3月11日(月)

私「ママが中高生の時は、休日はいつも親より早く起きて勉強してたけど、君達見てるとママが異常だったんだなあと思う」
いかなご「当たり前でしょ」
私「平日は4時に起きて英語の勉強して、5時に寝て、6時にまた起きて学校行ってた」
いかなご「お母様以外にそんなことしてた人いた!?いないでしょ!??」

 中学受験は手取り足取りだったし、中学の頃に一時成績下がったりもしたし、センターで国語で失敗して合計9割届かなくて、こんな点数じゃ恥ずかしいから二次受けずに浪人すると発狂したりもしたけど、何も言わなくても勝手に起きて勉強して、塾行かせなくても勝手に大学入ってくれる子供を持ってたうちの親が(子供の勉強面に関しては)羨ましい。

いかなご「前々からお母様はヤバい奴だと思ってたけど、最近思ってたよりヤバくて、思ってたより賢かったと気付いたわ」
S君「ヤバいことしてても、結果を出さない人の方が多いのに、たまたま結果を出したものだから…」
 悪かったな。

3月12日(火)

 うわ、アカデミー賞のロバート・ダウニー・ジュニア、えげつねえ。

 受験生に少子化対策について熱く語られるの巻。

 ヘス『アウシュヴィッツ収容所』を読み終わった。アウシュヴィッツ収容所の所長を務めたヘスが、戦後処刑される前の収監中に書いた手記をまとめたもの。読んだの後悔したぐらい不愉快な書。要約すれば「すべてヒムラ―のせい」。

 軍人に憧れていたヘスは、二次大戦前に入っていた義勇軍(というか右翼団体)で仲間をリンチして捕まり、懲役に6年行った(途中で拘禁病になったりも)経歴を買われて、ナチ加入後は強制収容所管理業務に廻される。「労働は自由を作る」というのは、禁固だと暇だし懲役の方がいいわ、という、ヘスがマジで考えた格言らしい。

 私は冷酷を装っていただけで、収容者を優しく扱おうとしたが、残虐で無知な奴らばかり部下として廻されてくるので、うまく運用できなかった、何もないアウシュヴィッツに収容所を作れと言われたので、建物の建築改修や資材調達にかかりきりで、収容者のことは部下に任せきりだった、やって来た収容者はみんな衰弱していて、どうしようもなかった、ヒムラ―は労働者をどんどん寄越せと言ったり、収容者の扱いを厳しくしろと言ったりで矛盾ばかり、人手ないなら犬で代用しろと言ってきたけど、犬部隊全然使えない、おまけに食糧もないのにアイヒマンはがんがんユダヤ人送ってくる。

 挙句の果てに「ユダヤ人は、仲間の振舞いに絶望して自殺していった」「残虐行為を聞き及んで戦慄の思い」。目を背け過ぎ、言い訳し過ぎで、私自身も流されがちで良い人間とは言えないが、こうなってはダメだと心に刻もうと思った。あと、アウシュヴィッツ自体も、結局は一時的なもので、終戦がなければソビボルみたいに跡形なくなってたんだろうな。

3月13日(水)

 久方ぶりにいかなごと髪切りに行ってきた。その前に、南座(京阪上がったら、すぐ横に出たのでびっくりした)の近くのお茶屋でパフェ(小さかった)食べた(いかなごはあんみつにしたら少な過ぎてお腹空いたというので、丹波屋で味噌団子追加した)。いかなごは中学生と思われていた。

 なぜか「親が法律を犯して逃げ込んで来たら匿うか」という話になり、いかなご「警察に言う」私「そりゃ高校生ならそう言うでしょ。私も高校生の頃ならそう言ってたわ」にS君がショックを受けていた。ちなみに、もぐも「警察に言う」と言っていた(笑)。

3月14日(木)

 仕事で使っている機械の調子が微妙に悪いのでメンテに出したら、過去365日中350日稼働していて、中身が弱っていた、と言われた。過労死水準。

 医者にはそういう人が多いと思うのだが、私には(治療するのが)好きな病気がある。最近、好きな病気の人が多いなあ、と思っていたら、機器関係の人曰く、この辺では大概うちの病院に回ってきているらしい。なるほど、10年やってると集まってくるのねえ。

私「あなたも(友達の)Kさんも、第一志望の高望み度はおっつかっつだね」
S君・いかなご「(゚o゚)」
→いかなご、目の前の板で調べる
→いかなご「『おっつかっつ』なんてガチ死語だよ!」

3月15日(金)

 木乃、気分を損ねたいかなごに犬質に取られる。
私「ママ、先程春のうさぎお喜びミニ7種セットを採って来たところなんだけど」
即座に木乃を解放したいかなご「何なら犬撫でましょうか?」

 JKが高2最後の登校日にやったことはフルーツバスケットだったそうで、「妻がいる人」「お酒飲んだことある人」「体重90kg以上の人」「数Vが好きな人」などで担任を炙り出して楽しんだらしい。

いかなご「お母様は犬の何が一番好きなの?」
私「良く寝た犬の匂いかなあ」
いかなご「ちょっと何言ってるか分からない」

3月16日(土)

 S君誕生日なので、いかなごが幼児の頃によく行っていた、ホテルのバイキングに行った。大衆向けなので、質が高いとは言い難いが、ちゃんと補充されるし、肉ダメ魚好きのいかなごが食べられるものがあったし、個人的にはスモークサーモンサラダとラムレーズンアイスが美味しかったので満足。あと、ソフトクリーム用に置いてあったコーンフレークが、私が食べた限り過去最高にパリパリしていて刺さりそうなほどだったのにびっくりした。何なんだあれは。たまたまなのか、乾燥させているのか(謎)。

 いかなごを可愛がってみたら、傍にいた木乃が段々目を逸らしはじめた。しかも、その後いかなごを奇異な目でじっと見つめていた。

 車椅子の話。実際何が起ったのかは分からないけど、緊急時でもないのに、人を載せたままの車椅子ごと移動させるのは恐過ぎ。あと、移乗も(日々やってはいるが)車椅子ごとに特性が違うので、毎回かなり注意が要る。

3月17日(日)

 こないだ1才児が大泣きしながら診察室入ってきたので、まずシール差し出したら、受け取ってあっさり泣き止んだので、賄賂って有効だな、と思った。

 ちょっとだけお世話をした上司から、お礼に果物が送られてきたんだけど、尋常じゃない大きさの苺と、超巨大化したみかんで、不自然さ凄い。

私「風呂、12時までに出てきなさいよ(下手すると1時間位出てこない)」
いかなご「努力します」
 普段の「善処します」より実効性がありそう。

 コルカー『統合失調症の一族』を読み終わった。10男2女の兄弟のうち、男性5人が統合失調症を発症した一家の話。軍人からコンサルタントのような職業に転職した父親、暴れては入院を繰り返すシゾの息子達の世話をし続ける母親、なるべく家族と関わらないようにしている他の兄弟をしり目に、荒廃した兄達の面倒を見続ける、母親そっくりになった末娘。悲惨な話だが、非常に読みやすかった。

3月18日(月)

 さらっと(全うすれば)「スターリン超え」。

   話題騒然の奈良医大二次募集の件で、奈良医大の入学金が県外生80万と知って仰天。今そんなに入学金高いの!?と思って調べたら、府立医大も府外生50万だって。そりゃ授業料も上ってるから当然なのかもしれないけど…(私の時は30万で府内の人は10万だった)。

3月19日(火)

 最近、大学の卒業式が続いてるけど、薄いグレーやクリーム色の袴姿の人がいて吃驚した。好き好きだけど、袴は濃い色がいいなあ。あの色ならロングスカートでええやん。

 いかなご「通知表渡された時に、担任の先生に『成績は良くないけど、どの先生もSさんには光るものがある、と言ってる』と言われた。友達にこんなこと言われたんだけど、と言ったら『私もそう思うよ』って言われた」
私「新生児の時から光り輝いていたから(いかなご「お母様、ソレ正気で言ってる?」)産んだ時から分かってるけど、問題はその光るものが受験に役に立つかどうかだ」

3月20日(水)

 こないだ職場の人が尿管結石になった。
みんなで(←子持ち女5人)
「痛かった?陣痛とどっちが痛かった?」
「うーん……陣痛かな」
 なるほど…それ位か…。

 ヘンリック『文化がヒトを進化させた』を読み終わった。類人猿とヒトの2歳児を比較すると、社会的学習能力だけが2歳児は飛び抜けて優れている。チンパンジーは必要なものだけを真似するが、ヒトは明らかに関係ないことでもとにかく真似をする。ドミナンス(支配)心理は他の動物にも見られるが、プレスティージ(信望)心理を持つのはヒトだけ。こうした能力で文化が形作られ、それがヒトを進化させた。

 ヒトは意図を明らかにしていない社会規範に従うが、実はその社会規範は巧みに作られており、パターンを見つけたり、相手の真似をしてしまうため、ランダム化が苦手がヒトに、ランダムに行動させるようにしていたり、自分の経験や直感ではなく、生存する可能性が高い先祖の知恵に従うようにさせていたり、食糧を継続的に行き渡らせるようにしていたり、男女別に行動することで、総合的な知識を増やしていたり。そして、模倣により文化の複製が行われていく。

 妊娠している女性は他の男性と性交渉が必要で(そうしないと胎児が死んでしまう)、その相手は第二の父親と呼ばれて互恵関係が生じるとか、従属関係を表す言語ツールは最近の発見(だから聖書は、あんなだらだらした文になるのか)とか、アイルランドやスコットランドの特定地方からの移民が多いアメリカ南部は、名誉の文化が維持されているので殺人率が高いが、移民元の地方では既に文化が失われていて殺人率は高くないとか、他にも色々と面白かった。個人的には「情報を啜ると幸せになる」のはヒトとして当然なんだなあ、と思った。



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