9月21日(水)

 もぐはやっと三度の飯と同じぐらい大好きな保育園に行けるはずだったのに、暴風警報で一日お休み。相変わらず不機嫌で、夕方私が帰宅してからも泣き続け。S君によると、私が昼間いなかったことに対して不満を述べているらしい。唯一私が腰抱きにして立っていれば大人しいが、降ろした途端、足にすがって大泣き(疲)。

 リンドヴェル『アンネ・フランク最後の七ヵ月』を読み終わった。アンネ・フランクが逮捕されてからベルゲン・ベルゼンで亡くなるまでに彼女と接触して生き残った人々へのインタビューをまとめたもの。原書はオランダ語で、そのドイツ語版からの翻訳らしく、訳はかなり今いちだったが、子供の頃に読んだ同趣旨の児童書ではよく分からなかったことが分かった気がする。

9月22日(木)

 もぐはやや機嫌を回復し、一人でおもちゃの包丁でおもちゃのケーキを切ろうとしていたので、びっくりして凄いねえ、と褒めると、もぐは納得いかない顔でにこっ。たぶん保育園で似たようなことを日々やってるんだろうな。横からS君「人生で大事なことはすべて保育園で学んだ」。

 宮尾登美子『春燈』を読み終わった。傲慢なお嬢様の綾子の受験と紆余曲折の進路にはドキドキした。久しぶりに受験の夢見ちゃったよ。

9月23日(金)

 朝から居間を片付けたり、いかなごの色鉛筆削り直したり、壁の本棚をいかなごの本がおけるサイズにしたり、以前バランスボールを濡れた新聞紙の上に置いたか何かで一部真っ黒になっていたのを、濡れたティッシュで拭いて綺麗にしたり(いかなごが突然やりはじめたら、意外に綺麗になるので私も加勢)と実に休日らしい立ち上がり。

 昼過ぎに進々堂にご飯食べに行ってから、宝が池に。持って行ったパンくずを白鳥にあげたら、手の平から直接食われた。それから、以前からいかなごがボートに乗りたいと言っていたので、足漕ぎボートに乗ることに。最初はカモにえさをやろうと、頑張ってカモに近づく→当然逃げられる、というのを繰り返していたが、そのうち、何かがジョーズのように、でんでんでんでんとこちらに突進してくるのに気付いた。なに?なに?と注視していたら、これが首から上だけ水面に出した亀。パンくずをあげたりしていたら、2匹、3匹とその数が増え、小亀も登場。激面白かった。

9月24日(土)

 8時前に家を出て病院→仕事済ませて家に戻って、いかなごともぐの保育参観。最初に幼児組の体操の見学があったが、いかなご達(年中さん)は今年はちゃんと笛一つで列に並んでる!年少さんは列の態をなしておらず、体操がはじまっても、動いているのは3分の1くらい、脱走する者多数で、ほとんどは親の方を向いている、という有様なのに、年中さんはちゃんと前を向いて全員が体操してるよ。それより物凄いのが年長さんで、ちゃんと一人一人の間に適切な間を開け、手はびしっと上げるし、後ろに下がる振り付けでも転倒しない!(年中さんは躓く子多数)

 感動した後は、各クラスに分かれて、運動会のダンスの練習など。いかなごの練習には私が参加したが(その間、もぐはS君担当)練習数回だけで疲れた。その後S君と交代してもぐを見学したが、幸せそうにお遊戯していた。S君によると、いかなごも人並みに歌など歌っていたらしい。

 参観後は、ピエリ守山へ。ピエリはますます潰れた店が増え、気息奄々な感じ。3時からプリキュアショーがあったので、2時過ぎから私だけ場所取りをして、いかなごともぐは子供遊び場にS君と残していたのだが、ふと見るといかなごが近くに立っている。呼び寄せると、一人で来たとのこと!「だってママがいい。それにプリキュアはじまるかもしれないし」仰天してS君に電話したら、S君はいかなごがいないことにまだ気付いていなかった。電話の直前に、いかなごと、もう少ししたら行こうか、という話をして、もぐの面倒を見ている間に、いかなごが一人で飛び出したらしい。数分の距離とはいえ、全く親の目が届かないというのに…。最近いかなごは自分で行動することが増えて、危険極まりない。「大丈夫、いかなごは知らない人についていったりしないから(自信満々)」…じゃあ後ろから突然捕まえられたら、どうするつもりやねん。。

 プリキュアショーが終わると、ピエリ近くの大きめの公園へ。なんでもこの土地出身の偉い行司を記念して作られた公園だそうで、砂場が土俵になってたり、その辺の動物乗り物がまわししてたり。いかなごは網を自力で何回も登ったりして、だいぶ遊具で遊べるようになっていて感心(←比較対象が子供の頃の私なので、べべじゃなければ素晴らしい出来)。いかなご曰く「いかなご頑張ったから。ここで止めたら女がすかる」。一方もぐは、運動神経的には心配していないが、アタマがついていっておらず、いきなり足の届かないジャングルジムを自力で下りようとしたりするので超危険。

 うわ、イェゴール子供の頃のパパそっくりやん。こんなに似てたら可愛いやろねえ。

 もぐはそろそろ通常営業。しっかり晩ご飯食べて、デザートにヨーグルト食べて、朝の残りのパンと大学芋齧って満足すると、毛布引きずってママの膝までやってきて、足の間の定位置にはまって、超幸せそうに熟睡。

9月25日(日)

 朝起きたらコタツ出てた〜(嬉)。

 一昨日から喘息が出ていたいかなご、ホクナリンテープ2日貼っても朝からヒューヒューいってるので、これはやばい、と近くで小児科を探したが…小児科救急をやってる病院は2箇所ぐらいしかなく…1箇所はうちの職場だったりするので、諦めて職場へ。休日なのに日参かよ。で、吸入させてもらい、帰りにいつもの子育て支援施設へ。

 午後からヴォランティアのおばあさん達がやってくれる人形劇や歌の会があった。劇は、正直途中で瓦解するんじゃないかと恐れたぐらいの出来だったが、もぐは次々登場する指人形に魂抜かれてた。あと「おすわりやす、いすだっせ。あんまりのったら、おちまっせ」という、昔保育園でも習った遊びも気に入った模様。

 夕方2時間ほど昼寝。私、もぐ、S君の順に全員寝てしまったらしく、退屈したいかなごに6時前に叩き起こされた(悲)。

 いかなごに突然「ねえママ、ありさまってなあに?」と聞かれた。アリ様?と頭グルグルしたが、「ママが『という有様で』って言うじゃない。ありさまってなあに?」。

9月26日(月)

 最近いかなごは「昔の話」をするようになった。その話はいつも「いかなごがすみれだった頃」からはじまる。つまり1年前(年少さん「すみれ」組)。たぶんその前は記憶がないんだろうな。

 いいもの買っちゃった(ふふふ)。届くの楽しみ。

9月27日(火)

 いかなご、運動会のダンスの曲が『ヘビーローテーション』だそうで、風呂で「あいうぉんじゅー、あいにーじゅー、あいーらぶりゆー」と歌いながら、片手腰に当てて、片手突き上げてて可愛い。

 夜寒くなってきたので、そろそろ一つ布団で3人寝る季節に。寝る時はもぐ、私、いかなごと並んで眠るのに、朝になると、いつもくっついた団子状態。

9月28日(水)

 もぐ、歯ブラシを渡すと、流水に歯ブラシを浸しては、いっちょ前にせっせと磨くことを繰り返す。それを見ていた両親「赤子スイッチ」「は−歯を磨く」「は−はいはいをする」「は−はーいと手を挙げる」「は−はらにのぼる」「は−母についていく」。「は」しかなくて、何をするかは押すまで分からないのがポイント。

 喉が渇いたので、「氷持って来て」と頼んだら、せっせと手で運んできては、私の口に入れて嬉しそうにしていたもぐ。そのうち、三つ同時に運んで来ようとして、手が冷たくて泣き出した。

 寝る前にいかなごに「ねえ、うちって金持ちじゃないけど、貧乏でもないんだよね?」と言われたので、ママの家は小さい頃貧しくて、昔住んでいた家は、トイレの前の廊下が(トタン)板一枚で隣家と仕切られていただけだったので、隣家の友達とお話ができたんだよ、という話をしたら「どて」と何回も言われた。いかなごのマイブームな模様>どて。

9月29日(木)

 バイク動かなくなった。

 当直。だから整形ストップなんだってば。

 宮尾登美子『寒椿』を読み終わった。四人の芸妓の話。一番印象に残ったのが、うっとりするような美貌でありながら、食べ物以外には興味がない貞子。それにしても、男がいないと生きてはいけない身体になってしまう人もいるのかねえ。確かに東電OLの話もあるけど。

9月30日(金)

 赤子分が足りない直明け。赤子が欲しい〜赤子〜と言いながら午後家に帰ったら、もぐが熱で早帰りしてきた。結構熱いが機嫌は良くて、じきに赤子分が充填された。

 庭の金木犀が咲いてる(幸)。

 夜は私と同僚の試験合格祝い宴会。隣の人の声が聞こえにくいほどの騒音環境で(隣に大音量の若者の宴会が)喉を傷めた。成人した子を持つ開業医の先生(男性)が来ていて「女の子なんて可愛いのは小学生まで」「中学生の頃なんて、家に帰っただけで部屋の戸をバタンと閉められて『わしが何をしたというんじゃ〜』」とか、3人の男の子を持つ先生(女性)が「息子が中学生の頃は毎日泣いたわ…」とか、恐怖体験を色々聞いた(恐)。

 サバー『子どもの頃の思い出は本物か: 記憶に裏切られるとき』を読み終わった。前半は幼児期健忘の話で、後半は心理療法家によって小児期の家族からの性的虐待を思い出した話が主。前半のいつ頃から記憶が作り出されるか、という話は、目の前に5歳児がいる環境なので色々と興味深かったが、一番面白かったのが、エミリー・オスターという色々面白い説を唱えているらしい経済学者が2歳の時に行われた研究。2歳児エミリーちゃんは寝る前に独り言を喋る癖があり、その独り言をすべて録音して分析した研究があるらしい(凄)。彼女の発言のほとんどは日常的な出来事を繰り返し語ることで構成されており、子供はこういうことで日々の生活に対応するスキーマを作り上げているのだそうだ。

 後半では「トラウマとなるような記憶が抑圧された、と証明された例は今まで一つもなく、そうなるとも考えにくい(むしろ抑圧ではなく、思い出し続ける)」「偽りの記憶を誘導尋問によって作り出すのは簡単」という、今まで漠然と知っていたことを再確認。それにしても、セラピーでは「身体の不調があれば、それは間違いなく小児期の虐待のせいだから思い出しなさい」「思い出せないなら、そうだったと仮定して想像しなさい」なんてことを言っているとは知らなかったわ。

 ついでにUFOに誘拐された人の話も出ていたが、UFOの誘拐されたと思い始める根拠が、最近の放射能騒動の根拠(鼻血出たとか)とそっくりなところにげんなり。UFO誘拐とか、幼児期の虐待とか、理由のブームは変化するにしろ、理由のはっきりしない不調に説明を求める、という人間の性向は変わらないだろうな。



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