2月1日(火)

 出勤の最中、どうも今日は世の中が明るいな、と不審に思ったのだが、それはコンタクトにより視力が1.5と驚異の値に上がっていたからなのであった。あと、麺を食べても視界が保たれているってのも素晴らしい。
 仕事は、12人の全く知らない担当患者さんを抱えててんやわんや。病院に着いた途端、前の担当医が今朝から患者さんの呼吸状態がおかしくなった、とばたばたしている。11時前に、その患者さんの呼吸止まるし。酸素いって心マしたら戻ったけど。

 ヴァン・ヴォクト追悼(まだ生きてたのか、と思いました。ヴォクトは数年前に死んだという偽の記憶が私には植え付けられていた)ということで『スラン』を読み返し。いやあ、いつ読んでも素晴らしい。大人気なくわくわくする。これが1940年の作品とは。
 ヴォクトの死亡記事が朝日新聞の夕刊に載っていた。でも「アルフレッド・バン・ボクト氏」だって。エルトンを省略したり、Aじゃなくてアルフレッドになってるだけで見逃しそうだ。
 晩年はアルツハイマーに罹っていて、ロサンゼルスの施設で亡くなったらしい。つうことは、そのへんの老人病院にぼけぼけのおじいちゃんがいて、昔有名なSF作家だったらしいよ、ふうん、とか言われてて、実はヴォクトだったりしたんだろうか。それはすごい。

 んで、ふと考えると、生死が気になる作家としては、ジョージ・アレック・エフィンジャー。なんか病気療養しているとか読んだことあるけど、元気なんだろうか。
 細井さんのところでヴォネガット火事に遭い入院する、のニュースを知る。でも一番驚いたのは、ヴォネガットに17歳の娘がいることだ。

 アナグラムがちょっと話題になっている様子。私はアナグラムを作ったことはあっても、解いたことはほとんどない。頭使うクイズってあんまり好きじゃないのよね。だから、お気に入りのアナグラムは「使徒」とか「渚」とか「手にさなぎ」とか。ちょっと難しくなっても(?)「邪神の信仰」シリーズ(「邪心の亢進」とか「邪神の孝心」とか「蛇神の侵攻」とか)どまり。

2月2日(水)

 今日も担当患者の病歴の把握に苦しむ。前担当医のカルテの字が読みにくく、昔何が起こったのかぱっとわからない。字の読みやすさは重要だな。

 今日は僕の誕生日。同じ誕生日の有名人に、大森望さんとか、相撲の寺尾関とか。志村けんも今日らしい。今年は全く誰からも祝われない寂しい誕生日となった。悲しいねえ。しくしく。仕方がないのでお祝いにするめを焼き、めでたいので普段より1時間早く寝ることとする。

 ジョージ・アレック・エフィンジャーは元気みたい。これで人生の楽しみがちょっと増加。ありがとうございます>細井さん

2月3日(木)

 来週のカンファレンスの当番に当たっているので、先月救急室に来た内科の患者の病名の統計をとらなければいけない。勿論一番多い病気は、急性上気道炎、要するに風邪。めんどくさいよう。
 もうすぐ引越すので、ダンボールに本を詰めたり。この頃本棚を増やしたため、調子にのって本を買い過ぎた。私はもともと本は借りて読む派で、読んでみて素晴らしいと思った本だけを買うことが多かったのだが、この頃は面白くない可能性の方が明らかに高いと思われる本でもつい買ってしまう。本棚に余裕があると思うと贅沢病にかかってしまったようだ。そのせいで引越しも大変そう。2箱ほど詰めたら嫌になったのでもう寝る。

2月4日(金)

 今日は彼氏とデート。以前から彼氏が行きたがっていた東京ディズニーランドに出かけた。
 血も涙も無いしらたきや超薄型の父親を見たり、素朴な感じの納豆定食を食べたり… 楽しそうに写真を撮っている彼氏を見ていると、私も幸せな気分になった。
 この幸せがいつまでも続くといいのに。

 世間の流行には疎いのに、こういう流行(↑)には進んで乗ってしまうというのは、やはり本当は流行に乗った生活をしたいという意識の現れだろうか。

 患者さんが腹痛を起こしたり、出血が止まらなくなったり。私が1月まで担当していた患者さんも急変したらしい。家に帰ってきてからも、病院から何回も電話がかかる。
 そんなこんなでとても遊びに行きたい気分。とりあえず田中邸に遊びに行こうと思ったが、あまりにも眠いので断念。夜型の生活ができない体になっている。

2月5日(土)

 病院へ行った帰りにブックオフによる。『スピードおかずと献立百科』を購入。この頃自分の料理のレパートリーの少なさに嫌気がさしてきたので、新たなものに挑戦しようかと(でも所詮スピードおかずなところが私の限界)。しかし、この本を選んだ理由は、電子レンジを使う説明では、「強で6分30秒通電する」と、すべて「通電する」するところに非常に感銘を受けたからだ。びりびりびりってなもんだろうか。この本、平成2年の発行なんだけど。

 家で本のダンボール詰めをしてると、つい余計なものを読んでしまう。
 2年くらい前に古本屋めぐりツアーで福岡に行ったときに買った、ジュニア版・世界のSF『タイタンの妖怪』。題名から容易に想像される通り、原本は『人形つかい』なのだが、主人公サムは22歳と断言されていたり、おやじが○○であることを知らなかったり、メアリと仲たがいなどしなかったり。
 挿し絵が多いのが楽しい。挿し絵に登場する人はみんなショートパンツ、ブラジャー姿で、確かに裸体計画とかしてるのだからそれでいいのだが、絵で見せられると明らかに変だ。よく考えるとこういう話だったのね。挿し絵というのも重要だな、と思ったりして。あやしい金属製の甲羅の絵も素敵。
 さて、子供にこれを読ませるかと考えると……。原作の方が話は面白いけど、でも挿し絵がよいし。読ませよう。

2月6日(日)

 8時過ぎに病院からの電話でたたき起こされる。ある患者の状態が変わらず悪いとか、別の患者の家族が来てて病状を説明してもらいたがっているとか。仕方がないのでしとしとと雨が降る中、病院へ向かう。
 でも、今日こそは遊び歩くぞという固い決意のもとに、11時前に四条河原町に向かう。本とか布巾とかピアスとか買ったり。雨はどしゃぶりになっていてもの凄く寒かった。でも満足。
 今日は当直なので4時過ぎに再び病院へ。その途中で市長選挙の投票に行く。私は、世間の趨勢が自分の意見と合いそうにない時でも、投票だけはする。つうか女性が選挙権を持ちだしてからまだ50年程度。いつまた奪われるとも限らないのに、投票しないというのが信じられない。←単なる貧乏根性。

 当直は穏やかに始まった。21時過ぎに救急外来に呼ばれる。腰痛で整形外科を受診した患者の心電図がおかしいので診てくれという。患者さんは何の症状もないのだが脈拍が早く、おかしいと思った看護婦さんが心電図をとったのだ。放っておくと心不全になったりする不整脈なので、薬を注射してなおす。
 ところが、不整脈の薬を使うと血圧が下がる。何が問題かというと、腰痛の鎮痛剤でも血圧が下がることがあるのだ。鎮痛剤を使って血圧が下がると、さらに血圧を下げることになる不整脈をなおす薬が使えなくなる。というわけで、鎮痛剤を使うのは少し我慢してもらって先に不整脈をなおす。しかし、患者さんにしてみれば、腰が痛くて我慢できなくて救急受診したのに、心電図をとられ、どこからともなく内科の医者が現れて点滴したり薬注射したり、しかもその間は腰が痛いまま、という実に可哀相なこととなった。私が患者なら怒るかも。
 仕事を片づけて23時頃には寝る。

2月7日(月)

 3時頃に本格的に起こされたくらいで、あとは些細な用件ばかり。平和な当直だった。しかし何故か日常業務が忙しい。

 帰りに Hysteric Blue の新曲を借りにレンタルビデオ屋によったら、すべて貸し出されていてなかった。しくしく。
 風野さんのHPを見て、羽柴誠三秀吉の息子があの「元気が出るテレビ」の口げんか王の三上氏であることを知る。そうだったのか。口げんか王、なんかうっすら覚えてるぞ。なつかしい。

2月8日(火)

 朝から猛ダッシュで仕事。こんなに急いで仕事をしたことがあっただろうか。私がばたばたしているせいか、そこら中の病棟から院内ベルで呼ばれまくり。これもすべて住民票ゲットのためである。
 んでもって無事18時30分に病院を駆け出し、住民票を取りに行くことに成功。いやあ運と頑張りがあればできるもんやねえ。帰りにビルの上に表示されてる温度計を見ると1℃だって。寒くて死にそうだ。

 「隔離開放戦線」論争がすっかり和解に至っていた。ああいう論争ってどろどろするもんだと思っていたのでびっくり。大森さんの日記を読んでさらにびっくり。『SFファンはみんな子供の頃にクイーンの10冊や20冊は読んでるもんだと思ったが(、そうじゃないのね)』ってなぜなんでしょう。でもほんとにそうだったら楽しいのに。
 
2月9日(水)

 雪が積もっていた。頑張って原付で出勤するが、スリップすること3回。いつもより30分余計にかかり遅刻。でも生きて辿り着けただけでも有り難い。去年大雪の中、病院から家に原付で帰ろうとして、車道の真ん中でスリップして後ろから車が大接近したときほど、「これは死ぬ」と心から思ったことはないが、今日のはそれに次ぐ恐ろしさだった。
 大学の研究室の論文抄読会の当番に当たったので、論文を読むがよくわからない。病院の帰りに大学により、先生に教えてもらう。

 名大の林さんが『国内SFも極めろ! この50冊』を発表されたので、やってみると、A13、B10、D13、E7、F1、G6となった。いかに読んでないかよくわかる。あと、I「読んだかどうか覚えていない」ってのも欲しいと思いました。日本SFってどうもそういうのが多い。海外SFではそういうことはあまりないのに。印象が薄い作品が多いのだろうか。
 ついでに元ネタ「野田元帥50冊」でもやってみると、A38、B3、D8、E1。SFを極める日は遠いな。


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