4月23日(金)

 眠い。当直明けの日もつらいが、当直明けの次の日は全身倦怠感が強い。後から来る筋肉痛みたいなものか。
 患者さんの一人がやや急変。明日から透析になるかもしれない。
 明日は朝一に病院だ。

4月24日(土)

 昨日の患者さんは透析になってしまった。この頃休みの日にIVHやクイントンカテを入れる(太い静脈にカテーテルを留置すること)ことが多いような気がする……なぜだ!
 先輩から「たれぱんだといっしょ」を貸してもらった。

 清涼院流水の「ジョーカー」を読んだ。M総統(SF研の後輩)が安いからと言って古本屋で買ってきたものを借りていたのだ。
 なんかひどいひどいという評判ばかり聞いていた清涼院流水だが、私は嫌いではない。少なくとも読んでいる間は楽しいし、裏切られることもない。私はミステリの定義問題には愛がないのだが、私の好きなミステリはいわゆる「本格」ものなのだと思う。論理的に正しくない結論の出るミステリは有体に言ってミステリなんかではないと思う。ちなみに「論理的に正しいのがSFで、正しくないのはファンタジー」だとも思っていたりもして。
 「ジョーカー」は少なくとも、「実は幽霊のせいだった」的な結論には出ていないし、怒りを覚えることもない。穴だらけだけど。「コズミック」は最後のつけたしさえなければ(真の犯人は…、というやつ)、結構気に入った。ただ、4部作らしいし、最後のつけたしも何か先につながることもあるかもしれないけど。
 今日は今から大阪の実家に帰るという、半年ぶりくらいの大仕事がある。

4月25日(日)

 実家から帰還。ずっと親としゃべっていたので口が痛い。
 5月になったら京都市内から出れないので(循環器科をローテートするから)、今のうちに実家に帰っておいたのだ。帰りは車で家まで送ってもらったので、酔ってふらふら。頭も痛い。
 私は頭痛もちで、中学・高校時代は1週間に3日は激烈な頭痛がしたものだが、大学に入ってからは、せいぜい週に1回に減った。これは光化学スモッグばりばりの大阪の中心部にある中学・高校に通っていたからで、大学は空気のややきれいな京都にあるからではないかと思っているのだが…。いったい何のせいなのだろう。頭痛がするのは雨の日が多い。あっ、頭痛がする、と思ったらたいがい雨が降っている。しかし雨が降っている日はきまって頭痛がするというわけではない。低気圧がくると、機嫌が悪くなる人がいるそうだが、頭痛も低気圧のせいだろうか。誰か解明してくれえ。

 たれぱんだ壁紙をインストール。今、壁でたれぱんだが、ふっきんとはいきんとうでたてふせとはんぷくよことびをしている。
 今日は今から一般当直(救急外来で患者をみる当直)。いやだなあ。

4月26日(月)

 昨日の当直は平穏だった。救急外来に来た患者4人。入院0。睡眠時間4時間。
 患者数の割に睡眠時間が短いのは、とびとびの時間に来たせいと、お見送りで寝入りばなに起こされたせいだ。お見送りというのは、亡くなった患者さんを病院から家に運ぶときに、医者と看護婦とで入り口まで送っていって見送ること。昨日は救急外来到着時に亡くなっていた患者さんがいたのでそんなことになった。

 「たれぱんだちょこふれーく」が病院の売店に売っていた。189円もする。でもおまけのはんこがかわいいので買う。今持っているのは、「たまのり」と「うきわ」。

4月27日(火)

 今朝はあることに気づいて朝から大ショック。
 朝、昨日当直だったため病院へ持っていってそのままかばんに入れていたヘアワックスを取り出した。すると、それはヘアワックスではなく、「つるつるフェイスエステ」なのであった。ということは……私は昨日ワックスのつもりでつるつるフェイスエステを髪につけていたのだ。そういえば、昨日いやに毛先がばりばりすると思っていたのだ。しかし、髪のセット力はたいしたもので、いつも広がる髪がきれいにまとまっていた。いやに調子がよいと思っていたのは、あれは「つるつるフェイスエステ」のせいだったのだ。おそるべし。いやそれよりいかに当直明けとはいえ、ピンク色のワックスの壜と、赤くて変な形をしている「つるつるフェイスエステ」の壜を取り違え、髪につけてからも気づかない自分がこわい。

 病院の売店に売っている「たれぱんだちょこふれーく」を先輩とともに買い占め。先輩は売店のおばさんに「おいしいの、これ?」と聞かれていた。そういう問題じゃないんですね。先輩に一袋おごってもらった。おごってもらったのは、「なに?」。自分の分には「でんぐりがえり」。いや別にたれぱんだで一日過ごしているわけじゃなくて、ちゃんと仕事もしてるんだけど。今日は予定外の入院が入ったし。

 夕方、一緒に5月から循環器科を廻る先輩とともに、暗い気分になる。私は2か月で出所(循環器科を廻ることを入所、出ることを出所という)できるが、その先輩は前回入所時2か月しか廻っていなかったので、今回は3か月。より落ち込みも激しい。

 夜、大学へ実験をしに行く。3時間弱で帰ってきたけど、眠い。実験している時は楽しいんだけど、帰ってきた後とか翌日とかの疲労が激しい。体力が欲しい。

4月28日(水)

 朝から何かしらとても不愉快で、やる気がない。
 先輩から「ちょこふれーくが売ってないし、すねモードに入ってるやろ」と言われたが、その通りかもしれない。
 5月からのローテーションに備え、患者さんの引継ぎサマリを書かなければならない。11人分。その他、医者が変わることを患者さんに言っておくとか、引き継いですぐに薬や点滴が切れないように、先の分まで処方箋を出しておくとか、検査の予約をしておくとか、えとせとら、えとせとら。

4月29日(木)

 たくさん寝た。休みなのに、いろいろ細かい用事で忙しかった。

4月30日(金)

 朝病院に行くと、糖尿病科の部長が「先生、悪いんやけど、ゴールデンウィーク中だけ一人持ってほしい患者さんがいるんやけどね、昨日緊急入院になったんやけどねえ、昨日からおしっこ出てなくってね……」
 何でこの期に及んで、新しい患者を持たなあかんねん!と思うが、まあゴールデンウィーク中は誰しも休みたいから、担当医をつけたいのも無理はない(雑用をやってくれるから)。しかし、おしっこが出てないのは大変だぞ、おい、とか思っていたら、やっぱり大変だった。いろいろあってその緊急入院の患者に一日中かかりきり。ポンピング(点滴では速度が遅くて間に合わないので、手で押して体の中に注射すること)1時間以上。最後に手術のために転院となって、救急車で送っていくことに。
 私は救急車での搬送が大嫌いである。酔うから。ただでさえ酔いやすいのに、救急車は猛スピードで他の車をすり抜けて進むから横揺れたっぷり、小刻みにブレーキかけるし、もう救急車に乗るたびにふらふらである。しかし学生の時には、こんなに救急車に乗る機会があるとは思ってもいなかった。もはや救急車での付き添いになんらもの珍しさがない。
 救急搬送から病院に帰ってきたのが23時過ぎ。もちろん他の患者のところになぞ行ってもいない。

 仕事をすませて1時頃に病院を出ると、思わず反動で田中邸に行ってしまう。
 大学の時はGWはセミナーに行っていたのだが、今年も去年に引き続き断念。採血が毎日入っているし(ということは結果をみて指示をださなきゃなんない)、それはまあ代理を頼むことができないわけじゃないけど、絶対に病院に行けないは連絡もとれないはという日が3日もあるのは危険すぎる。誰がどう急変しないとも限らないし(大したことない急変であっても、一番に呼ばれるのは下級戦闘員であるこの私なので)。
 来年は行けるかなあ。

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