12月21日(木)

 昨夜いかなごが突然「クリスマスプレゼントに腹巻きが欲しい」と言い出したので、慌ててうさぎ腹巻きを探して注文。

 寒い。寒過ぎる。通勤より散歩が辛い。

 いやいや、ガザの人は海で泳げばと公言とか、どうにかならんのか、イスラエルの大臣。

 早乙女『ベトナム“200万人"餓死の記録』を読み終わった。日本では中国侵攻後、1940年から米不足が始まり、初期は東南アジアから奪って来た外米を配給していたが、輸送船が沈んだので、そのうち外米も手に入らなくなった。米不足の原因は肥料と労働力不足。一方、フランスに支配されていたところに、日本がさらに割り込んできて、二重支配されていたベトナムでは、日本軍が食料を奪ったり(輸送船がなくて運べなかったので、現地保管していた)食料以外のものを栽培させたり、南部の米を輸送できなかったりして、北部では45年3月以降、5人に1人が餓死したらしい。翻って日本では終戦前後に大量餓死は起こっていない。団塊の私の父親が無事に生まれたことと直結した話。

12月22日(金)

 もぐが超基礎的な問題しか出ていない数学の定期試験で凄い点を取ってきて、姉「これは四則演算ができない、と言われても仕方がない…」。一次方程式間違えんな(怒)。

 マニックス『人間はどこまで残虐になれるか 拷問の世界史』を読み終わった。64年の本を74年に翻訳したものの99年の再編集版を、なんで今読んでいるのか、自分でもよく分からない。大体どこかで聞いたことがあるような話ばかりだったが、魔女狩りの話が結構詳しくされていて、『魔女に与える鉄槌』とか信奉している人は、単なる変態サディストっぽいが、当時からまともな人もいたことが書かれている。ネトウヨの書き込みみたいなので、魔女裁判になって、拷問されて死ぬ人がたくさん出たんだろうな。「残酷さを過去のものと考えてはいけない」と主張しているのが、『暴力の人類史』と対比すると面白い。

12月23日(土)

 午前中は木乃のお風呂と、風呂と洗面所の大掃除。

 もぐの学校で行われた異教徒の祀りに参加して、精神的に疲弊し、帰宅後いかなごに仏教聖歌を歌ってもらって、ちょっと落ち着いた。宗教行事と学芸会を一体化して伝統行事にするという発想がなかったし、許嫁が妊娠したと天使に告げられるとか、野宿してたらあっちで救世主が生まれたと天使に言われて拝みに行くとか、にわかには受け入れが困難で…。あと降誕劇って、ひたすら神を讃えて、イエスは出てこないのね。7歩歩いて喋れよ、とか思ってしまった。

 草太君3本凄え。

 ちょ、ステファンとカロリーナのダンスだなんて、もう。この2人のデートを目撃したの、ブダペストだったっけ?

 亡くなった時でさえ、え?兄弟なの?と言われていた寺尾だが、長男が逆鉾にそっくりと言われていた。似てた。

12月24日(日)

 朝からクリスマスケーキ作りつつ冷蔵庫の掃除→昼ご飯→いかなごの振袖見に行く→木乃散歩→クリスマスケーキ仕上げ→M1見つつ全日本追いつつ、プレゼント開封、ってなんでこんなに忙しいんだよ。

 いかなごの振袖は、ネットで事前に選んでおいた中古振袖の試着に行ったんだけど、そのうちの1つに決めたら、隣の駅でイベントをやっていて、帯や小物一式を選べるのでどうですか、と言われたので、そのままそちらに移動。振袖はいかなごはまずまず気に入ってるし、色も似合ってるし、うさぎもついてるしで、ピッタリだとは思うが、正直訪問着でももっと派手だよ位の地味さなのが気になっていた。が、色が振袖に一致しているキラキラで柄の大きさが中ぐらいの帯がちょうどあり、いかなごも気に入ったのでちょっと安心。帯だけだと派手だが、あれぐらいじゃないと、いくら何でも華やかさが足りない。

 催事場では、専門の人が手際よく小物を試着して選ばせてくれて、草履バッグまで選択肢がたくさんあって良かった。私の時は草履バッグだけ売ってなくて、後から自分でポルタで探して買ったけど、高いし気に入ってなかったことを未だに覚えている(値段は今回のいかなごの倍以上した)。今は半襟も刺繍入りがあるし、帯締めは最初から組紐みたくなるようになってるのね。

 最後に「足袋ありますか、帯板は、帯枕は、コーリンベルトは」と確認されて、一式ありますと答えたら、「昔はなくて今はあった方がいいのは…」と変わり結びの羽を固定するゴムをお勧めされたのが面白かった。昔は紐で括ってたけど、今は専用のゴムがあるらしい。

 ちなみに、たまたま帯が半額セール品だったのもあって、草履バッグまで揃えても、総計で正月レンタル一式価格より安いぐらいだった。振袖も、状態が良いものを選んだこともあり、どこに瑕疵があるのか全く分からないレベルだったし、中古が嫌でなく、着物の質に拘りがない(というか見る目がない)人には良い時代になったものだと思う。

 クリスマスケーキはムースにしたが、今年も失敗。もっと日頃から練習を積まないとなあ。失敗しても食べられる味になるのが上達しない一因かも。

 今年のプレゼントは、もぐは(地味な)マフラーと危険生物図鑑、いかなごはうさぎワンポイント腹巻と『ねむねむ こうさぎ』。この絵本、乳児向けなのだが、うさぎがえらく可愛くて選んだら、いかなごもとても気に入っていた。ウサギ好きにお勧め。

 毎年S君母から届くクリスマスプレゼント、今年は当たりだった。もぐの好きな分厚い靴下が入っていたので、私といかなごの分ももぐへ。私といかなごには、爪お手入れセットとプラスチックトレーとタオルハンカチ。爪お手入れセットには、金属製の耳かきがついていて、いかなごは耳に入れそうなので取り上げて、私のセットが耳かき2本に(何かに使えそう)。プラスチックトレーは、私の分はいちご泥棒の柄だったので、日常使いに。いかなごは要らないというので、私がサンタさんからもらった人類の進化フィギュアを飾る台にした。人類の進化、いつ見ても酷い。肌の色がだんだん薄くなるんだぜ。

 M1は普通にさや香が面白かった。というか、決勝もさや香だけが面白かった。S君ともぐは敗者復活戦からずっと流し見していたが、今年は叫ぶ系が多かったらしい。

 Blueskyが突然ちょうちょに。

 代表は佳生君なのね。

12月25日(月)

 サンタがいつくるかは保育園児親には重要だったよなあ。今年は1日ずらすだけだから簡単だけど、上皇様誕生日が休みではなくなったことで、調整はより面倒そう。

 そういえば、いかなごは着物のお店の人々に「地味なのが好きなんですね」と言われまくり、「お母様が派手好み」なわけではない、ということをやっとご理解いただいた模様。

12月26日(火)

 西洋人が「Happy holidays」と言い合ってるのを見聞きして、なんか西洋人って感じだな、と思っていたが、今日職場で、誰彼構わずお互いに「良いお年を」言いまくってるのに気づいてしまった。

 木乃がよく響く声で「わん」と言ったので「今のわんは良かったねぇ。天才だねえ」と言ったら、子供らが「今までのママの犬キチガイ発言の中でも1、2を争う」と騒ぎ出した。なんでよ、綺麗なわんだったよ?

12月27日(水)

 年末でオペないし、持ち患者さんはみんな明日の予定なので、今日は有休とって、掃除→家族で外食→掃除。

 S君がウナ電なるものの話をした。私は初めて聞いたが、urのモールス信号で至急の意味で、ウナコーワのウナも同じ由来だとか。て昭和51年に廃止されてるやん。なんで知ってるんだよ。

 今日の大掃除のハイライトは、綿あめ製造機が台所の端に出されていることに気付き(S君は逆に箱がどこにあるか気付いてなかった)うん年ぶりに収納できたこと。あとレンジフードの外側をピカピカにした。

 いかなごの振袖一式で、唯一揃えていなかった長襦袢をメルカリで買った。長襦袢はみんな化繊のピンクのやつにされますね、と言われたけど、やっぱり正絹で、振袖に合うのにしたくて。桜柄の振袖に合わせた桜柄の薄緑のぼかしの襦袢にしたが(中古なので値段は化繊と変わらない)、予想通りでかいのて、袖も肩も裾も詰めねば。

12月28日(木)

 もぐ『「勉強サボる」→「バレてママに怒られる」→「ちょっとマジメにやる」→最初に戻る』を繰り返してて、いい加減嫌になってきた。最初からやれよ。

 58人診て、魚焼きグリルの大掃除して、もぐがサボってるのを知った私に
いかなご「私が勉強してる、って今まで言ってたのが、実はしてなかったら?」
S君「やめなさい、その発言だけで、もうママのSAN値はゼロだ」

犬disり主義者のS君「ここ掘れワンワンは犬が愚かだって話だろ」
私「なんでそうなるのよ」
S君「いじわる爺さんの駄犬は役に立たないって結論だろ」

12月29日(金)

 台所の壁やら棚やら鍋の蓋やらを掃除した。擦り過ぎで手が痛い。

いかなご「お母様!」
S君「しっ、いかなご。大掃除をしてるママは、冬眠前の子連れのクマと一緒だからな。目を合わせたらダメ」

 カプラン『ワルシャワ・ゲットー日記』を読み終わった。学校教師の著者が、39年9月1日のポーランド侵攻から、移送される直前の42年8月4日まで書き綴った日記(一部欠損あり)。著者は自分のことはなるべく書かないようにしているが、改宗者に厳しく(改宗しても無駄だったね的なことを言ったりしている)偏屈な感じも含めて、如何にもな感じのおじさん。

 ナチスはユダヤ人が就ける職業を少しずつ禁じていき、ユダヤ人が住める地域を狭めて一か所に集め、物価も少しずつ上げていき(電車のユダヤ人運賃を4倍に上げるとか)、とにかく毎日地道に少しずつ生きる道を断っていく。それと並行して、家から家具を奪っていったり、往来でユダヤ人を殴ったり、踊らせたり、とにかくひたすらドロボーで、やることがえげつない。以前から噂が絶えなかったゲットーが作られると、食料は密輸頼りになり、タケノコ生活のユダヤ人は仕事もできないから暇で、往来で噂話をするしかない。1942年に入ると他地域での集団射殺や移送の話が流れてきて、4月からワルシャワ・ゲットー内で無差別射殺がはじまり、移送を知らされたチェルニアコフの自殺となる(著者は二流の人物と言い続けていたが、自殺後は一気に評価)。

 著者は、周囲のユダヤ人が戦況について楽観的に考えよう、考えようとしていることを記載し続け、何度となく、これ以上酷いことは起きないだろう、もう何をされても驚かない、と語るが、さらに酷いことが起き続ける。当初はポーランド人の反ユダヤ感情の強さ(最初はナチによるユダヤ人虐待に喝采を送ったり、ポーランド人ごろつきがユダヤ人を襲撃したりしていた)を記し「汝がなしたようにされるだろう」と述べるが(シオニストの著者は、パレスチナについてどう思っただろうか、とつい考えてしまう)そのうちポーランド人も強制労働につかされたり、射殺されたりするようになる。あと、ジョイントは戦前から活動していた組織なのね。日記は8月4日が最後だが、著者はトリブレンカで12月か1月に亡くなったそう。

12月30日(土)

 今年は珍しくS君が昼間に餅を搗きだしたので、昼は搗きたて餅バイキング。って専門店作ったら面白そうだけど、事故が出るかな。

 検察働き者だね。

 私立中学って、出身小学校はバラバラでも、塾が同じ子が必ずいて、そこで大概長時間一緒に過ごしてるから気質を分かってる同級生がいるのが面白いよね。私は弱小勢力の塾出身だったので、仲間いなかったけど、今はほとんど大手塾だからね。

 ガザの人口密度って、ワルシャワゲットーの4割ぐらいか。

 しおしお一家が京都来るって→食べ物屋探すが分からない→Tさんに連絡→教えてもらう、って先輩偉大。

 西井編『ホロコースト:絶滅収容所の記憶』を読み終わった。ホロコーストの経緯を述べながらの写真集。みんな絞首刑写真撮り過ぎ。キャプション(というか解説?)が、偏ってるが詳し過ぎて、まさか これ編集の人が一人で書いたの?後書きで本人も語っているが、付属のホロコースト年表が、異様にごちゃごちゃしている。あと、163人の亡命著名人一覧というのが写真入りで載っているが、マレーネ・ディートリヒとアーレント以外全員男で凄まじい。

12月31日(日)

 アホの坂田が死んでしまった。

 家の廊下をガサガサッとアライグマっぽい生物が3匹走り回る悪夢を見た。アリクイっぽい顔で横縞があったが、後で調べたらそんなイキモノいなかった。

 里芋剥くの面倒だからって頭芋輪切りにしたら、煮崩れた(当たり前)。

 昼はもうその辺のパン屋が休みなので、uberもぐでマクド。

 大掃除をしたもぐの部屋に入ったら、クローゼットの中に不審者が来た時に隠れるスペースを見つけた由を語られた。君、常に不審者のこと考えてるよな。

 今年は私(とたぶん家族も)がコロナウイルスに感染し、S君は五十肩で、2人ともさらに白髪が増えた。いかなごは相変わらずで、もぐは暴言を吐くが、とりあえず大きな病気もなく1年を過ごすことができた。

 お世話になった皆様、ありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。



過去の日記の目次に戻る。

日記に戻る。