3月1日(金)
デミック『密閉国家に生きる : 私たちが愛して憎んだ北朝鮮』を読み終わった。アメリカ人記者が脱北した北朝鮮人にインタビューして、数人の体験をまとめたもの。非常に読みやすい。北朝鮮の歌からとられた「羨むものは何もない」という原題の方がずっといいのにね(繰り言)。
朝鮮戦争休戦直後の北朝鮮は確かに南より暮らしやすかったこと、毛沢東の大躍進政策後の飢饉の話は北朝鮮の人々も良く知っていて「でもわしらは幸せだよ。金日成さまだもの」と言っていたこと、医者はノルマ分の薬草を山で自力で集めてくるのが仕事なこと、家族条項(いわゆる連座制)がいかに効果的か、一番衝撃だったのは、はいていた中国製パンツを、それほど着ていないから、とその場で脱いで渡して賄賂にした、というところかも。
日本に向けて輸出されていた高級「朝鮮梨」って何だろう?とか、「白人のように見えるように」二重に整形するって何だよとか、思うこともあったが、日本でよく見る太ゴシック「恐怖の北朝鮮」系の煽りのついた体験記(おどろおどろしさを感じて苦手)
と違って、爽やか(でもないが)で良かった。
それにしても、韓国って、脱北してきた人全員から詳細に事情聴取してたんだから、北朝鮮の内部事情には相当詳しかったんだねえ。
3月2日(土)
小さい頃、ドリトル先生シリーズのルビが振ってある漢字の、漢字だけを紙で隠し、小さいルビだけが並んでる様子をうっとりと眺めていたことを覚えている。
一方、少年漫画系に出てくる大きな擬音(ギギギギとか)は苦手。やたら文字が大きくて内容がないし、いちいち読んでしまうのに角度が色々で疲れる。少女漫画の欄外の手書きの文章も、読みにくくて苦痛だった(いや、読まなきゃいいのだが)。
3月3日(日)
ひな祭りなので、3色白玉寒天フルーツを作った。緑色を作るのに、抹茶かたくりを混入してみたら、すが入りまくった平たい白玉になってしまった。
試験前だというのに、レポートをパワポで提出することになった、ともぐが言い出したらしく、S君がもぐの書いた原稿をパワポにしていた。同時に作っている同級生が複数いたらしく「全員お父さんが作ってたら面白いな」
ヒルバーグ『記憶:ホロコーストの真実を求めて』を読み終わった。大著『ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅』の著者の回想記のようなもの。滅茶苦茶面白かった。子供の頃にホロコーストから逃れてアメリカに渡り、米軍として二次大戦に参加した著者は、戦後大学に入り、加害者側から見たホロコーストについて研究をはじめる。
元々鉄オタだった著者は、まずユダヤ人輸送に興味を持ったらしい。当時は被害者は「過去を忘れるように」と忠告されていた時代で、資料もあまりなく、当初はニュルンベルグ裁判の資料から、後にはアメリカに大量に空輸されたドイツの書類(アメリカはここから対ソ連情報を得ようとしたらしい)も使って、数年子供部屋おじさんをしながら博士論文をまとめ、アカポスも何とかゲットしたが、大著を出版してくれるところやお金はなかなか見つからない。ユダヤ人自身もホロコーストに協力していた面もあることを指摘した著者は、ヤド・ヴァシェムからも協力を拒否され、長過ぎて売れないと言われ(それはそうかも)、やっとのことで出版しても、出るのが早過ぎた(それもそうかも)と言われる。
ナチは官僚、軍、産業、政党がそれぞれバラバラに無政府状態で存在したこと、『ユダヤ人はなぜ殺されたか』の著者ダヴィドヴィチ批判(歴史家ではない、ホロコーストについてはどうすることもできなかった、と片づけている)、ハンナ・アーレントに滅茶苦茶言われたのに、『ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅』を資料に挙げられたために、悪の陳腐さ論争に巻き込まれたことなど、他にも読み所たくさん。
3月4日(月)
イスラエル、海外の外交団にはみんな、スイカ輪切りを添えたフルーツ盛り合わせを出してるわけ?
もぐ「いかなごめ」
いかなご「もぐめ」
とお互い日々煽りあっていて、とても仲良さそう。
韓国の研修医スト、人手足りなくて教授が当直強いられてるって話は正直メシウマ。いや、日本だとそもそも人手足りなくて、普通に教授がローテンション入ってる科もあるやに聞くけど。
3月5日(火)
職場で
「なんでS先生は外科に行かなかったの?」
「絵が描けなかったから、って言ってはったよ」
という話がされていたことを知った。
某病院で、患者も医者も得をしない施策を、「働き方改革」を理由に1ヶ月後から導入すると発表されて、大騒ぎになっているという噂を聞いた。明後日過ぎるやろ。しーらんぴ。
3月6日(水)
山川『女官』を読み終わった。明治天皇夫妻の晩年に女官として仕えた華族女性の回想記。士族ではなく華族出身なので、19歳でもいきなり天皇にお目見えできる地位に。明治天皇は厳しい躾を受けて育ったインドア派で、晩年なせいもあるだろうが、皇后とは仲良しで始終一緒にいる。女官との間に子供を大勢作っているはずだが、女官はあくまで臣下扱い。あと「皇室御貧窮の時代」という言葉が良く出てくる。
立派な明治天皇夫妻と対比されるのが大正天皇で、明治天皇に「あの皇太子では危ない」と言われたり、輿の上でじっとしていられないとか、女官の写真を集めるのが趣味とか、臨終の明治天皇に水をうまくあげられないとか、イケてない感が凄い。大正天皇は、自分が皇后ではなく女官の子だと知って、臣下の腹から生まれたことを嫌がったんだとか。
昭和30年代の本なので、文章自体は読みやすいが、出てくる単語に分からないものが多過ぎて、ググりながら読む感じ。特に服装系はサッパリ(当時でも、宮中の服装は民間とは全く違っていたようだが)。袿袴って「けいこ」と読むのね。
3月7日(木)
しんど過ぎて夕寝していたら、居間に来たもぐ「パパは百パー寝てる。ママは八割寝てる」いかなご「風呂追い炊きしたから入り」
3月8日(金)
カスタマロフ、両足BK切断後元気なのね。さすがエリートスポーツ選手は違うわ。ドキュメンタリー映画も公開されるのか。
鳥山明、私のイメージ的には「下品」だな。ドラゴンボールは全巻読んだし、スライムは好きだけど。
3月9日(土)
「いかなごの振袖用長襦袢をクリーニングに出しに行く」「お雛様を仕舞う」の本日の二大業務を無事終了。クリーニングに出しに行くついでに、S君と京野菜バイキングにも行った。
京野菜バイキング、店が狭いのと、料理が冷えてるのが残念だったが、野菜はどれもマジ美味しくてビックリした。S君はパクチー食べ放題だと喜んでいた(私はパクチー駄目派)。
3月10日(日)
たまたま劇的ビフォーアフターやってて、京都だし犬だし見た。広過ぎて、改造し甲斐があるね。でも、台所だけは犬通れたらダメだと思うの。
ふと思い立って、何度目かにペンギンの島を起動してみたら、落ちずに起動した(驚)。どうやら2年ぶりに入れたっぽい。ペンギン達、お久しぶり。