1月1日(日)

 明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 受験生は最近夜10時半に寝せて、朝6時半に起こしてるので、今朝も起こしたら、初日の出を見に行く、と7時前に家を飛び出した。が、すぐに戻ってきて「ママ、東ってどっち?」

 で、受験生恒例(2回目)お節弁当を作って、もぐを送り出して、干支が走り回る中、二度寝。

 市販のお節、洋風のもの以外は私でも食べられたが、味が濃すぎて、自分が作った煮物が全く味がしなかった。味付け間違えたかと思った(←味見しない派)が、S君「先に煮物から食べるんだよ。いつもの味だったよ」

 いかなご、お年玉のお札には興味を示さないので(金額の大きいお札は私に渡して、銀行口座に入れとくように言う)、親からのポチ袋にはガラスの雪うさぎのまち針入れて渡したら「何これ可愛い…ありがとう」と言われた。

 「えええええ!」と思わず大きい声が出た>小林愛実&反田恭平結婚発表。物凄いカップル。愛実さん、悪阻や切迫で予定したコンサート出られなくても、夫が代理も(能力的に)可ってことか(凄え)。

 干支ソング、どうせ「ぴょんぴょんぴょんぴょん」とかでしょ。って言ったら、その通りで面白かった。

1月2日(月)

 受験生が昨日から風邪引いてるが、加湿器のコンセントが見当たらないそうで、結局濡らしたタオル干してる。

 今年の抱負は「左肩の可動域を取り戻す」にする。

いかなご「このうちに『ディファレンス・エンジン』ある?」
(探す)「ないわ。代わりに『ニューロマンサー』と『スキズマトリックス』じゃ駄目?」
いかなご「スチームパンクが読みたいの」
(そっちか)『移動都市』を渡しといたけど、それでいいのか?

 もぐ以外で吉田神社に初詣。うさぎ絵馬が可愛いので、S君が2種類買って持ち帰っていた。

 伊藤『八甲田山 消された真実』を読み終わった。自衛隊第5連隊に所属していた著者が、八甲田山行軍遭難事件について調べた書。現在も自衛隊で毎年八甲田山で訓練をやっているし、現在も第5連隊と第31連隊でライバル意識がある、というのにまず驚いた。当時の士官について「言動に軽率さがある」とか「用がなくなればゴミのように捨てる人間性」とか書いていて、結構辛辣なことを言いがちな私でも引いたし、良く分からない文章が多いのは残念だったが、それでも面白かった。

 遭難事件では、そもそも目的地がどこにあるのか誰も把握していなかった(地図持ってない、目的地の温泉にはもちろん連絡してない)、誰も予備の藁沓の持参なし、シャベルは20人に1本しか持参せず、雪の上で火をおこし、かまどを雪の上に据えたので、暖も取れず米も煮えず(地面まで雪を掘らないといけないらしい)、帰れなくなったので露営したのに、寒いから夜中に帰る方角も分からないままに出発、留守居のお偉方は、遭難するなんて思いもしなかったので捜索開始は遅れるわ、生存者がいるとは思わなかったのでゆっくり遺体回収の準備するわ、その後の報告書は虚偽だらけ、偽造だらけ。

 一方、用意周到で行軍訓練に成功したかのように言われている31連隊は、そもそも道案内をつけるという訓練にならない方法を取っているし、道中の村々で饗応を強要したり、途中で遭遇した5連隊の救助を怠った可能性がある、と(元々著者は、この訓練の滅茶苦茶振りに厳しいのだが、31連隊についてはさらに厳しい)。新田次郎も民間人に対する態度の酷さは書いていた気がしたが、これを読むとなるほど、という感じ。

 あと、直接関係のない、電話がない時代の電報話が面白かった。電波が悪いと省略してるのもあって謎解き状態になるのか。

1月3日(火)

 着る毛布着て、毛布のフードかぶって、人間の尊厳を失わせる足カバーを装着してソファで寝ると、凄く熟睡できる。

 最近いかなごが、私の膝に飛び乗って顔や手を舐める木乃を「妖怪みたい」と言い出したので、もう妖怪にしか見えない。すねこすりが妖怪なら、全然妖怪でいい気がする。

 昨年読んだ本は50冊。一昨年と比べるとだいぶ減ったけど、昨年はかなり映画を見たので、それを考えるとこんなものかも。

1月4日(水)

 出生率向上のために今更「女性の働き方改革」って、確かに異次元の発想。

 本番まで2週間切った受験生を迎えに行ったら「ママ見て!もぐ君ツッコミが上手くなったんだよ」とツッコミの手の角度が良くなった旨を披露された母の心境を25字以内で述べよ。(8点)

1月5日(木)

 今日は絶対混むからって、昨日20人以上処置入れたのに、結局今日も処置だらけになって、スタッフみんなで、何かがおかしい、と悩んだ。

1月6日(金)

 お茶漬けの素にお湯入れて飲むと美味しいことに気づいた。

 明日が新学期のいかなごに「しばらく会わなかった友達と会うのが気まずい」と管を巻かれる。知らんがな。

 で、いかなごと「管を巻く」の語源を調べたら、管というのは、糸繰り車の軸のことらしい→なんじゃそれ、と糸繰り車の動画を見る。いいなあ、やってみたいな。

1月7日(土)

 もぐの受験を控えて、三連休は引きこもり。

いかなご「サイバーパンクは光ってネオンついてたらよくて、スチームパンクは煙出て車輪ついてればいいんでしょ」
母「おぅ」

1月8日(日)

 七草粥美味しい。

 リトアニア語でヴァナガスって「鷹」って意味なんだ。

1月9日(月)

 ここ数ヶ月受信できなかったメールのサーバ設定が変わってるのに気づいた。メール受信できた(嬉)。

 ロウ『蛮行のヨーロッパ』を読み終わった。二次大戦後のヨーロッパで何が起ったのか、を語った本。知らないことがたくさん書いてあった。大戦後には実際に復讐は行われ、短時間なら連合軍も見逃していたこと、ニュルンベルグでは、抑留されていた親衛隊のパンに砒素を仕込んで、大量虐殺をたくらんだグループがいたこと、チェコではドイツ人が民間人を含め、戦後数年間強制労働させられ、ポーランドにはアウシュビッツのようなドイツ人抑留収容所があり、ドイツではそのことについて多くの本が書かれていること(日本でも引き揚げやシベリア抑留についての本はたくさんあるけど、連続輪姦犯の兵士達について書いた本はないよね)。一方、イタリアでは長期間政権を取っていたファシストの処罰がされていなかったため、北部ではリンチが起こった。対独協力女性の頭を剃った有名な行為は、コミニュティの罪を押し付けるスケープゴートの役割を果たした、と。

 ユダヤ人は「大量虐殺の被害者」ではなく、他の帰還者と同様に扱われた。扱いが悪かったのは、元々の反ユダヤ感情もさることながら、地元民が抵抗して戦争に勝ったことを否定する存在であり、略奪の被害者でもあったから。ベラルーシ人は4人に1人が死亡し、ギリシャでは1941年に飢饉のため10万人が死亡したため、イギリス軍が封鎖を解いた。そのギリシャのほぼ倍の人数がレニングラードで死亡した。ちなみにイギリスでは配給制度になったおかげで、全体の死亡率が減った(おい…)。

 戦後の選挙では、ほとんどの東側の国で共産党は多数派ではなかったが、結局ソ連が占領した国は共産党が支配し、パルト三国では、ソ連が偽パルチザンを装ったり、スパイを送り込んだりして、パルチザンを叩き潰した。大戦後、国境は動きまくりで、ドイツ人1173万人、ポーランド人120万人、ウクライナ人48万人が移送されて、急激に人口が増えた地区は大混乱。大戦中、クロアチア人(ウスタシャ)がセルビア人を虐殺していたユーゴでは、今度はパルチザンがクロアチア人を殺した。

 そこら中で強制移住による民族浄化が行われたが、対独協力を理由に中央アジアに強制移住させられたクリミアタタール人の子供達が、25万人クリミアに戻っているそうで、火種はくすぶり続ける。どの国も死者数を捏造し、誰かの勝利は誰かの死である以上、憎悪はなかなか消えない。「もし私達が憎悪と暴力のサイクルに終止符を打つことになるとすれば、いかにして相競い合う歴史感が相並んで存在し得るか示さなければならない。常に真実を発見するように励み(特に統計は)その上で真実を寝かしつけなければならない。結局のところ、それは歴史なのであって、現在を毒するがままにさせるべきではないのだ。」

 ドイツ人とポーランド人が今は友好的にしているというのは、希望ではある。しかし著者がイギリス人だから書ける内容なのだろうな、と思わないこともない。非常に良い本だし、翻訳してくれただけで有り難いのだが、2019年初版の本で「爾来」はないとは思う。

1月10日(火)

 首が痛い。

 いかなごに「ママが死んだ後SNSに存在しても、いかなご来てくれなさそう」と言ったら「SNSにいる死んだ母親なんて嫌だ」「週1くらいならアクセスしてやる」と言われた。



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