7月11日(木)

 ブライアン、「オペラ座の」じゃなくて、「仮面ライダーの怪人」(褒めてる)。

 ピーターラビットの絵本をいかなごと読んだら「絵本でも英語だとこんなに難しいのか」と衝撃を受けていて可愛い。

 吉村昭『朱の丸御用船』を読み終わった。幕府の年貢米を運ぶ御用船の船員が、米を売り払ってどんちゃん騒ぎし、遭難を偽装して船を沈め、一方まだ米が残っている沈みかけの船を見つけた村は、残った米を奪ってみんなで分けたが、後に裏切者の村人から強請りに遭い、村に捜査に入った役人を強請りと勘違いして集団で襲ってしまい、大問題になる、という話。これが実話だというのも凄いし、『破船』のはるか後に書かれた話だというのも凄い。『破船』と違って村は豊かで、さんまは追い込んで網で取るし、お酒も頻繁に飲んでそうだし、村の成人男性達が拘留されている間、残りの村人の生活費は商人からの借金で賄ってるという…郷土史家は大事だし、事実は小説より奇なり。

7月12日(金)

 いかなご「最近ママさん疲れてるね」私「仕事がずっと忙しくて、もぐと君の勉強の相手して、君に合わせて朝起きてて、しかも歳とったから」

 2年もののメダカ(煮干し級の大きさ)が突然死。合掌。

 うわ、明日家で一人になるみたいなんだけど、何しよう(ドキドキ)。

7月13日(土)

 家の中に誰もいないと、つい勿体なくて掃除してしまう。で、S君親戚から夏野菜が送られてきたので、料理して、洗濯して…つまり一人になるとなぜか家事をするイキモノなのだな私は。

 穴を塞ぐためのアップリケ途中で針刺したままのもぐのズボンが姿を消して探していたら、針ごと洗濯されていた…。

いかなご「同級生の子ね、トイレに連れ立って行って喋ってるし、くだらないことでいつもキャーキャー言ってるし、絵に描いたような女子中学生だな、て思う」
私(暗黒だの血だのって文字を見ると喜んで騒ぎ出し、くだらないことでいつもギャーギャー言ってるキミも、割と典型的な女子中学生なのでわ。。)

7月14日(日)

 いかなごの友人達がやって来て、カルピスは止めてくれと言うので、紅茶を淹れて出したが、余所様のお子様だしカフェインはちょっと…と二倍に薄めて出したら、凄く薄かった。。

 子が育てやすいかどうかというのは、相性もあるよな。いかなごなんて、家庭によっては超絶育てにくい子だろうが、うちら夫婦にとっては(学校には謝らなきゃいけないけど)イージー案件だが、たぶん家庭によっては良い子案件のもぐは、もうどうしていいか分からないぐらい育てにくいし。

 「私は人生で有意義なことは何一つしていない。私の人生は何のためにあるのか」と言ったら、S君に「哲学者になったのか?」と言われた。いやいやいや。

 毎晩、クソうさぎ対アイルランド人の攻防戦をいかなごと英語で読んでいて辛い。超どうでもいい(笑)>ウサギ攻防戦。

7月15日(月)

 久しぶりに滋賀の家。雑草抜きまくったが、負けかけ。素晴らしくでかい毛虫がたくさん。

 ドリフターズってバンドだったよな。誰がドラム?と検索してしまった。ふーん、そうなんだ。

 山川菊英『武家の女性』を読み終わった。母から聞き取りした幕末の水戸藩の下級武士層の生活を、衣食住・子供の暮らしから、政変による変化まで描いたもの。食事は米と野菜、たまに魚で、料理は変化がないので特に技能は要らず、買い物にも女性は行くことはない。

 一方、衣服は綿と絹のみ、綿は自分の領内で生産されたものを、糸を引いて、布に織って、染めに出し、汚れたら洗い張りだし、超大変。絹物は当然家族から受け継ぐ。藩から倹約令が出ると、下着は絹OKだが、上物は綿にしなきゃいけないので、綿の打掛で嫁入り(下から絹の襦袢がビロビロ)って悲惨。しかも、武士以外は足袋履いたらいけないらしい(寒そう)。

 土地は藩から貰えるが、家は建てっぱなしなので、広いが古くてボロい。髪結うのも自分でしなければいけないので、日本髪の練習も大変だし、髪の毛が不自由になった男性の髻と丁髷も大変。政治の話はほとんど女性には知らされず、姑の意思で簡単に離婚が成立、武士が商人出身の嫁と結婚すると、正式には結婚したことにならず、使用人扱い(でも娯楽が少ない武士層より、商人の方が生活は楽しそう)。「武士たるもの、いつ戦いになるか牢に入るか分からない」という著者の祖父のセリフが嫌過ぎる。

 明治になると、ある程度教育があるが、貧乏で堅実な下級武士層の女性が職業婦人になった、というのもさもあらん。激面白いのでお勧め。

7月16日(火)

 スーパーの魚コーナーに行ったら、売り子のおじいさんに「鯵だよ。もう500円にしといたるわ」といきなり言われ、「うちにはちょっと多いかなあ」(5枚セット)と答えたら「んなもん、冷凍しとけばいいんや。これもまだ凍っとるわ」と有無を言わせず買うことに。近来稀に見る強引さにちょっとときめいた。

いかなご「電気羊がアンドロイドの何とか、ってうちにある?元ネタのやつ」
私「あるに決まってるやん」
いかなご「やっぱりあるのか。どこ?」
私「ここ(10cm横の壁本棚を指す)。ディックを探す」
いかなご(ごそごそ)「この本、うちにあるって、13年生きてて初めて知ったわ」
私「ママはアンドロ羊より流れよ我が涙が好き」
いかなご「省略し過ぎ」

 ちなみにいかなご、こないだ『資本論』と『人口論』はうちにあるか?と聞いていた。もうちょいマイナーなもん探せよ。「うちに『草の死』ある?」「ずっと探してるんだけど、手に入らないのよ」とか。

 疲れているらしく、グダグダごねていたいかなごは、アンドロ羊読みながら寝てしまった。

7月17日(水)

 もぐが朝から微熱。だが、全く喋らないので、これは重症(超分かりやすいイキモノ)。

 な、なんと!いかなごが個人懇談で素行を注意されないという初めての事態が!(ちなみにもぐは例によって何もなし)しかも「いかなごちゃん、可愛いですよねえ」と担任に愛されている模様。そこで激しく頷こうと思ったが、後でいかなごに殺されそうなので自制した。

いかなご「ママさん、見慣れない服着てるね」
私「ああ、これ、いいでしょ。オーウェルって人が書いた『1984年』という監視社会の話のTシャツだよ」
いかなご「へえ、面白そう」
私「読む?」(世界SF全集10巻を差し出す)
いかなご「このうちはドラえもんかよ。どこでも本〜」
私「kindleみたいに言うな」

7月18日(木)

 もぐは引き続き微熱で家に置いているので、時々SMSを送ったら、最近送信を覚えたもぐが「こ(←打ち間違い)うんげんき」「ところできのはだしていいの」「きの-いぬ」などと打ってきて可愛い。

 と思ったら、仕事中にいかなごの学校の保健室の先生から電話。ヘアピンを耳に入れて血が出て、変な病気かと恐くなったいかなごが保健室に相談に行き、そこでワゴって親に連絡が来たらしい。あのなあ…折角個人懇談をクリアしたと思ったのに…orz。

 私「君の耳が痒いのは、耳が悪いんじゃなくって鼻が悪いんだって、前から耳鼻科で言われてるよね。それに尖ったものを耳に入れるなって散々注意してるよね」いかなご「忘れてた」…忘れるな!

 ちなみに、いかなごによると、保健室の先生、個人票確認して「お父さんとお母さん、どっちがお医者さん?」と聞いて、電話していたらしい。

 それにしても、ワゴりやすい体質が遺伝せんでもよかったのになあ…(いかなご、既に2回目)。

 六地蔵の事件、身近過ぎて。三十人以上搬送って、全身熱傷に気道熱傷なら、取れる病院も限られてるし、一人でもマンパワーが必要な疾患なのに、これから大変な時期どうなるんだろう。

7月19日(金)

 もぐは激しくうるさいイキモノに戻ったので復活した模様。

 なんでうちの子らはすぐに「生まれたての仔鹿だから立ち上がれない」と主張するのか。鹿など産んだ覚えはない!

 小さい頃から時々診てる知り合いの息子さんが、声変わりしててやさぐれてる。あと5年で声変わりするなんて、そんなことママ許しませんよ。ええ、絶対。

 ムクウェゲ『すべては救済のために』を読み終わった。内戦でレイプにより性器の怪我を負った女性を治療していることで有名な(後にノーベル平和賞を受賞した)ムクウェゲ医師の自伝。瘻孔の治療の話はほとんどなく、独裁政権→内戦のコンゴで生まれ育った半生が語られていて、非常に興味深かった。とにかく、よくこの人、今生きてるな、と思うことばかり。プロテスタントの牧師を父に持ち、生まれた時から多数派のカトリックに疎まれ、独裁政権なため大学入学時には学部を選べず、隣国の大学で医学を学び、フランスに留学して帰国したら、勤めた病院は300床で医者は自分だけ(マジかよ)。ルワンダ虐殺でツチ族を大量虐殺したばかりのフツ族が、難民として大量流入してくるわ、自然分娩の難産による産科瘻孔だけでもたいがいなのに、内戦でのレイプによる瘻孔も多発し、それを海外で訴えたら、コンゴの恥をさらしたと政府から無視され…。多数の部族が一国で共存するためには、部族を国内のあちこちに移住させるべき、という考えだけは、言いたいことは分かるけど、それどこのスターリン、と思ったが、多数の国が隣接しているアフリカの内陸の状況を垣間見られる。お勧め。

7月20日(土)

 文章題問いてるもぐが怒ってる。「どこが分からないの?」 「りえさんとえりさんだと、名前が混乱するー」そこか。

 今年の蝉、今日初確認。

もぐ「凶暴な姉はいらない。妹か弟が欲しかった」
母「妹?いるやん。ちょっと犬だけど」
姉「弟?いるやん。ちょっと兎だけど」



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