7月1日(日)

 相変わらず歌好きのもぐ。朝起きぬけから独唱しまくり「かーえーるーの うーたーがー てぃらてぃらてぃらてぃら が が が」。

 雨なので車で送ってもらって、いかなごバレエの全体練習。総勢6人で踊るらしい。衣装が出来てきたのはいいのだが、今度はみんな大き過ぎて、踊るとあちこち脱げる。

 午後はみんなでダラダラ。今日図書館で借りてきた9冊を全部読み終わったいかなご、文字がもっと多いのじゃないとすぐ読み終わる、と不満を述べるように。そりゃその方がこちらも有難い。週2日10冊近く運ぶのは重過ぎる。

7月2日(月)

 注文していたもぐ用のプールバッグが届いた。もぐ「みて かっこいーよ ぱんださん」。

 ダンティカ『愛するものたちへ、別れのとき』を読み終わった。父が他国に出稼ぎに行き、母も自分と2歳の弟を置いて父に続き、10年経って父母の元に引き取られたら、そこには現地で生まれた弟が2人。私は月2回の当直でさえ、もぐに申し訳ないと心苦しいのに、この母親の気持ちは如何ばかりか。誇り高い両親や育ての父の伯父と、ハイチの惨状の対比が激しい。

7月3日(火)

 朝から大雨でバタバタした上に、3人入院するし、オペもあるしでヘトヘト。

 例の3年目氏。オペをブッチした後「え、先生が入るんじゃなかったんですか?」私、早くオペ入りなさいって言ったよね?「『ルートだけ取ってください』って連絡があったんで、私は入らなくていいのかと思って」私その場で聞いてたけど「ルート取ってください」しか言ってなかったぞ。あからさまなウソつかないでくれ…←これが疲労感のトドメ。

 今年は保育園に笹を申し込み損ねたので、S君がそこら中廻って、買って来てくれた。夜、いかなごともぐが保育園で作ってきた(もぐはほぼ先生作。いかなごは今年ちょうちんを作っていた)飾りを飾り、いかなごが家族分の短冊も書いてくれた。「かないあんぜん Arte」「あんぱんまんにあいたい もぐ」「このままやせますように S君」ちなみに自分のは「プリきょになりたい」「かわいいどれすおきたい」だった。

 いかなごが選んだいかなごの浴衣が届いた。安いけどなかなか可愛い。

7月4日(水)

 今日の三年目氏。「次のオペに入ってね」と言ったら「今日中に紹介状書かないといけないので」と言って、文字通りオペ室からすたこら逃げて行った。終業時間まで2時間以上あるのに、紹介状書くのにどれだけかかるねん。

 吉村昭『遠い日の戦争』を読み終わった。米人捕虜を殺害した主人公が戦後逃げ回る話。何が何でも家族と連絡を取ってはダメなのね。捕まった後の判決の変化が何とも。

7月5日(木)

 早くもバラバラになりかけていた二代目愛露和辞書を、こないだS君が修理してくれたので、折角だからブックカバーを作ってみた。開けられないようにもぐ除けボタンもつけてみた(←いかなごも除けられていた)。

 超久しぶりに『Yの悲劇』を読み直したら、きちがいハッター家なのは、エミリーが梅毒だったから、という話だったことに今更気づいた。ルイザが目が見えない耳が聞こえないのは、胎児梅毒ってことなのね。確かにワッセルマン反応とは明記されているけど、続いてバーバラが天才的でコンラッドが短気なのも病毒のせい、と書いてあったから、昔は全く思いいたらなかったよ…ちなみに小6ぐらいで初めて読んだ時は、もちろん「鈍器」が何か分かりませんでした。

7月6日(金)

 毎朝、ペネロペが終わる度に「こあらさん もっかい こあらさん もっかいよ」と私を叩きにくる2歳児をどうにかしてくれ…私はNHKじゃない。

 夜、いかなごは浴衣着て、S君と七夕祭りに。金魚自力で一匹釣ったらしい。ちなみに今年の金魚は5匹(2日後に全滅)。

 朝「2日他院に行ったけど、治らなかった」といきなり外来で激高しはじめた人が、夜、また救急に来て揉めていると連絡が。どれだけ「今日中には治りません」「夜になると悪くなります」と言っていてもダメなんだよな。

 いかなごに、虫歯菌というのは、こういう悪魔おじさんみたいなのじゃなくて、単なるストレプトコッカスであるという、私が大学に入ってから知った驚愕の事実を知らせてみた。

7月7日(土)

 みんなで王将→私は仕事、他の3人は西松屋→京都水族館へ。

 S君から聞いてはいたが、駐車場が梅小路の駐車場なため、車を降りてから水族館までがやたら遠い。こないだおばあちゃんと水族館に行ったいかなごに案内されながら、団体客もいて満員電車並みの混雑の水族館を廻る。ガラスが最新式なのか、新しいからか、どこにあるか分からないくらい綺麗で、大水槽は特に素敵だった(「かめさん、かめさん」ともぐが指差していた)。サメみたいなのもいたけど、サメいるところだけガラスで仕切ってあるのだろうか。クラゲ水槽もあり、綺麗ではあったが、痛そうなのでパス。

 開始30分前には既に満席のイルカショーは「イルカは魚ではなくて哺乳類なんです。私達の仲間なんです」「イルカは子育てするんです。私達の仲間なんです」と仲間扱い強要のアナウンスに辟易。芸の披露はあまりなく、イルカ紹介がメインな感じだった。

 帰りは梅小路公園で少し遊び、ブックオフ一軒とビーズ屋に寄って帰宅。梅小路の広場で「手作り市」が開かれており、スイーツデコ体験の店があって、いかなごが水族館の帰りにやりたい、と楽しみにしていたのだが、既に終了していたので、納得させるために急遽ビーズ屋を検索して寄ったのだ。スイーツデコとは何の関係もなかったが、とりあえずいかなごは満足していたのでいいか。

 水族館では、もぐはS君に肩車や抱っこされていることが多かったため、「ママー!ママー!」と魚そっちのけで叫び続け、S君に「水族館よりママ族館に行った方が良い」と言われていたが(「ママ族館」には各種のママがいるらしい)、実は結構しっかり見ていたらしく、夜「今日はおさかないっぱい見たね?」と水を向けてみたら「おさかな みた ぺんぎん みた あざらし みた かめさん みた」と自慢気に語ってくれた。

7月8日(日)

 S君が朝から古本漁りに行ったため、一日子守り。午前中は洗濯と洗濯物たたみ(←いかなご、かなりの戦力)と居間の掃除して、昨日買ってきたビーズを使って、いかなご希望のブレスレット作り。

 午後から部屋を暗くして、昨夜録画した『千と千尋』をかけたら、予想通りもぐは両親が豚に変わったくらいで沈没。いかなごは時々「こわい〜」と寄って来ながらしっかり見ていたので、寄って来るたびに「ぶひっ」と返しておいた。

 いかなごのビーズブレスレットがなかなか可愛かったので、私の分も作ってもらった。私はブレスレット苦手なので(じゃらじゃらするのが苦痛)アンクレットに。しかし後で見たS君に「数珠みたいだな」と言われた。

 いかなごに「もぐの誕生日っておしゃか様と一緒だよ」と言ったら、いかなご「え?あの偉いおしゃか様と一緒なの!?」「なんでおしゃか様知ってるの?」「だって孫悟空で…」そうか、そういうルートがあったか。

 おたまじゃくしのために1時間もかけて水路を掘るウシガエル父凄し。

7月9日(月)

 もぐは日々「いかなごと同じ」であることを追求している。いかなごにムヒ塗ってると、もぐが「ここ、ここ」「ぼくも」。いかなごに喘息の吸入薬吸わせてると、もぐも口開けて待ってる。いかなごがバレエの練習してると、横で一緒に踊るし(「ぼくも ばれえする」)、チュチュも着たがる。昨日は買い物に行って、近所のおじさんに、私「こんばんは」いかなご「こんにちは」もぐ「こんにちは」。

 吉村昭『逃亡』を読み終わった。戦時中にふと知り合った男にそそのかされて、航空機を爆破した若い兵隊が、終戦まで逃亡し続ける、という話。兄弟の数が多く、両親の愛に恵まれていない二十歳前の若者が、中年男にたぶらかされる心理が恐ろしかった。しかし航空機を一機爆破することが、有効な反戦活動なのだろうか。

7月10日(火)

 昨夜、もぐがタンバリン片手に「とんぱー、とんぱー」とやり出して、「いかなご、もぐに何か教えた?」と聞いたり不審がっていたのだが、お迎えに行ったら、いかなごが今日の保育園の七夕音楽会で、もぐがカスタネットでとんぱー、とんぱーと「ちょっとだけやってた」と報告してくれた。ちくる姉がいると動静が分かって便利だ。ちなみに、年長組だけが毎年やる鼓笛隊では、いかなごは小太鼓らしい。

 なぜゲイがレインボーカラーなのか、偶然知って目ウロコ。「オズの魔法使い」で有名らしいジュディ・ガーランド(私はライザ・ミネリの母親で薬物中毒だったことしか知らない)がゲイと関係が深いかららしい。

 ミュラー‐マデイ『鳥のいない空:シンドラーに救われた少女』を読み終わった。シンドラーのリストに載ったために最終的に命は救われたものの、周囲からの嫉みとか、チフスで蜂巣炎とか、プワシュプ→オシフィエンチムでの経験談が非常に恐ろしかった。



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