11月11日(月)

 スタスタ歩いて、白髪もない患者さんが、カルテみたら91歳で、私も看護師さんもクラークさんも本人確認しまくり。

11月12日(火)

 昨日から温度が上がったので、生きる気力を取り戻した。

 S君が喪中葉書を見て、85円なんて正気の沙汰ではないとうるさい。

11月13日(水)

 ポガチャル、なんで罰ゲームみたいな髪型になってんの。

 最近、もぐが少し人に通じるように話ができるようになってきた。あと、何かの引用をしたり、ニュースで話題になっている話もできるようになってきた。

11月14日(木)

 息子の自作自演が見られると知ってドキドキ。

11月15日(金)

 職場のえらいさんに「まだ(勤続)10年なのか。20年ぐらいいるのかと思った」と言われた。馴染んでる?

 モハメド・アリって191cmなのね。だから、細長くて蝶のように舞うのか。

11月16日(土)

 もぐの発表を見に行ってきた。早口過ぎて聞き取れない箇所がいくつかあったが、アクションは良かった(欲目)。他の学校の発表も見たが、脚本がイケてなさすぎた。

 一方、いかなごは塾の面談を受け、あとは突っ走るだけですね、と言われたらしい。

11月17日(日)

 いかなご「最近デブってきた気がするんだよね。体重は変わらないんだけど」
 私「受験までは体はデブるに任せて、頭だけ使ってればいいんでは」

 湊『「モディ化」するインド』を読み終わった。もともとインドが民主主義国だという印象はなかったが(「民主主義の母国」と称しているらしい)、近年のインドを権威主義国家に変えているというモディ首相は、ヒンズー至上主義団体の奉仕団出身で(一人の命令にみんなが従うのに感心したらしい)、州首相時代にイスラム教徒をターゲットにした官製暴動(グジャラート暴動)を起こし(ヒトラー?)、自分の主張だけを流すテレビ局を作ったり、自らをガードマン、敵対勢力を非国民と呼び、SNSでフェイクニュースとヘイトスピーチを大量に流し(トランプ?)、記者会見では質問を全く受けず、メディアが批判的なことを言わないか24時間監視し、前政権を成長がなかったと非難し、個人支配と専門知の軽視が甚だしい(安倍?)らしい。

 モディ政権下では計算対象が一部のみなのでGDPが不明で、国勢調査も最近やってないので正確な人口も分からない。雇用情勢は悪く、ニートの数が1億人、国鉄が3万5千人の募集をかけたら1250万人が応募、って桁が凄い。世界人口の6分の1がインド人と推定されているが、コロナの死亡者は3分の1がインド人らしい。あと、世界で最もインターネットの遮断が多い国だって。

11月18日(月)

 チアン、ハリディ『マオ』を読み終わった。毛沢東が最初から最後までひたすら自分の快楽と権力を追い求め、平然と人を大量に殺したかを詳細に解説した伝記。肉体労働と語学が嫌いで、動乱を好み平和は退屈、死は素晴らしいと明言、良心を顧みなくていいのは英雄豪傑だけに許される考え方で自分もその一人だと述べ、ごろつきが権力を握って乱暴狼藉を働くのを楽しみ、残虐行為の視察報告を素晴らしいと称賛し、文革の虐待の様子を写真や動画で撮らせて鑑賞した毛沢東。

 大した権力を持っていなかった中国共産党に、手下を犯罪行為に手を染めさせて共産党から逃げられなくしろ、地元民は殺し尽くせ、とモスクワは指令を出し(共産党の残虐さに土匪も服従するほど)、その通り残虐行為を働いた毛沢東はスターリンに気に入られてどんどん出世(粛清を行う方が常に正義)。

 自分より兵力のある仲間の軍を次々と乗っ取り、自分に反対する勢力はAB団として拷問処刑、ソ連からの援助が受けやすい西北の根拠地への移動(=長征)が成功したのは、蒋介石がわざと逃がしたせいもあったが、それでも無理な行軍で大量に兵士が死ぬ中、毛沢東ら幹部達は横たわったまま担架で運ばせて移動(もちろん兵達から非難轟々)。国民党に負けそうな時、日本が攻めてくるが、日本に抵抗するつもりなどさらさらない毛沢東は、敵が前進してきたら逃げる、を基本戦術にして、漁夫の利を伺う。

 1937年から10年間共産党の根拠地になった延安は、不平等と超重税に苦しむ。『中国の赤い星』は国内的にも絶大な効果があり、それもあって延安にやって来た若者達を集会に駆り出し、自分について何もかもを書くように強制し、整風運動で粛清の嵐。共産党支配下の農村では残酷な土地改革を行い、恐怖支配を植えつけたため、支配下に入って喜んだ民衆はいなかった。

 国共内戦に勝利した毛沢東は、ソ連から原爆を含む兵器の技術移転を引き出すため&国民党から降伏してきた(始末したい)兵隊がたくさんいたため、喜んで朝鮮戦争に介入(この戦争で息子が死んだにも関わらず、事あるごとに顔を合わせ、週末も一緒に過ごしていた息子の妻に、息子の死を2年半伝えなかったというのが凄すぎる)。

 軍事大国化を進めるために食糧を輸出して資金を捻出し、国内に飢饉が蔓延。その後も、他国に多額の援助をばらまいたため(しかも無理矢理貸し付けて、返済を要求せず)大躍進の後も、71〜3年は食糧不足が続いた。自国より豊かな国に援助を申し出て、相手国が喜ぶのを見て複雑な気分になった外交官の話が哀しい。まともな感覚を残していた幹部達に大躍進を非難され、復讐戦に打って出た文革では、紅衛兵には襲撃すべき著名人リストが渡されており、強盗もさせていた。北京からは1ヶ月で10万人が農村に追放されたらしい。

 57年の共産主義サミットで「世界人口の半分が死んだら、残りは全部社会主義になるね」という演説をして周りをドン引きさせたり、演説では中国の名言格言をよく引用するが、外国人どころか、中国人にも意味不明とか、ハンガリー動乱に「ちゃんと反革命分子を粛清しなかったからだ」と言ったり、発言だけでもその滅茶苦茶ぶりが凄い。フルシチョフは「毛沢東を見ているとスターリンを思い出す。まるでそっくりだ」と言ったんだとか。

 他にも、蒋介石の息子がソ連に留学に行ったまま帰してもらえず、長らく人質になっていたとか、林彪の息子が毛沢東の暗殺を考えていたというのも興味深かったが、誰々が実は共産党のスパイ、というのが多くて(宋慶齢とか)、信憑性はどうなんだ、と思うところもあり。

 ちょっと印象が変わったのが周恩来。毛沢東と何とかうまくやりつつ、民衆から慕われた温厚な政治家、というイメージだったが、毛沢東にいたぶられ続けながら、忠実に卑屈に仕え(一晩中江青をなだめたりもし)マゾ気質があるとまで書かれるという(でも文革には積極的に参加)。初期から毛沢東のことを知ってるから、そうするしかなかったんだろうけど、抜群の外交能力がありながらこの人生は…。

11月19日(火)

 数度温度が下がっただけで、朝、着替える気力を失うなんて、温度でオス・メス決まるカメさんワニさんを笑えないと思った。

 帰宅したらS君が五十肩をおしてコタツ出してくれてた(幸)。

 もぐが『冷たい方程式』を読んだ。「登場人物少ないんだね」←アレンジものを先に知ってる若人の感想。

11月20日(水)

顔中にテープ貼ってたら(理由はお察し)
帰ってきたもぐ「…ママ、どうしたの…女の一番大事な顔が…(´・ω・`)」
姉「もぐ、なかなかいい感じに育ってるな。育てた甲斐があったわ」

 昨日、S君が唐突にキャッサバを買ってきた。毒あるよね、ってみんなで検索した挙げ句、下茹でして、昨日はS君がキャッサバフライとキャッサバの煮っころがしにしたので、今日は肉ジャガキャッサバとキャッサバサラダにしてみた。繊維多めの芋で美味しいけど、固いところと柔らかいところが混在しているので、そのままでは使いにくくはある。

 藤森『丸刈りにされた女たち』を読み終わった。フランスの二次大戦後の対独協力者リンチに興味を持った著者が、当時丸刈りにされた人の話を聞こうとした模様を綴ったエッセイ。「男が自国女性に対する性的支配権を取り戻したことを誇示して」笑いながら人の髪を切る映像は衝撃的で、子供の頃テレビ(『世界まるごとHOWマッチ』)で見たのを私も覚えているが、被害者でも話を聞くのは大変なのに、加害者と疑われた人の話を聞くのはそりゃ難しいにも程がある。占領地にも生命の泉協会があって、敵兵との間に生まれた人は各地に数万単位でいたらしい。ドイツ兵との性的関係の疑いがなくても、密告したと疑われたからだったり、たまたまでリンチにあった人もいたり、大した事じゃないのにそんなこと調べるなんて、という態度の退役軍人がいたりも(まあそりゃ戦闘や拷問に比べればね)。



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