6月11日(金)

 『日本残酷物語5』を読み終わった。二交代制で同じ布団を使う共同生活で結核をもらって働けなくなって帰宅した女工によって、農村に結核が広まったこと、京都の被差別部落で米騒動が起っていたこと(部落同士で通婚していたため、あちこちの部落で起った)、炭鉱での人夫の搾取(生活必需品は割高な売店で買わされる)に、それでも炭鉱に降りていく日を楽しみにする人夫の子供達、女工暮らしが楽に思えるという鹿児島の女中(実質奴隷)暮らし。その中でも最も残酷だなと思ったのが、迫害されていた在日朝鮮人と結婚した日本人妻が、今まで貧しかったが、帰国事業で出国を待っているところ、と語る場面。悲惨過ぎる。

6月12日(土)

 東京増えてきたんやね。

 フレヴニューク『スターリンの大テロル』を読み終わった。ソ連では元々自殺する人は中傷の被害者とみなされていたが、スターリンが党に打撃を与える行為と決定したため、自殺も簡単にできなくなったとか、コルイマってほんとに金たくさん採れてたんだとか、「一般人が党に抗議の手紙を送る→それに対して党が新聞で答える」ことが信頼の証とされていたため、スターリン批判の手紙もばんばん送られていたとか、色々興味深い。ソヴィエト体制を確立した地方指導者が大量に粛清のターゲットとなり、世代交代が起こって、起用された若者はスターリン個人崇拝を強めていく、という流れだったのね。

6月13日(日)

 ふと机を見たら、もぐのペンケースが最早よく分からないナゾのズタ袋に変わっていた…新しいペンケース注文した。スーツケースと同じ素材という高耐久のヤツ。

 劉『三体V』を読み終わった。なるほど、こうなるのか。だからUが最高って人もいるのね。前半、敵味方が入れ替わる展開は面白かった。後半は『タウ・ゼロ』を思い出したかな。個人的には『三体U』の脅されてすぐ出てくる智子が圧勝。

6月14日(月)

 最近、超絶話の通じないお方を診てて(自分の思い通りではないことは、何度説明しても「聞いていなかった」と言う)今日も非常に疲れたのだが、他科の4年目の先生が主治医で、疲弊しきっているので「あの子を潰させる訳にはいかぬ!」という使命感のみで頑張ってる。でも体力が追い付かぬかも。

6月15日(火)

 精神力を回復させるために、ひたすらバーフバリを見てる。

 大塚『女系図でみる日本争乱史』を読み終わった。正直前作の『女系図でみる驚きの日本史』とかぶっていて、二番煎じ感が。争乱があると妻増えるよね。

6月16日(水)

 もぐ、歯磨きサボったりしてるけど、一度も虫歯と言われたことがない。姉(←虫歯あり)と違って完ミ育ちだからか。

 そういえば昔、因業偏屈で知られる循環器内科の先生と同じ患者さんをみていて(併診だがうちが主科)、その先生の家族へのムンテラを「いやあ、上手いと聞いてましたけど、本当に凄いですね」と誉めたら、翌日突然その患者さんを主科で取ってくれたことがあった。誉めると効果があることを実感した。

 ちなみにどれくらい因業偏屈かと言うと、入院患者さんのAfで対診依頼を出すと、過去数年分の心エコーの所見を添付していないとは何事か(近医に連絡して取り寄せてから依頼出せってか)と人の外来中に電話かけてくるぐらい。

6月17日(木)

 患者さんが「娘は舶来の犬こうてるんや、ポメラニアンとかいう、純血種の」て言ってた。久しぶりに聞いたわ>舶来。

 ええっと、つまり今年はバス停は閉鎖されるのかされないのか、どっちなんでしょうか…。鉾建てるだけなら、試し引きもないのかな。

 いやもうほんと、この五輪有観客のせいで誰かが死ぬんだよ。それがうちの子だったら、私しゃ金輪際決めた人を呪うよ。

6月18日(金)

 患者さんに「ワクチン国産が出るまで待とうと思ってるんです。今のやつ、悪い噂しか聞かないので」と言われて、思わず「え、そうなんですか。私は良い噂しか聞かないですけど」と言ってしまった。

 サ高住って「沙光樹」とかいう字の老健かデイサービスだと思っていた人、私だけじゃないよね?

6月19日(土)

 小池都知事が五輪中止させてくれたら、バーフバリ並に百合子!百合子!て叫ぶけど、してくれない?

6月20日(日)

 廬山会議の彭徳懐の話とか、今は読んでるだけで気分落ち込むわ…。

 鎌田『少年の日に地獄を見た―満州開拓団の悲劇』を読み終わった。私が今まで読んだ引き上げの話は、いずれも文章のプロにより書かれたものだったが、著者はそうではなく、ソ連兵による強姦やチフスの蔓延と共に、著者自身のいけずさも語られていて興味深かった。



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