5月21日(土)

 予防接種の問診表書く時、本人(家族)欄と医師欄のどちらに名前書くか、間違えそうになるの、ほんとに困る。

5月22日(日)

 最近、裏のマンション住んでる人が、ギター弾き語り始めるので辛い。基礎練習と曲練習までは許容するとしても歌声がちょっと。せめて窓閉めて欲しい。

 ネトフリの『国民の僕』全部見た。シーズン3全3話放映時には、主演のゼレンスキーが実際に大統領選に出てるんだけど、その話の中ではウクライナは多数の国に分裂していて(中国に国土が買われた国とか、君主が自分の名前つけた国とかも)それをゼレンスキー演じるゴロボロジコの努力で再統一することになっている。

 ゼレンスキーは2019年に実際に大統領になっているが、色々うまくいかずに2年半後には支持率25%まで低下(『国民の僕』でも同じように色々うまくいかずに、ゴロボロジコは一旦大統領を辞職している)。で、その半年後にロシア侵攻。『国民の僕』では、2022年2月にリヴィウの鉱山での事故を、ドネツク・ルガンスクの救助隊が救ったことにより、ウクライナの完全統一が果たされることになっている。現実と交差しすぎて色々辛い。しかし、このドラマはウクライナ国民としてのまとまり、ロシア侵略への抵抗に寄与してるんじゃないかなあ。

 ということで、ネトフリで簡単に見られるから『国民の僕』マジお勧め。字幕は酷いけど。翻訳が間違ってるのはさておき、表示文字数が限られてるので仕方ないのかもしれないが、「名前+父称」で呼ぶ時に、名前だけ表示の時と、父称だけ表示の時があって統一性がないのは、何か良い方法がないものか。

5月23日(月)

 『我々の父親』というドキュメンタリーを見た。アメリカの不妊治療医ドナルド・クラインが、人工授精で患者に偽って自分の精子を注入していたという話。このドキュメンタリ―作成時で判明しているクラインの人工授精での子供は94人。夫の精子を使うと言われていた場合でも、どの家庭でも疑われてはいなかったっぽいが、簡単にできるDNA検査が普及したため、40過ぎになって判明した人も多数。出演している子供達が、当たり前だがクライン医師に似てるところが恐過ぎる。最後にさらっと出てくる、他にも自分の精子を使っていた不妊治療医が44人いたというのも恐過ぎ。

5月24日(火)

 『あゝ玉杯に花うけて』を斜め読みした。くそつまんなかった。これが大受けだったのか>昭和3年。同じような話でも『路傍の石』や『次郎物語』は面白いのにねえ。

 『暴君になる方法』というドキュメンタリーを見たら、ピーター・ディンクレイジがナレーターやってた。

5月25日(水)

 サリヴァン『アンネ・フランクの密告者 最新の調査技術が解明する78年目の真実』を読み終わった。隠れ家で暮らしていたフランク一家を密告したのが誰かを調べるために、クラファンも使って資金を集め、元FBIの人や歴史家も参加するチームが作られ、数年かけて活動して、得られた結果を経緯も含めて作家がまとめたのがこの本。出版後オランダの歴史家達が調査内容を批判する文書を出し、版元が出版中止にしたことでニュースになったので、その批判文書も読んでみた。

 まず、密告者が誰かという話はさておき、フランク一家と隠れ家について詳しくまとめられている前半は良かった。当時自由な国だと信じられていたオランダが、自国のユダヤ人をあっさりドイツ側に引き渡したこと、アンネ・フランク基金(スイス)とアンネ・フランク財団(オランダ)は著作権で揉めていること、アンネは4才でオランダに移住したため、オランダ人という意識が強いこと、ミープ・ヒースは子供の頃に食料不足のためオーストリアからオランダに送られて育ったこと、そして隠れ家に住んでいた人々のその後の足取りも詳しく記載されていた。

 8月に逮捕され、ヴェステルボルグ経由で9月にアウシュヴィッツに移送、アンネとマルゴットは10月にはベルゲン・ベルゼンに移送、母は翌1月6日にアウシュヴィッツで衰弱死、父は1月27日にアウシュヴィッツで開放。その前にアウシュヴィッツから死の行進に参加したペーターは、移送は生き延びたが5月にマウトハウゼンで死亡。ペーターの母は移送の際に突き飛ばされて轢死したという話があるらしい。

 一方、後半の「隠れ家を密告したのは誰か」を探る部分になると、登場する人名が多過ぎて読みにくいことに加え(これは前半からそうだが)、さまざまな推測だけを並べている感は否めない。最終的に、当時のユダヤ人社会の大物であった公証人が、家族を守るために密告した、という結論に至っているが、根拠が脆弱で、今まで他の仮説をさんざん細かく否定してきたのに、なぜその説だけは確信するのか、と唐突さが目立つ。

 本書の主張とオランダの歴史家達の批判を()内に併記するとこんな感じ。戦後にオットーに送られてきた書類に公証人の名前が書いてあった(誰からいつ来たかも不明な書類1枚に依存)→当時のユダヤ人評議会は、ユダヤ人隠れ家リストを作成していたに違いない(そんなリストがあったかどうか不明)→公証人は有力者だから、そのリストを手に入れ、家族の命と引き換えにリストを当局に渡した(公証人もその家族も、地下組織の助けで遅くとも1944年2月には潜伏していた。つまり8月にリストを引き渡す動機がない)。

 オランダの歴史家達の批判文書には、それはどうなの?と思うようなことも書いてあったが(公証人は立派な人物で、とか)、それでも本書の主張が他のさまざまな説と比べて真相に迫っている感じはあまりしなかった。それにしても、すぐにこれだけ騒ぎになって、出版差し止めになるというのは、「アンネの日記」の存在の大きさが改めてよく分かった気がする。

 あと、なぜか子供の頃に買い与えられ(偕成社文庫だが、今から考えると小学生の読む内容ではない)、背景が分かっていないので、何度読んでも意味の分からないところがあったシュナーベル『少女アンネ―その足跡』が、戦後わりと早くに出た関連書としてよく引用されていた。

5月26日(木)

 『ハリエット』(2019年、アメリカ)を見た。ハリエット・タブマンの伝記映画。発作で神のお告げを得て、逃亡や地下鉄道の活動に成功的な描かれ方をしていて、アメリカだなあ、と。後には婦人参政権運動にも参加していたのね。

5月27日(金)

 テキサス州の乱射事件、陰謀論&トランプ支持者がどう思ってるのかとちょっと見に行ったら、「なぜ反撃しなかったのか?」「犯人はゲイ」とか言っていてさすが過ぎた(白目)。

 『リプハーゲン:オランダ史上最悪の戦犯』(2016年、オランダ)を見た。ナチ政権下のオランダで、ユダヤ人に助けると言って近づき、財産を騙し取った、口が上手くてそつがなくて腕力もある悪人、リプハーゲンの話。俳優さんが良い顔の坊主頭(本人にも似ている)。戦後はアルゼンチンに逃げて、ペロンに仕えたり、ボクシングの試合を開いたりして、天寿をまっとうしたという…ナチスのイデオロギーとは関係なく、ひたすら悪人。

5月28日(土)

 ジロ最後の山岳。ここで差がつくのか。

 『最初に父が殺された』(2017年、アメリカ)を見た。ほのめかしや顔のアップが多くて、何が起きてるのかよく分からんのでは。折角映画化したのに、勿体ない感じ。

5月29日(日)

 裏のマンションのギター弾き語りの人、夜11時過ぎから3時前まで延々と歌っていて、私はビートルズの悪夢を見ていたが、あまりにもうるさかったようで、寝言で叫んでしまった。私が寝言で叫ぶのはよくあることで、S君やいかなごは特に驚きもしないが、裏のギターの人はびびったようで、S君によると、私が叫んだ後、すぐに窓を閉めて、ほどなく静かになったらしい。私の寝言が初めて近所の人の役に立った(たぶん)。

 ちなみにこの寝言は遺伝のようで、うちの母親も夜中に叫ぶ人だったが、子供の頃、この世の終わりのような叫び声で目を覚ますのはかなり怖かったので、たぶん裏の人も怖かったのではなかろうか。

 午後、気温32℃の中、いかなごのバイク送迎に付き合わせて、ホットドッグになるんじゃないかと心配したが、木乃は実に楽しそうにしていた。

5月30日(月)

 首が前後に曲がらない。たぶんまた寝違えた。

 『最後の日々: 生存者が語るホロコースト』(1998年、アメリカ)を見た。生き残った後、アメリカに移住したハンガリーのユダヤ人が、収容所を訪れたり、英語でインタビューに答えたりするドキュメンタリー。

 もぐ、修学旅行の準備を自力でしていて、えらい。私が手伝ったら、パンツ余分に入れてしまいそうだ。おまけに、当日朝、弁当用のお握りも自力で作っていた。

5月31日(火)

 リアルファブリックで小動物柄の生地セールを今日までやっていることに、夜気づいた。折々、猫柄や犬柄生地のセールをやっていて、いつも指を咥えて見ているだけだったのに、やっと廻ってきたチャンスを危うく逃すところだった(ギリセーフ)。

 ふと思い出したが、いかなごやもぐが赤子の頃は、毎日一家全員で風呂に入っていたのだった。よくあんな狭いことしてたな、と思ったが、よく考えてみると、大人一人で赤子を風呂に入れる方が大変なのだった。



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