12月11日(日)

 しばらく前にもぐが眼鏡を失くし、今日新しいのを作りに行こうとした寸前に、もぐが自分で発見。

 井上『氷壁』を読み終わった。ひたすら昭和30年の風俗が面白い。こんな喋り方本当にしてたのかな、とか、合コートって春物のことなのか!とか、イヤリングが珍しいもの扱いとか。ザイル(ザイルって見かけも特殊なんだとずっと思ってたけど、ぐぐったら普通に縄なのね)切れて亡くなった人は普通にストーカーだし、支店長の演説とか、最早古い海外小説を読んでいるような違和感。

 ストーカーも支店長も主婦もやたらダラダラ喋るのは井上靖の仕様なのか(『しろばんば』『蒼き狼』『天平の甍』ぐらいしか読んだことないのでよく分からない)。作者晩年の作品なのかと思ったら、50歳の時の作品で新聞小説だった。

 結局ザイルがなぜ切れたのかは分からずじまいで、これってモデルがあったんじゃなかったけ、とぐぐったら、この小説が出た後も15年以上対策はされず、ナイロンザイルは切れて死者が出続けたとか、実際に行われた実験では岩角を丸くして行っていた、とか色々衝撃的なことが書いてあった。

12月12日(月)

 昼に食堂でトンカツが出て食べてしまい、気分悪くなってヨロヨロ帰宅したら、試験休みのいかなごがビスコッティとオレンジのジャム作ってた。美味しい。

12月13日(火)

 少子化対策。
1 教育費無料化(基本)
2 結婚したら経済的に有利になる施策(子供ができるかもしれない下地)
3 既に産んでる家庭にどんな援助したらもう1人産むかを聞いて、個別援助(手っ取り早い)
4 人工子宮開発(長期目標)

 ちなみに、うちは4が実現されないと3人目は無理だった。

12月14日(水)

 パール『おまもり』を読み終わった。ドイツのユダヤ人一家が、アメリカへ移住しようと準備→ビザが出るのを待っている間に水晶の夜で父親は拘束→開放された後、すぐにオランダに脱出→渡航船を待つ間にドイツがオランダ占領→ヴェステルボルクから、捕虜交換要員としてベルゲン・ベルゼンへ→死の行進の最中に監視兵が逃げて開放されるが、その後父親はチフスで死亡。ヴェステルボルクが、オランダがドイツに占領されるまでは難民収容施設だったとは。捕虜交換要員なため、扱いは多少良かったようだが、それでもベルゲン・ベルゼンの寒さが伝わってくる。文字が大きいし、漢字に振り仮名がついているので、児童書扱いの本だと思うのだが、内容が全く児童向けじゃない。

12月15日(木)

 大ショック。永明、30歳になって2歳から住み慣れた土地から送還なんて…。

12月16日(金)

 もぐは起きたが、いかなごが起きてこない。
私「もぐ、日頃の恨みをはらしに、いかなごを起こしにいってもいいよ」
もぐ「蹴飛ばされる未来しか見えない」

12月17日(土)

 何の因果か、もぐ3回目、いかなご&S君4回目、私5回目のコロナワクチン接種が 昨日重なり、特にもぐは今日前受けだったので、倒れないかドキドキしたが、解熱剤飲んでたこともあり、全員何とか乗りきれた。

 ワクチン打ってもらった近医に、一昨日私が間違って電話をかけて、留守電にこちらの話声が録音されていたらしく、今日先生から電話がかかってきて「『ママは5回目』とかいう声が入ってました」「勝手に留守電に入れてもらっては困ります」と言われた。すいません、すいません。

12月18日(日)

 M1は、家族全員が爆笑してたのはさや香の1本目だった。ヨネダ2000が面白かった。あと、我らワールドが1回戦通過していたことを知った。

 たぬきって、よく考えるとその辺で見たことはないのに、やたら身近な気がするのは、信楽焼たぬきがその辺にいっぱい居るからな気もする。うちの玄関前にも、うちの実家にいたやつが居る。ちなみに信楽町には人間よりたぬきの方が多いらしい(地元民談)。

 フィンケ『「戦場のピアニスト」を救ったドイツ国防軍将校』を読み終わった。ワルシャワに隠れていたユダヤ系ポーランド人シュピルマンを救ったことで有名なドイツ人ヴィルム・ホーゼンフェルトの伝記。ワンダーフォーゲル運動に熱心で、新時代の教育を追い求める教師ヴィルムは、二次大戦に召集され、主にスポーツ担当将校として兵士のスポーツ大会や生涯教育教室を開いたり、終戦前はワルシャワ蜂起での捕虜の尋問などに関わっていたが、ナチスのポーランド人やユダヤ人に対する暴力に反感を持ち、積極的に彼らに手を貸していた。とはいえ、ポーランド占領後も「ヒトラーの平和」を信じていたヴィルムに対し、家で5人の子供を1人で育てていた妻は当初から戦争には全く反対で、2人の手紙にはそのことがはっきりと綴られているのが驚き。検閲ないのか。

 ヴィルム(チョビ髭生やしてるのにちょっと驚いたけど)は日記にもポーランド人やユダヤ人に対する暴力行為を記載しており、当時の人々が多かれ少なかれ何があったか知っていたことは想像できる。ワルシャワで捕虜になったヴィルムは、ソ連各地の収容所を転々とし、その間ヴィルムに助けられたポーランド人達が請願を出すも、当然何を言ってもソ連には通じず、高血圧で脳梗塞を繰り返したヴィルムは収容所で死亡する。あと、シュピルマンが若い頃からかなり有名だったことも読み取れる。

12月19日(月)

 エントラッセンって、釈放て意味もあるんかい。そりゃそうか。

 昨日の模試の成績が今いちだったもぐが、チューターの先生と話をしたいというので、メールさせたら、受験の精神について熱く語る長い返信が帰って来て「すまん、受験舐めてたわ」と思った(まあ、所詮他人事だしな…)。

 いかなごさん、時によっては名前呼んだだけで「何っ?」と凶悪な目で睨むが、それでも「ねえママ、早くクリスマスが来ないかなあ、って言って」って何度となく言わされるよりはマシだなあ、とこの時期になると思う。

12月20日(火)

 『1対1対応の演習』って大学への数学の眷属なのか(驚)。しかも「大学への数学」って大学受験のための数学なのか(驚)。大学数学を数学オタクの中高校生が解く雑誌だと思ってたよ。と言ったら、S君(←解いてた)「よくある誤解だよね」。

 いかなごさんが家庭科で作った、アマビエを刺繍した布が縫いつけてあるくるみボタンをくれたので、職場の白衣につけた。



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