5月1日(水)
S君「昔ゴーゴーダンスというダンスが」
もぐ「嘘だ」
S君(踊り出す)
私「こうじゃない?」(踊り出す)
もぐ「パパの言うことだからどうせ嘘だ」
S君、もぐを騙し過ぎて信用がない。ちなみにゴーゴーダンスの時代って、S君も私もまだ生まれてない。
5月2日(木)
木乃は満足するほど(私を)舐めさせてもらえないと、私の膝の上で丸くなり籠城する気がする(重。
5月3日(金)
姜『平壌の水槽』を読み終わった。『北朝鮮脱出』の著者2人のうちの1人姜氏のレポで、かぶっていない話も多い。在日の祖父母のことも詳しく書かれており、祖父は京都でパチンコ屋で富を築き、ヤクザの友人に勧められて帰国し、祖母は忠実な共産主義活動家だったよう。身近過ぎて怖気がつのる。題名はもう少し考えた方が良かったのでは。
5月4日(土)
滋賀の家の草むしり二回目。庭は大体抜き終わって、冬に植えた三つ葉が四つ生着してるのを発見した。夏を乗り切れるかな。
あと、ドグダミに1L近くグリホサートを撒きまくった。スギナにも撒けば良かったな(むしると簡単に取れるので、ついむしってしまった)。
例によってS君は草を燃やしていたので、煙の上に網を吊るして6Pチーズとか、ちくわとか燻してみたが、燻製と言えるまでには至らず(難)。
木乃は最初は庭の端で外を監視していたが、しばらく家の中で熟睡した後、昼過ぎには庭の日陰で寝ていたりした。
5月5日(日)
数日前からもぐが、数人の友達とどこかに出かけると相談していたが、今朝まで何も決まらず、挙句直前に友達が親に禁止されたと連絡してきて、結局流れたらしい。
いかなごは模試で朝早くから夜遅くまで吹田に出かけていたが(センター模試ってこんな大変だったっけ?というか私の時代、センター模試ってあったのか?)、22時過ぎても京都駅のリュックサック事件の影響は残っていたらしい。
そろそろ完全にもぐに身長追い越された。姉をパスしてから5ヶ月ぐらい経ってるので、1ヶ月1cm伸びてる計算。フォルムがS君と似てきたので、どっちが現れたのか分からなくて困る。ちなみに、S君はだいぶ前から私といかなごを間違えている。
5月6日(月)
林『犠牲者意識ナショナリズム』を読み終わった。ホロコーストとポーランド、ドイツを中心に、戦後各国で、自国が受けた被害や被害者数を競い合うような状況が生じていることを語った書。以前は権威を持っていたのは英雄だったが、犠牲者も権威を持つようになり(死の民主化)、最近は犠牲者数を競うようになった。
ポーランドは、ナチスドイツから大きな被害を受けたため、集合的無罪に安住していたが、自らもホロコーストに加担していたことから共犯呼ばわりされて激怒、東ドイツにはナチ、アメリカ帝国主義、スターリニズムの被害者しかいないことになっている、平凡なドイツ人と日本人は、ナチと軍部の最初の犠牲者だし、日本は空襲、原爆、ソ連侵攻の被害者意識を持ち(確かに私も、原爆と戦争の悲惨さしか教育されなかったよ)絶対悪たる戦争を災害とみなし非難する(責任はない)。朝鮮半島では華僑ポグロムが起きていたらしいが、韓国人は集合的無罪なので華僑犠牲者などいない。
ちなみに1980年代に入って中曽根内閣になってから日本の右傾化がはじまり、韓国が日本を非難するようになったらしい。今の状態になったのはわりと最近なのね。
犠牲者意識ナショナリズムは、被害者の内にある潜在的な加害者性を批判的に自覚する道を閉ざす。自己省察を放棄した道徳的正当性ほど危険なものはない。私達も「ホロコーストの加害者になりうるという意識」を持つべきだと著者は語る。そのためには、国をまたがる記憶構成体を作り、犠牲者主義ナショナリズムを犠牲にしないといけない。
和解を申し出たポーランドの教会の話はピンと来なかったが、その他は、確かに、確かに、と頷ける話が多かった。そして、著者が韓国人ということにも驚いた。お勧め。
5月7日(火)
竹田くん。心停止以外にアドレナリン静注しようとしたり、HCV+の縫合で介助者針刺ししたり…て、よくもまあそんなに次から次へと…。
5月8日(水)
今日は木乃10歳の誕生日。右腋窩に脂肪腫、左上眼瞼に数mm大の皮膚腫瘍があるが、まだ目も白くなっていなくて、元気。雨で散歩に行けない日は体力が余るらしく、ベッドの上で騒ぐ。
グロスマン『万物は流転する』を読み終わった。『トレブリンカの地獄』が良い文章だったので期待していたが、同じラーゲリ帰りの男が主人公でも、ソルジェニーツィンとは大違い。構成が今いちだし(唐突に、レーニンは1000年に渡る農奴制の後、そのまま非自由な統治を行い、スターリンは自由を恐れていた、と語りだしたり)あまり面白くない。と思ったら、ウクライナ飢饉についての話は筆が冴え渡っていて、レポは素晴らしい人なのかも、と思った。
5月9日(木)
もぐ、毎朝「学校で頑張ったりしてきます」と言って登校するのだが、「頑張ったり(頑張らなかったり、ダラケたり)」という意味だと今朝初めて知った。母は頑張ってるんだとばっかり…。
ダニはクモの仲間だと、いかなごに教えてもらった。
イェドヴァブネのドキュメンタリーを見た。ヤン・グロスの本が出た後、南米に逃れた生存者が元の家を見に行ったり、大統領が追悼式典に参加した時の模様や、関係者へのインタビューで構成されたものだが、思ったより恐ろしかった。
ユダヤ人を自宅に匿い、今でも現地に住んでいるおばあちゃんは、インタビューでも決して詳細を語ろうとしないし、地元民によるポグロムを公式に認めた町長は、結局辞任してアメリカに移住して土木作業員になり、追悼式典の日はおそらく地元住民と思われる人がカメラに向かって中指を立て…。
1941年の事件当時人口3000人ぐらいで、そのうち半分ぐらいがユダヤ人だったらしい。今の人口は2000人。2000人って大原ぐらいなのよねえ。
5月10日(金)
李『天国の国境を越える』を読み終わった。韓国人ジャーナリストが北朝鮮からの脱北を取材した話。中国への脱北が容易だった時期に、人身売買で中国の農村に売られた北朝鮮女性から生まれた子供を国外に脱出させるブローカーもいるのね。子供も戸籍がないので、学校にも行けなくて大変で、国外で養子に出したりするらしい。
中国との国境から北朝鮮領に入って、物乞いをする北朝鮮人を見物する人間サファリツアーがあったり(えげつなさ過ぎ…)、中国と北朝鮮の間の公海上で、連絡手段なしで小舟同士でランデヴーして乗り移ったり、裏切りがデフォで基本マッチョな脱北ブローカーの中にも、あまりのことに好意で脱北を手伝うようになった人がいたり…。著者のジャーナリストが泣き言だらけなのがちょっと面白い。