10月11日(木)

 私「コンツェントレーションズラーゲル」
 S君「労働集約?」
 私「強制収容所」

 アン・ライス『眠り姫、官能の旅立ち』を読み終わった。エロ小説はO嬢とかヤプーとかサドとか、有名なものしか読んでなくて(て、よく考えたら全部SM小説だな)、それに比べると実に読みやすくて快適だった。なんと言っても、登場するのが全員美男美女で、老いていなくて、身分が高いか金持ちで、奴隷化されても付き人がついて、毎日お風呂に入ってるから清潔で、やたら叩かれたり縛られたりするが血も出ない。

 そして何より、扱いに男女差がない。男は守らねばならぬ大事なものが外にぶらぶらしているので、女よりも弱みがあるのと、常に勃起していないといけないので大変なぐらい。

10月12日(金)

 朝から「寒いから世の中滅びればいい」とゴネるいかなごさん@12才。魔王と呼ばれている。

 で「寒い」「頭痛い」とゴネゴネし続けた魔王は結局学校休んだのだが、両親の見るところ「昨夜遅くまで起きてたんだろう」ということで、夕方追及したところ「12時まで漫画読んでた」と白状。

 本気で10連休やるのか。間に病院開けてくれないかなあ。眼科が「連休嬉しい」と言ってたけど、こっちは何も嬉しくないよ!

 フィリップ・サンズ『ニュルンベルグ合流』を読み終わった。著者は勅撰弁護士(『肯定と否定』に出てきた!)で、国際法の学者。ニュルンベルグ裁判で初導入された「人道に対する罪」の提唱者ハーシュ・ラウターパクト(妻にはモラハラ気味)と「ジェノサイド」という言葉の発明者ラファエル・レムキン(それとなくゲイと示唆)の軌跡を追いながら、著者の祖父母とポーランド総督ハンス・フランクの軌跡が入り混じるという、何だかよく分からないストーリーだが(読んでる最中も、どういう書物なのかさっぱり分からない)とても面白い。

 著者が公演に呼ばれたリヴィウ(オーストリアだったりポーランドだったり、ロシアだったりドイツだったりしたが、今はウクライナ)にラウターパクトとレムキンと著者の祖父が縁があったことに端を発した話は、なぜ著者の母が1歳なりたてで1人でウィーンからパリに逃れたのかという謎の解明に続いていく。祖父母は親族が皆殺しにあったことも含め、事の経緯について口をつぐんだまま亡くなり、おそらく薄々分かっていた母も、真相が大体明らかになった後でも多くは語らない。

 著者は「人道に対する罪」の提唱者ハーシュ・ラウターパクトの息子の弟子でもあり、「ジェノサイドという集団の罪を起草すると、ジェノサイドの犠牲者というレッテルを得ることが民族的アイデンティティの不可欠な要素になり、集団の分断を誘い、防止や紛争解決はどこかにいってしまう」「人道に対する個人の罪や戦争犯罪を軽くみてしまう」「ジェノサイドは証明が難しい」とラウターパクト派だが、私は断然、アルメニア人虐殺から「ジェノサイド」という用語を作り出したレムキン派なので(「ジェノサイド」は「犯罪概念」だということも、そもそも法律用語だということも初めて知ったが)、早くからイギリスに移住して名声を得ていたラウターパクトとは異なり、日本経由でアメリカに逃げ、高血圧を放置しながらロビー活動に邁進するレムキンの「ジェノサイド」という言葉が、ニュルンベルグ裁判で使われた時には、よし!と盛り上がった。でも「ジェノサイドは戦争に関連して成された場合にのみ成立する」ということになったので、戦争開始以前のユダヤ人に対する罪はないことになったらしい。

 ハンス・フランクが昔の恋人に走った際、妻が家族写真をヒトラーに送って、離婚しないように言ってもらったとかいう、どこかで聞いたような小話も。長い長い話は、ポーランドのジュウキエフという街の東西通りを歩き、著者の親戚とラウターパクトの親戚が一緒に銃殺されて埋められた空き地で終わる。だから原題は『東西通り』。この題名が地味で、ニュルンベルグが入っている方が目立つというのは分かるが、『ニュルンベルグ合流』じゃ、そもそも中身が交錯しているのに、題名も意味が分からない。ニュルンベルグが合流するんじゃなくて、ニュルンベルグでレムキンとラウターパクトが合流するんだけど、著者の祖父は合流しないし…、というのが唯一の難点だが、とりあえず超お勧め。

 後書きにあるドキュメンタリー『What Our Fathers Did: A Nazi Legacy』では、著者の取材の映像が見られる。オットー・フォン・ヴェヒターの息子がジュウキエフの焼かれたシナゴーグで「そのうちまた人で一杯になる日が来るよ」とか言っていて、なかなかに腹が立つ作り。

10月13日(土)

 冬用の室内上着と靴下装備して、ソファカバーと毛布被って、足元にあんか(犬)、枕元にもふもふのぬいぐるみ置いてるけど寒い。あまりの寒さに紅茶買ってしまった。

 もぐ「はっ!そろそろ動物さん達に服を着せなければ!」…夏の間、ぬいぐるみの服は脱がせていたらしい。マメなヤツ。

 こないだの紗来ちゃんの近畿見たけど、あまりのスピードと力強さに転けそうになった。

 S君「お前のイヌはハト程度
 私「うるさい、そんな研究する人がハト程度じゃ」

 いかなごが貴重品一式が入った手提げを路上に忘れる事件発生。親切な人が交番に届けてくれていて、後で両親が無事回収。ありがとうございました。「財布 ウサギ クマ」などと詳細に中身を記載した書類を作ってくれた交番の人もありがとうございました。

10月14日(日)

 家から一番近い、よく休店するパン屋が復活した。昨日復活して、昨日気づいた(笑)。チェーン店で明らかに流行ってるのに、突然数ヶ月休むのが謎。

 午前は友達の家で、午後は公園で、ずっと遊んでいたもぐは、帰宅して木乃の散歩行って、風呂洗って、動画見て、公文やりなさいと言ったら、始めて1分で寝た。

 武史先生「ザギトワ、今季は(後半にまとめて跳ばなくていいから)楽そう」(笑)

 ブローマン/シヴァン『不服従を讃えて』を読み終わった。アイヒマン裁判のドキュメンタリー映画『スペシャリスト』(1999)のスクリプトと作者による背景解説を合わせたもの。イスラエル建国時の移民の多くは、ヨーロッパ出身ではなく、アラブからの移民であり、建国後しばらくはホロコーストは黙殺されていて、ホロコーストの生き残りは抵抗しなかった&自ら移民もしなかった弱虫とみなされていたらしい。それがアイヒマン裁判の時にホロコーストに注目を集めようとして、アイヒマンは鉄道網の整備など輸送に力を注いでいたので、実際の殺戮には直接関係ないにも関わらず、ホロコーストの証言者を集めて見世物裁判的になった、と。

 後半は映画のスクリプトで、裁判が行われた劇場内の位置関係がよく分かった。アイヒマンは「上から言われてしたことで、自分には責任はない」が、悪いことをしたとは思っているのね。分かるなあ、自分が同じ立場に立ったら、同じことをしない自信はないわ。

10月15日(月)

 阪神タイガースでさえアドバイスに従ったんだから…頸癌ワクチンもノーベル医学生理学賞受賞者のアドバイスに従おうね。

 いかなごの目を盗んで抱き合うもぐと私(見られると「どうせママはもぐだけが可愛いんでしょ」と言われる)。

 アン・ライス『眠り姫、歓喜する魂』を読み終わった。眠り姫は、反抗的な奴隷が罰として送られる、特権的な市民が暮らす村に自ら望んで到着。市民が楽しめる鞭打ちシステムがあったり、尻尾がついた張り形を尻の穴に入れられて馬車の馬として使われたりと、相変わらず細かい設定の謎世界。そこに暮らす、服従とは何なのか、とさまざまに悩む反抗的な王子王女達(いずれもそれなりに楽しそう)。数年で褒美付きで自国に帰ることができると分かってるのがポイントだな。そこへ突然、スルタンの国から侵略者がやってきて、眠り姫含む数人が誘拐される。さあ、次はスルタン国だ。

10月16日(火)

 受験を3ヶ月後に控えたいかなごさん、模試で過去最低の成績を叩き出して、私大発狂。S君「できてない分野がたくさん分かって良かったねえ」。よくそんなに良い面だけを見られるな。

 もぐ、なんであんなにS君とそっくりの仕草をするんだろ…((( ;゚Д゚)))

 ミシシッピ川って縦だったのか!

10月17日(水)

 てことで、S君曰く「本人のお尻に火がついたのではなく、ママが焼身自殺して燃えてる状態」の我が家。明日はどっちだ。

 うちでは、ガッテンが始まる前に、必ずもぐが「あ、見ちゃダメなヤツ」と言ってテレビ消してくれる(快適)。

 陽樹の覚え方:釘は真っ直ぐ打とうよ。
 陰樹の覚え方:軒はあぶなっかしい。
 冬越しの時に卵の昆虫の覚え方:帯に鎌さしバッコーン!
 冬越しの時に幼虫の昆虫の覚え方:カブトはミトンを噛み切り真っ赤!

 アルベールがモンテ・クリスト伯と決闘すると知って、メルセデスが会いに来る場面はいつ読んでも面白い。

10月18日(木)

 近所のマンションのゴミが物凄く荒されていたが、いかなごももぐも「あの荒らしたカラス、知ってる!」と全く根拠なく犯行個体を特定できたと確言してるのは一体何なんだ…。

 S君「皆さん、今日の晩ご飯ですが、スパゲッティ、お好み焼き、鍋と雑炊、どれがいいですか。ただしどれにもタコが付きます」

 もぐ「足が痛い(泣)あ、今日遠足でたくさん歩いたからだ」
 私「午前に歩いて夜には痛くなるのか」
 いかなご「私なんて翌日に痛くなるよ!」
 私「ママ達なんて、最早三日目の方が痛い…」

10月19日(金)

 私「よくそんなに物事すべてを楽観的に見られるね!」
 S君「君の犬褒め能力をすべてに適用すれば、君も楽観的になれるはずだ!」

 いかなごに「全く躾がなってない」と言ったら、指刺されて嘲笑われた(くそー)。

 ジョルジェ・マルティノヴィッチ事件て、マジでビール瓶直腸異物のセルビア人のおじさんがアルバニア人にやられたと言って民族紛争を巻き起こした事件なのね。

 ナイトスクープ見たら嘉門達夫が出てて、若くてビックリした。まだ50代なのね。

10月20日(土)

 0歳児のいかなごが泣いていたことは覚えているが、もぐが泣いてた記憶があまりなくて、不審に思っていたのだが、日記見て気づいた。もぐが0歳児の頃は、まだいかなごがギャンギャン泣いていて、たぶんもぐも泣いていたのだろうが、気にしていなかったのね。0歳児は音量が小さい上に動けないからな。

 私イヌが如何に可愛いか、いちいち毎日書いてませんけど、今も枕の横で固く巻いていて(←眠い)超可愛いです。

 スケアメ男子SP。
・ケヴィン、前からこんなに身のこなし綺麗だったっけ。
・挨拶時の煽りアナウンスと保護者ヴォロノフさんが。
・ネイサン、見やすい。学校行ってるから3Lz3Tなのかしら。
・ヴォロノフさんの衣装、ユーロの衣装ショップに行ったら標準装備でありそうな感じだけど、おニュー?
・ビチェンコさんはキエフ生まれなのね。

 アン・ライス『至上の愛へ、眠り姫』を読み終わった。最終巻。スルタンの国は宮廷も奴隷生活もなんだかつまらなそう。眠り姫と一緒に誘拐された王子が両方イケる口だったり、王が死にましたと母国から呼び出しが来たら、普通に国に帰って跡を継いだり、中途半端に帰国させられた眠り姫が求婚に来た王子の尻叩いて「女王の国」に行かせてしまうのが笑える。そして「いつまでも幸せに暮らす」と綺麗な大団円。

 1巻のアレクシ王子が最後まで出てこなくて、どうなったのか気になる以外は素晴らしい作品だが、どうして巷ではこんなに評判が悪いのか、と言ったら、S君「題名が悪いんじゃないの。『眠り姫、鬼畜女王の国で狂乱』とかだったら、読みたくない人は読まないだろうに」。それだわ。

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