超えてゆけ」はやっと5代目。京フェス実行委員長加藤閣下を見習って、系図を書きながらやることにする。ううん、いい感じ。

 SFセミナー2000関連リンク集が上がっていた。これちはらさんのお手製ですか?こんな短時間でこんなにきれいなものができるのかあ。感動。
 あと、私のセミナーレポートは、「セミナーとその前後の日記」ですので。最後の方は、セミナーのことは書いてありません。
 私の認識では、セミナーには、東京までの体力を使う往復と、セミナー明けのへろへろな体での古本漁り、というのがセットになっている。ほら、「家に帰るまでがセミナー」だし(笑)。

 正しいレポートでは、内輪ネタや、セミナーで誰それに会ってこんな話をしたなどと言うことを書いては非難の対象になる、という考え方は私も知っているが、私はもともと内輪ネタの類を読んだり書いたりするのが好きで、だからそういう記事がよく載っているMILKSOFT(名大SF研会報)を愛読していた。WORKBOOK(京大SF研会誌)ではそういう記事は載せなかったので、書くことができずに残念に思ったりもしていた。
 だから、今ここで好き勝手なレポートをアップできて嬉しいし、「ちゃんとした」レポートを求めるならば読まない方がいいと思います、と表明しておきます(すみません、事後で)。

5月8日(月)

 昨日の夜寝るときから何か誤解をしていたたあは(散歩行くの?行くの?というような顔をしていた)朝も早くから私を見張っており、おかげで熟睡できず。でもまあ、今日は早起きする必要があるのでちょうどよかった。
 9時頃にたあを歩かせ家を出て実家へ。10時前でもすでに暑い。急に夏になったな。暑そうなたあが心配だったが、実家に残して(親は明日帰ってくる)京都へとんぼ帰り。12時過ぎに家に帰り着いた。今日はこれだけでもうぐったり。

 それから大学へ。ここ2週間ほど頭を悩ませていたマップ異常が解決。私が使う予定のプラスミド(円形のDNA)のマップ(いろいろな制限酵素でどこが切れるかを示した表)が、当初考えられていたものとは違うことがわかり、どこがどう違うのかチェックを繰り返していたのだ。結局、ある酵素で2箇所切れると思っていたのが1箇所しか切れず、別の1箇所しか切れないと考えられていた酵素では2箇所切れることが判明。ということは、2箇所のどちらが切れないのか、また新たに切れるところはどの辺にあるのか、ということも調べなきゃいけないわけで、今日すべてわかって、すっきりしたというもの。

 たれぱんだ人形焼きは、好評だったが、食べると結構残酷。顔喰いちぎったり、体真っ二つに割ったりするんやもん。

 夜は研究室でおいしいお食事をいただく。じゃがいものスープと、ミートソースをのせたフランスパンと、何とかというハンガリーのシチューをかけたご飯、それにわらび餅。すげえ贅沢な食事。自分で作らなくてもご飯が食べられるだけでも嬉しいのに、食べたことないような世界各国の料理がいただけたりするところがすごい。

5月9日(火)

 今日は研究室に人が少なかったので、チャイコフスキーの5番(ちょっと前にアリナミンVかなんかの宣伝でかかっていた)を大音量でかけて歌いながら実験。とても幸せ。やっぱりこの曲がこの世で一番好きだっ!どの楽章のどのフレーズをとっても好きだ!てな感じ。

 夕方から当直。当直先で、セミナーで手に入れたファーマー『奇妙な関係』を読み終わり。短編集で、私の大好きな短編『母』が収録されている。『母』は、不時着した星で、岩のような生物の子宮の中で幸せに暮らすマザコン男のおはなし。『母』の続編の『娘』も楽しい。
 あとは、『父』。巨大な「父(=神)」が出てくる話で、一神教世界の人にはつぼをついた話なのかもとは思ったが、私にはどうもぴんと来なかった。
 わりと気に入ったのが『妹の兄』。火星を探検中底無し沼にはまって死にかけてたら、人間に似た生物やら、火星土着の10本足蜘蛛形生物やら出てきて、例によって生殖方法が謎で…面白そうでしょ。んで、主人公(男)の地球人ときたら、平和的な異星人(女)の期待を裏切らず暴力行為に出たりすんの。王道だねえ(どこが?)

5月10日(水)

 朝、当直先から帰ってきてメールを確認すると、か、韓国海苔店からメールがきていた。
 「I LOVE YOU」が来てもこれほど驚きはしなかっただろう。
 溝口さんとこの第2掲示板に書き込んだせいかな、とかいうまともな思考より先に、「SFものの烙印メールが来てしまった」というショックでがーん。五粒のオレンジの種が入った封筒が届く気分は、きっとこういうものに違いない。SFものとは全く関連のなさそうな「韓国海苔」というところがいっそう恐怖をそそる。
 ところで、同じく溝口さんとこに書き込んでいた後藤さん、メールきてますか?

 昼過ぎまで研究室で単純作業の連続。昼ご飯はお弁当を買って、鴨川河原で先生達と一緒に食べる。つつじの花が咲き乱れていた。

 夕方から頭痛と吐気に襲われ、すごくしんどい。
 気分が悪いとごねながらとろとろと実験していると、よりにもよって吸光度計が壊れた。先生に言って、他の教室の吸光度計を使わせてもらいに行ったりして大騒ぎ(ちなみに、途中で「自分の眼で吸光度を測ってしまえ」案が出たのは言うまでもない)。これですっかりやる気をなくす。
 結局、夕方から何もできず。しくしく。これも韓国海苔の呪いか。

5月11日(木)

 昨日あまりにもしんどかったので、一度やってみたかった「体調が悪いので治すためにたっぷり寝る」を実行する。10時間寝て起きたら、吐気は多少残っていたが、しんどいのは治っていた。やっぱり効くのか、睡眠療法。

 RIを使う実験をするのに必要な講習を受ける。科学技術庁が講習用に作ったという噂のビデオを見せられた。お役所ビデオなんてつまんないだろ、と見る前からぐったりしていたのだが、いきなり「ビックバン、それは……」とはじまって、結構面白かった。そういや「放射能」って放射する能力のことなんだなあ、と再学習したり。でも面白かったのは1巻だけで、2巻からは寒い猿芝居が始まったので泣きそうだったけど。

 研究室に帰って、恐怖の72サンプル。ひたすら処理。

 風野さんのとこで、難しいことになっている。すごい。てつがくとか聞くと頭崩壊しそう。私は単純に角川春樹は「SFが来る」と感じたんじゃなくて、観たんじゃないか、と思っただけです。

 しかし、セミナーネットワーク部屋騒動。これだけもめてもみんな「小浜さんには悪感情を抱いていません」と表明しているところが、すごい。さすが。

 韓国海苔メールというのが来た、と坂元君(SF研の1年下)宛てのメールに書いたところ、「それはこういうものかな、ふっ」と韓国海苔メール全文が貼り付けられたメールが返ってきた。怪談みたいなことはやめてくれえっ。
 坂元君とこには4月半ばに届いていたらしい。SFものめ。

 カウンタが知らぬうちに3000を突破してた。


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