7月11日(木)
国立国会図書館のデジタルコレクション、めちゃいいわ。市立図書館の全館検索できて最寄り館に取り寄せできるサービスだけでも超有り難いのに、良い時代になったものだ。読みたい本、28冊見つけた。「絶版など」の理由が増えて「送信サービスで閲覧可能」がどんどん増えてくれるともっと助かる(祈)。
7月12日(金)
どう見ても人間なコンドル動画で盛り上がる。
中村『この目で見たカンボジア』を読み終わった。ポル・ポト派支配からプノンペンが解放されて3ヶ月後のカンボジアに取材に入った人のレポ&写真集。みんな黒服&おかっぱと思っていたけど、クロマーは色とりどりなのね。なんでみんなチェックなんだろ。建物の裏に回ると、下水溝骸骨だらけって嫌過ぎる。あちこちに残されている武器や物資が中国製なことを強調しているのが興味深かった。
7月13日(土)
初蝉。
庭にナゾの植物が何本か生えていたので調べたら、エゴマだと言われた。しかし葉を摘んだら、明らかに紫蘇の香りがする。あまりに巨大過ぎて思いつかなかったが、よく考えたら、去年滋賀から掘ってきた花咲いてる大葉を何株か植えたんだったわ…。
7月14日(日)
昨日に引き続き大葉ご飯とか大葉素麺とか、大葉入カツオのたたきとか。
木乃は最近雨が嫌いで、雨が降ってくると散歩に出たばかりでも、自主的に家に帰ろうとする。しかし散歩が短いと体力が余るみたいで、夜中に暴れたりするんだよね…。
7月15日(月)
昨日のポガチャル、圧倒的過ぎて、色々な人が疑ってた(まあ、そういうスポーツだから仕方ないね)が、ヴィンゲゴーもマックス速くて、レムコも相当速いらしい。
7月16日(火)
トランプの副大統領候補って、ヒルビリー・エレジーの人なのか。そりゃダメ過ぎだろ。
7月17日(水)
ロッシ、サンド『ラーゲリのフランス人』を読み終わった。フランス人だけど、幼い頃に母がブルジョワのポーランド人と結婚したため、ポーランドで裕福に育ったロッシは、共産党に入党して、コミンテルンのスパイとして活動→大粛清の時にモスクワに呼ばれて逮捕→戦後釈放されるが、49年に再逮捕→25年追加されるが、フルシチョフのスターリン批判後に外国人は釈放するという通達が出て、61年に出国。
後年、ラーゲリでの体験談を聞いたアメリカ人がまとめたのがこの本。「共産党はヤクザと一緒(逮捕されても忠誠を尽くす)」「共産党は最初は計画が実現できると信じていたが、それが幻想だと理解した自国の市民を迫害するようになった」「グラーグでの苦難は自分の選んだ主義、理論、行為の代償であって、当然の報い」「ソ連出国後、西側で左翼と会ったが、彼らは私と会うのを避けた。私が彼らの偽善の生ける証人だったからだ」「犯してない罪で投獄されることのない、資本主義の恩恵を蒙りながら『左翼インテリ』は、共産主義の宣伝をしてぬくぬくと暮らしている」。
ソ連は、ナチスのように人を面白がって苦しめたのではなく、そういうシステムができていただけ、というのも興味深かった。それにしても、ロッシがメモの紙片を隠していた、検査でもバレなかった「自分の体の最も内密な一部」ってどこだ。
7月18日(木)
いかなごの模試の結果を取りに行ったが、中学受験塾と予備校が相乗りしてる上に、施設はビルと近傍のマンションに分かれているという…(難)。
7月19日(金)
ルイス『サンチェスの子供たち』を読み終わった。『貧困の文化』に出てくるサンチェスの子供4人の話。インタビューしたものを纏めてるんだけど(羅生門形式)、結局、オスカー・ルイスの語り口が素晴らしいのよね。幼くして母をなくした四兄弟は、父のおかげで貧困世帯としてはそれほど不自由しない生活を送っていたが、DVモラハラ父のサンチェスに認めてもらえず苦しむ。
では、この四兄弟が健気かといえば、そうでもなく、長男は、女をすぐに強姦するし、喧嘩、博打がやめられず、15才で19才女性と結婚して子供を複数作るが、世話もしなければ金も入れず(そして結局祖父のサンチェスが金を出す)。妻が病死した後、再婚した知的に問題がありそうな後妻の家族に家に押しかけられ、一部屋に18人で暮らす羽目になったり。次男は継母との折り合いが悪く、幼い頃から女児に性的いたずらをし、カツアゲや盗みを繰り返し、喧嘩相手を刺したりして、刑務所を出たり入ったり。
子供らが思春期になってから、サンチェスはある日突然、他所で作った娘を家に連れてきて、その子だけを贔屓するようになる(とはいえ、『貧困の文化』には、子供を複数作ったその子の母親には、全く養育費を渡さず、面倒も見ていなかったことが書かれている)。継母に懐き、兄弟の中では比較的長く学校に通い、上昇志向もある長女は、父のこの贔屓や、兄弟の暮らしぶり、喧嘩が耐えないことを受け入れられず病んでいく。次女は早く結婚し、次々と子供を産むが、まともに世話をしようともしない(下の子が床に下痢をしても、上の子に始末させたり)。
サンチェスはとにかく横暴だが、周りは、結婚していても始終誰かを口説いては養育責任放棄、みたいなのばかりなので、子供4人が父親を崇拝しているのも分かる(長女曰く「誰も努力しようとしない」「父だけが積み上げられる」)。それにしても、4兄弟の母の死因は妊娠高血圧からの脳出血だろうし(死後も胎児が動いていたというのが悲惨)、継母は結核、長男の嫁は糖尿病で死亡。全部、皆保険のある今の日本なら助かるよな。
極貧から身を起こし、複数の妻子孫を養っているサンチェスだが、その子供は悲惨なことになっているのは、結局初等教育の欠如と環境なんだろうなあ。「尼僧になるには正式な夫婦の子じゃないとだめ」(サンチェスと妻は教会で結婚式をしていないので、長女は尼僧にはなれない)とか、「アメリカでは労働者が保護されているが、メキシコではお互い同士妬み合っている」(出稼ぎに行った長男談)とか。
7月20日(土)
完全にポガチャル被害者の会やな(積年の対ヴィスマ怨念がこもってそう)。奥さんによしよしされてるヴィンゲゴーの横で、げっそりドリンク飲んでるヨルゲンソンが面白かった。この人ポガチャルより若いのね。