6月1日(土)

 朝から木乃が挙動不審。昨夜雨だったから今日は早朝から散歩行ったし、何が不満なんだろう、と思っていたら、庭のウッドデッキに出たい、だった。

 そういえばシーズーって、よく「縁側で日向ぼっこするお供に向いている犬です」みたいな紹介されてるけど、うちは縁側で日向ぼっこしたい犬のお供を私がしてるよ(私が庭に出ないと木乃も出ないし、すぐ日向で寝るので見張りが必要)。

 S君が新しい蚊取り線香ホルダーを買ってくれていた。今までの蚊取り豚は何だったのか、と思うぐらい便利。

6月2日(日)

 夜かなり降ったし、午後もまだ降りそうな天気だったが、今日も圧力に負けて庭ウッドデッキに(弱々)。

 夜、もぐが突然動物園MAPが欲しいと言い出し(小道具で使いたいらしい)、パパに聞いてみな、と言ったら、アドベンチャーワールドの地図を渡されたそうで「さすがパパだわ。尊敬した」。

6月3日(月)

 守口で飛び込みがあった影響で、いかなご三条で降ろされるの巻。出町って車庫スペースが少ないのかな。

 乗車駅降車駅が特急が止まる駅の場合(通過列車を求めて別の駅まで行くのが)面倒くさいので飛び込みはしない、といかなごが主張していて、今いち同意できなかった。

 最近のもぐ、昼休みに部活の練習をしているとかで、すぐに食べられるようにと、おにぎりとゆで卵を所望する。おにぎりの具は、ふりかけは嫌だが、金平とかおかず系もダメ(だから大概、しゃけフレークと削り節)。おにぎりは4つに握ったら、3つが良かった、とか言うので、「じゃあ、くっつけて自分で握り直せ」とキレたら、文句言わなくなった。しかし、どうも授業中に食べてるっぽいなあ…おたくの御子息、授業中にゆで卵の殻剥いてました、とか電話かかってきたらヤダなあ。

6月4日(火)

 ディケンズ『ニコラス・ニクルビー 上』を読み終わった。とにかく翻訳が物凄くて、昭和30年代の本かと思うほど(2001年出版)。見慣れない仮名遣いに聞き慣れない言い回し、意味が取りにくいほどの方言や二重否定の多用、「おへちゃ」(意味は分からなくはないが、方言では?)「ショーネンジゴク学院」(意訳なのは分かるけど気付くまで時間がかかったよ)、おまけに「へむ」「はむ」って最早日本語ではない間投詞も。

 てことで、内容が今いち入ってこなかったが、ジェントリの息子の主人公は、なぜそんなに地方演劇で好評を博したのか、主人公の妹は容貌が良い以外に何か良いところがあるのか。この作品をどうしても読みたくて、英語で読まないで済んで有り難い、という人以外には向いてないかも。私は、先が気にならないこともないが、さすがにもう500ページこの文章を読む気力がないので、上巻で離脱(疲)。

6月5日(水)

 夕食はオムライス予定だったんだけど、帰ったらいかなごが「山芋をご飯にかけて食べたい」と言うので、とろろオムライスにした。美味しいけど、別にわざわざ食べるほどのものではないな。

 もぐはオーソドックスではないものは警戒するので、普通のオムライスにして、中にステーキ用肉の端切れを入れて、オムライスの横にスーパーで買ってきた唐揚げ乗っけていたら、死ぬほどうまい、と喜んでる。とりあえず毎日唐揚げ与えておけばよいイキモノ。

私「木乃は可愛いねえ。ママの犬の第一子だよ」
いかなご「私も歳を取ったら、ストレスのあまりウサギを産んだとか言い出すんだろうか…」

6月6日(木)

 眼球枕元に置かれなくて良かったわ…。

 オペで普段絡みのない先生に手伝ってもらい、私の目の前の仕事が終わって、次は体位変換が要るので、別の仕事をしてもらっていたその先生の糸切りをしに行ったら「私が律速ですか」と言われた。地元も出身大学も違うけど、やっぱり普通に「律速」使うんだ。

 と思ったら、いかなご、律速段階を知らず。「そんなのお母様ぐらいの年代の人しか知らないんだよ」そうなのか?

6月7日(金)

 もぐが(「弁当持った?」「持った」という会話があったにも関わらず)弁当を忘れたので、朝学校まで届けに行ったら、広くて静かで、事務の人に事情を説明したら、「はい、お届けします」と言われて、なんて良い学校なんだ、と思った。

 私といかなごの母校なら、この時間は学校中に陰鬱な般若心経が響いてるよ、といかなごに言ったら「お母様、母校嫌いなの?」「大好き」

 こないだ、基本的に文句しか言わない患者さん(自分の仕事がない時間帯に病院が営業してないとか、薬出したら、お前らマージン貰ってるんだろとか必ず言う、よくいるタイプ)が、私の靴下(くすみピンク花柄)を見て「なんだその靴下は!もっとドクターらしい靴下はけよ!」と言ってきて、「ドクターらしい靴下」とわ、となった。

6月8日(土)

着替える私を見たいかなご「どうしたのお母様、浮気?」
普段の格好(ズボン)→病院
普段と違う格好(スカート)→浮気
なのか、お前は。もぐの部活見に行くんだよ。

 ということで、S君ともぐの部活の発表を見てきた。ここ最近、毎晩帰って来たら死人のようにグッタリして、毎食唐揚げ食べてる理由が分かった。あんなにドタバタして大声出せばね。

 部活の発表会場が、超観光地のど真ん中にある公共施設で、周りの道には白人と中国人が溢れていて凄かった。そりゃこんなところでは普通の生活はできないわ。

 夜、アイロンが壊れたので人生のやる気を失った。アイロンて4年で壊れるの?

 アルメニア人ジェノサイド100周年記念企画実行委員会『アルメニア人ジェノサイドの真実: FACT BOOK』を読み終わった。1916年には、トインビーが証言を集めたイギリス議会報告書が出ていたのね。村でそのまま殺したり、集めて徒歩で歩かせて衰弱死させたり、川や湖に沈めたり、やっていることは後のナチやソ連と同じだが、見栄えの良い子供を攫いまくりなので、血筋という点は問題にしていなかったのかも。

 薄い本形式で、写真も入って、引用も分かりやすく読みやすいが、同人誌にしか見えないのと、文責が分かりにくいのが難点。

6月9日(日)

 S君が網を発掘してきたので、子メダカをティーカップで掬って拾い出し、残りの水を網で漉して、捕獲した大量のボウフラを始末した。1ダースぐらいいる子メダカは、陶器の鉢に移した。大丈夫そうではあったけど、凶暴そうなボウフラと同居は心配だったのでスッキリ。

 デザート替わりにアルコール入りジュースを飲んでいたら
もぐ「ママ、酔っぱらってる?」
私「4%1缶で酔えるほどママは経済的ではない」
もぐ「もぐ君が大人になったら、いつかママを酔っ払わせてやる。割きイカいっぱい食べよう」
 おう。

 ゴールドハーゲン『普通のドイツ人とホロコースト ヒトラーの自発的死刑執行人たち』を読み終わった。ナチスが政権を取る前からドイツには抹殺主義的反ユダヤ主義(ユダヤ人は改宗しても悪だから抹殺すべき)が存在し、反ユダヤ主義の国民とナチスの両方が揃ったことで、ヒトラーが唯一実現に近づけた方策と言えるホロコーストが実現した、ということを、東方の警察大隊、死の行進、収容所を例にあげて説明した書。

 ドイツ人はT4作戦には異を唱えて中止させ、ヒトラー暗殺未遂犯の処刑方法は野蛮だと憤激したが、ユダヤ人への扱いには異論を唱えたことはなかった。多くの人はポグロムには否定的だったが、それは下品な人がやるフーリガン行為だからで、ユダヤ人には無関心というか、非同情的だった。

 ナチでも若者でもない、出身階層もさまざまな、ごく普通のドイツ人から構成されていた警察大隊は、東方でユダヤ人虐殺に直接従事した。殺害を辞退することも、転属を願い出ることも可能だったが、申し出た人はわずかだった(ユダヤ人が好きだから殺したくない人がいるとは誰も思っていなかったので、辞退しても罰則はなかった)。作戦従事中に妻や彼女を身近に呼び寄せたり、写真に撮ったり、と特に殺害を隠している様子もなかった。

 死の行進では、既にドイツは戦争敗北目前であり、ヒムラ―から残虐行為を禁止され、上司が傍にいないにも関わらず、普通のドイツ人の警備兵が、主にユダヤ人だけを徐々に衰弱させて死に向かわせたり、殺害し続けた。ボリシェヴィズムはユダヤ人の利益のためであり、ドイツの存亡はユダヤ人が絶滅するかどうかにかかっている、とドイツ人が信じていたことが示唆される。

 収容所では「ユダヤ人の生活はこの世の地獄たるべきであり、常に苦悩のなかに、常に肉体の苦痛のなかにおかれるべきで、なんらの慰めもあるべきではない」とされた(具体的に書かれるより恐ろしいわ…)。ユダヤ人は労働を忌避する寄生虫だから、労働は刑罰であり、経済的に見合わなくても労働させなければならなかった。ちなみにナチの収容所はたくさんあった。ベルリンだけで600以上、10kmごとに1箇所。

 確かに、と思ったのは「犯罪者はみんな証拠を出されても無罪を主張するものだ」ということ。戦後のドイツ人が「自発的に殺していたわけではない。仕方がなかった」と言ったとして、それを鵜呑みにするのはどうなのか、と。

 この本はブラウニングの『普通の人びと:ホロコーストと第101警察予備大隊』に対する全面的な反論でもあるが、普通のドイツ人のほとんどが抹殺主義的反ユダヤ主義を信奉していた、という本書の考えはさすがに極端な気がする。まあでも、ワイマール時代から反ユダヤ主義的ヘイトスピーチが横行し、ナチが政権を取ってからは朝な夕なラジオで「狂人の怒号」を聞かされていれば、残虐行為をするのが正義だと信じて、普通に殺すような気もする。

6月10日(月)

 R.I.P.キャロル翁。

 もぐの部活の発表、7校中2位だったらしい。相変わらず他の学校の発表を見ていないため、良し悪しが分からない。



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