11月11日(金)

 リッヒェベッヒャー『ザビーナ・シュピールラインの悲劇』を読み終わった。ユングの恋人として有名らしい、ロシアのユダヤ人精神分析家、ザビーナ・シュピールラインの話。何と言っても、ユングの鬼畜さがひらすら目につく。

 後にナチス政権下でユダヤ人を貶めたユングだが、ザビーナの精神分析を行って、その症例報告を出したことで、最初の名を挙げたらしい。しかしザビーナの病像を誇張して発表してるわ、妻がいるのにザビーナと恋愛関係になるわ、別れてくれと頼んできたザビーナの母に金払えと言うわ…。後にユングと仲が悪くなったフロイトは、自分がユダヤ人なため、後継者はキリスト教徒にしたくて、ユングに目をかけていたらしい。まあ個人的には、「飛行船の夢」は性的能力を持ちたいor男性になりたい願望を示している、なんてところから、そもそもこの界隈にはついていけないが。

 ロシア革命以前、スイスやドイツで珍しく女性が大学教育を受けられたため、裕福なロシア人女性がたくさん留学していたらしい。ザビーナは結局、共産主義革命後のロシアに戻り、精神分析家として仕事をはじめるが、「神経症は資本主義社会にしかないのでソ連にはない」というのが公式見解なため、何かとうまくいかず、弟3人は大粛清で次々と処刑され、ザビーナはロストフ・ド・ナヌーに侵攻したナチに娘2人とともに処刑されたと思われる、と。

11月12日(土)

 学校帰りのいかなごと、いかなごの服を買いに行った。大きくなったのも嬉しいし、そろそろこれ以上大きくならないので、ピッタリサイズを買えるのも嬉しい。

11月13日(日)

 ボローニュ『羞恥の歴史』を読み終わった。明記されていないが、「フランスの」羞恥の歴史を語っている。のっけから「女性には羞恥が備わっているから、女性の溺死体はうつ伏せに浮かぶ」にのけぞる。乳は見せて良いがふくらはぎはダメ(13世紀)、鍵がないので家には誰でも入ってこられる(17世紀)、「裸体や汚物は見せる側は屈辱ではなく、見る側が屈辱」「下着を手渡すのは劣位の象徴なので、王に下着を渡す係の貴族がいる」と大変そうな世界だった。

11月14日(月)

 ゼレンシキー、ヘルソン行くの早っ。大丈夫なんかいな。

 同い年の同僚と、小学生の頃、夜の塾帰りは一人で帰っていて、変態に襲われかけることはままあった、というあるある話をした。何なら襲われる方が悪いと言われたよね、とか。今じゃあり得ない。

11月15日(火)

 いかなごが最近学校でやっているダンスの練習動画を見せてくれたが、ゆるゆる踊ってて、ちょっとびっくりした。最近はああいうのもあるのか。

 このところ、五十肩がマシになってる感じがする。伸びをしても、激痛じゃなくて、痛ぐらいだし、ほんの少しだけど、手が後ろに廻る。

11月16日(水)

 「ママは私のことなんてどうでもいいんだ。この前私が『私、宇宙人かもしれない』って言った時も『私、人間じゃないかもしれない』って言った時も『そうかもねえ』って言ってたもん!」といかなごからナゾの苦情を承った。いやじゃあ、なんと答えれば良いのですかお嬢ちゃん。

11月17日(木)

 アドバイスを受けたので、朝っぱっからいかなごに「実は言わなきゃいけないことがあるの。あなたは魔族の娘なの」と言ってみたら、冷たい目で「証拠は?」と言われた(しくしく。

 S君からのSMを受けたいかなごが、学校帰りにスーパーで白菜を買って来た(偉)。

 鍋って、繰り返していると、マンネリ化を避けるために、そのうちおでんになるよね。

11月18日(金)

 「ケルベロスやケンタウロスなんて言われても分かんないから、ぬらりひょんや一反木綿にするべき」と私がもぐを起こす声で起こされて不満気なS君が朝から述べていた。

 R.I.P.ゴルシコフ。

11月19日(土)

 S君といかなごと近所のスーパーに行って、偏食のいかなごと私が食べられそうなものを買い物担当S君に説明するミッション。

 いかなごさん「『南総里見八犬伝』?聞いたことあるよ、ドラゴンボールみたいな話でしょ」と言い出したので、両親で全力で突っ込んだ。

 南総里見八犬伝、子供の頃、児童書版を読んだら、いきなり意味不明に犬が酷い目に遭ってた覚えがあったのだが、今調べてもやっぱりそうだった。一族の怨念がー畜生道がーとか言われても、飼い主に忠実な巨大ワンワンが裏切られ続けるだけやん。

 昌磨君FS、前半動き少ないなと思ったけど、後半の動きが凄かった。あと草太君の 終了後キスクラ手前が面白かった。

11月20日(日)

 『姉妹たち』大好き。R.I.P.

 久しぶりに源氏パイを食べた。私もいかなごもS君も「なんか昔と違う」と言うのだが、どう違うかはそれぞれ全く違っていて藪の中状態。

 ステファンは心配性じゃない。



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