12月21日(水)

 通勤中によろけて、物損加害事故を起こした。私は全くの無傷で、相手のみ一方的に物損という…非常に申し訳ない。警察の人達はアクサダイレクトかってぐらい丁寧で、検証した結果「硬いところ(私のバイク)が、一番弱いとこ(相手のバイク)に当たったからやねえ」とか言うし、「安全運転でお願いします」となぜか相手に言うし、それも非常に申し訳なかった。

 たとえ仕事が忙しかったとはいえ、ただ止まっただけでよろけてぶつかる自分が怖い。脳詰まり気味なんだろうか。

12月22日(木)

 引き続き仕事が忙しくて、死ぬかと思った。パン屋と枕屋と図書館に寄って帰宅して、夜もぐを迎えに行ったら、過去問で合格点の30点下だったと聞いて、さらにぐったりした。
 
 学校で部落の話を聞いたいかなごさん「京都って部落多いんだってね」。小さい頃から、車で移動する時に、あれこれ説明していたのに、全く入っていなかったのね。

 オルレブ『砂のゲーム』を読み終わった。当時子供だった著者が弟と2人でどうホロコーストを乗り切ったかを書いた児童書。弟と常に戦争や冒険ごっこをして「自分は主人公だから死なない」と信じていたこと、友達と家族の死亡人数を競っていたこと、地下室に長時間潜伏して、月の出ていない夜に短時間外に出してもらえる生活もあったことなど、子供目線で子供向けに書かれている。主人公達が生き残れたのは、裕福な家庭&父親が有名な医者で伝手もあったことが理由だと思うが、戦後イスラエルで生き残った父親と再会しても、親密な関係にはなれなかったのがやはり哀しい。

12月23日(金)

 もぐの前受けの合格発表を見たが、パスワード入れたら、ぱっと「合格」と表示されて、コンビニくじみたいだと思った。なんか奨学金みたいなのついてて、S君が「一家で引っ越そうか」と言っていた。

 寒過ぎて、着る毛布を着てコタツ入ってても寒いので、いかなごに人間の尊厳(を失わせるもの)を取ってきてもらって装着したら、やっと眠くなった。

 夜、いかなご希望でMステをつけていたが、なんで歌歌ってるのかさっぱり分からない人々の中に、時々歌が上手な人々が混じってて面白かった。

12月24日(土)

 昨日の鍋残りうどん&紫蘇納豆ご飯定食美味しい。なんて超どうでもいい呟きを50人以上見てると思うと…。

解説のしーちゃんを見たいかなご「この人誰だっけ?」
S君「イナ・バウアーで有名な人だよ」
私「イナ・バウアーで有名なのはイナ・バウアーやろ」

 貰いもんのシュトーレンとみかんで最終GPをぬくぬくと。現地さんは大変そうだな(帰るのが)。

 センプルン『ブーヘンヴァルトの日曜日』を読み終わった。スペイン内戦でフランスに亡命し、レジスタンスに参加していた著者は、捕まってブーヘンヴァルトに送られ、そこでも蜂起に参加して開放される。レジスタンス活動や、収容所内での看取り、解放直後の暮らしなど、思い出話があちこち飛びながら語られ、それなりに読みやすいが、哲学や文学の話、多くの人名も出てきて、そちらはさっぱり分からなかった。

 ブーヘンヴァルトでアウシュヴィッツのゾンダーコマンドの生き残りの証言会が行われていたとか、収容されていたソ連人が、解放後スターリンの肖像を建物に掲げた後に逃亡しようとしたことが当時は理解できなかったこと、著者は収容所に入る時にドイツ人共産主義者の囚人に「自分は学生だ」と言い張ったが、囚人は学生ではない職業を記載してくれ、そのおかげて生き残りやすい屋内仕事に回されたこと、多くの収容所の生き残りは罪悪感を持つが、著者は罪悪感を持たず「死んでいく人を見ている感じ」「死ぬかどうかは運」と感じていることなど、後書きに書かれているように、特権的な暮らしはできずに死ぬ寸前で生き残ったアンテルムの『人類』との差異が際立っている。

12月25日(日)

 全日本男子FS。
・全日本のテレビ観戦には年賀状書きがつきものだよね。
・昌磨のウォームアップシーンが映る。いかなご「逃走中かと思った。ほら、下に犠牲者リストが出てる(滑走順や」
・4サル6分間では綺麗に降りてたのに、ゆまち残念。

・友野君、もう全体的に素晴らし過ぎたが、シットも素敵。
・ジャンプ前ランで手がおろそかになる人苦手で…。
・タイムオーバー珍しいね。
・いやでも昌磨は代表発表後の記者会見が一番びっくりした(凄)。

 リー『アラバマ物語』を読み終わった。アメリカ南部の暮らしを小1の女の子の目から描いた小説。貧乏な白人一家の娘が、近所の黒人男性に強姦されたと訴えたことで、何の証拠もないのに、その黒人男性が逮捕された裁判がメインなのだが、一族同士で通婚し、お互いに交わらない集団が散在する田舎の暮らし、隣家の引きこもりをおびき出そうと頑張るガキ共、収監された黒人をリンチしようと集まる白人の農民達、その中で強権的な躾が当然の時代に、子供の話をよく聞き、物事をいちいち説明してくれ、実は射撃の名手でもある、シングルファ―ザーの有能な弁護士アティカスが光輝いている。よくできた本で、アメリカで教材になっているのもよく分かる。

12月26日(月)

 マスクしてるせいか、強化部長の顔が別人に見えた…。

 なんか…専ブラ使わないTLは、以前よりさらに見にくくなってる気がする。

 いかなごに「お母様って明らかに生きるのに向いてないのに、私より3倍も生きてて偉いよね」と褒められた。

12月27日(火)

 年末なので医者に行かないと、と思う人が多いらしく、引き続き忙しくて、帰宅後本も読めず、死んだ魚のような目をしていたら、いかなごが「ママはもぐの受験前で大変なのね」と妙に優しい。

12月28日(水)

 今日は外来じゃなかったので、病院中を動き回っていても、帰宅後も元気。本が読める。

 と思ったら、夜もぐを迎えに行こうと着替えた時に、右下腿が連続して3回攣って歩行不可能に。もぐの迎えはS君に依頼して、後で杖ついて木乃の散歩だけ短時間行ったが、片足使えないと犬の散歩は危険だね。

12月29日(木)

 階段玄関風呂洗面所トイレ掃除と、年に一度のガラス細工総湯浴終了。最近数が増えたから大変だわ…。

 cousin once removedという言葉を知った。first cousinとsecond cousinとcousin once removedの説明を上手にしている英語の記述を見て、「いとこ」と「はとこ」と「いとこ違い」の意味がようやく分かった。

 普段なるべく使わないようにしている左腕を掃除で使ったので痛い。

 池亀『インド残酷物語』を読み終わった。インド南部で研究している著者のインド四方山話。ジャーティ(カースト制度)の話は以前読んだ本で書かれていたことと同じだったので分かりやすかったが、ダリット(不可触民)って人口の17%もいるんかい。多過ぎやろ。お金持ちはゲーテッドコミュニティを形成して暮らしており、生活はほとんどコネで成り立つので家族結婚はとても大事、一つの州で話されている言語(他の州では通じない)の話者がフランス人口と同じぐらい、所得税を払っている人は人口の1%、国の制度が今いちなので、地方でグルという偉い人が裁判や仲裁してる(個人の資質に依存し過ぎだよな)、常に虐げられているダリットの、お互いの足を引っ張ったり、同じダリットが虐げられている場面で笑ったりするメンタリティが問題、IT技術者が多いのはジャーティが定まっていないからだという俗説があるが、技術者の半数はバラモンで(バラモンはインド南部では数%しかいない)留保制度(ジャーティへの割当て制)の導入を拒んでいる等々。こういう読みやすいナゾの国インドの話は貴重。

12月30日(金)

 大掃除で塩素使いまくったから手荒れるかなあ、と思ってたが、朝起きたら股関節痛くて動けなくなっていた(笑)。当たり前だが、弱いところがやられるのであった。

 私から部屋の大掃除をするように言われたいかなご。
(掃除前)「評価基準を教えてよ!私が1時間かけて掃除しても、ママがダメって言ったらやり直しなんでしょ!?どうしたらいいのよ!(gdgd」
(掃除をはじめる)「靴下3セット見つかった!あとこれ、もう小さい服」
(30分後)「ママ、机の上から何か分からないものが入った箱が出てきた」(河童のミイラか?)
(1時間後)「お母様、怒らないで聞いてね。クラスメイトのノートが出てきた…」
(2時間後)「もう疲れた…残りは明日…」

 ユスフザイ、ラム『わたしはマララ』を読み終わった。女子教育を主張してタリバンに撃たれた少女マララ・ユスフザイの自伝だが、パキスタンのマララが住んでいた地域の歴史や情勢、撃たれた後の経過などを非常に詳しく説明している出来の良い本。圧倒的なパキスタンの貧しさ、政府機能やインフラの悪さ、地震や洪水など災害の多さも露わになっていて、気分が暗くなる。マララの属するパシュトゥン人は、一族が害されると相手を復讐のため付け狙う伝統があり、相手の一族を誰でもいいから殺したり、相手の一族の美少女を自分の一族の出来の悪い男と結婚させたりするらしい。ついこないだもマララの出身地のスワート峡谷で、レイプされた女の人をレイプした男と結婚させて和解成立した、というニュースが流れてたな。

 そんな中、隣国アフガニスタンから(というか、国境地域は長らく無政府状態らしい)タリバンがやってくるのだが、最初はラジオ局を作ってカリスマDJがイスラムの教えを感動的に語ったり、「〇〇町の〇〇さんは学校をやめたので天国に行けます」的な放送をして、大人気になって献金を集めていたらしい。マララの父親は学校経営者で、もともとタリバンを公に批判していたため、マララも西側のインタビュー等で女子教育を訴えていて有名人ではあったが、父親はいつ暗殺されてもおかしくない状態だった模様。タリバンとパキスタンとの関係や、民族宗教貧困の状かりやすいのでお勧め。日本も2世代前までは似たような貧困状態だったわけで、今の差はどこで生まれたのか、また戻らないようにするためにはどうしたら良いのか、と考えずにはいられない。

 夜、いかなごが唐突に「本を読む時には声が聞こえる」と言い出し、何言ってるんだろ、と思ったが、ググったら、本を読む時に声が聞こえる人は多いのね。私は一度も聞こえたことはないし、S君も聞こえたことはないそうだが。それにしても、いかなご、本を読むのが異様に速いのだが、声はどういう風に聞こえてるんだろ。

 おお、無事救出されて何よりだが、結局フリーフォールはしないといけないのか。

12月31日(土)

 木乃散歩納め。遠くまで行き過ぎて、帰り歩かなくなった。

 S君が「いかなごにも世間一般のお節を食べさせておかないと」と言うので、初めてお節を買ってみた。それだけだと寂しいので煮物だけ作った。

 逢坂『同志少女よ敵を撃て』を読み終わった。独ソ戦女性狙撃兵の話。前半は少女達の成長物語でアニメ化待ち感半端ないが、後半の戦闘シーンは面白かった。しかし、全体的に非常に類型的で(NKVDは陰湿な視線とか何じゃそれ)、ソ連軍は超絶いいもの(配属先選べるような組織か?)に描いてあり、日本人が書いているのだから当たり前だが、ロシア感が全くなく、外国人が描く「すぐ手を合わせてお辞儀する日本人」を見ているようで、非常に微妙だった。ただ、「直接人殺しをする」狙撃兵の心情や、「男性兵士達が連帯感を深めるため」の輪姦にスポットを当てているのは凄い。犬可哀想シーンあり、犬が可哀想な目に合うのは駄目派は注意。

 今年はもぐがコロナウイルスに感染したが、今のところ特に後遺症もなく、他3人も大きな病気をすることなく1年を過ごすことができた。私は五十肩になり、白髪を見つけることもあり、S君もそれなりに老けてきたが、子供達は大きくなっているので仕方ないだろう。

 お世話になった皆様、ありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。



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