2月1日(金)

 朝からイヤイヤないかなご。着替えるのも、朝ご飯食べるのも、家を出るのも、保育園の部屋に入るのも、みんな「いや」。きっとロシアでもプル息子がにぇにぇ言ってるに違いない。

2月2日(土)

 8時過ぎに家を出て、車で旅行に出発。なぜこんな時期に旅行かと言うと、上の先生から「君達、夏休みもロクに取ってないから、2月のこの週に休みなさい」という命令が出たため。うちの科は冬はヒマなのだ。これは観戦には有難いが、家族旅行となるとねえ…海外にいかなごを連れて行くのはまだ不安なので、それなら万歩にでも行くか、ということで、岡山方面に出かけることに。

 で、昼前には岡山周辺に到着。万歩やブックオフを周る。久しぶりに万歩本店に行ったが、やっぱり古本屋は万歩に限るわ(堪能)。ベビーカーは使えないので、いかなごはおんぶしたり、リリースしたり。ブックオフはCDと作者名のタグがあるので、リリースするといじりまくって大変だが、万歩は狭い一本道の通路しかないので、リリースしても割と安全。子連れ万歩もまた良きかな。

 この日は空港近くの旅館(というか、スーパー銭湯付属宿泊施設)に泊まった。いやに説教臭いところで、そこら中に標語や注意が貼ってあり、「風呂では勇気を出して隣の人に『お背中を流させて下さい』と声をかけましょう。ほのぼの…が生まれるかもしれません」と危険なことまで書いてあったが、幸いS君(←電車の中でホモにナンパされた経験あり)は襲われなかったらしい。が、お風呂の設備はなかなか良く、子供歓迎でチャイルドルームも用意されているところが有難かった。

 夕食は窓から吹雪を見ながら小部屋で。食事をお姉さんが運んでくるのが面白かったらしく、いかなごは人が来る度に挨拶したり、バイバイしたり。置いてあった鞠で遊んだり、掘り炬燵に潜ったり。

 夏の旅行の時は、食事や風呂に行くだけでも大変だったが、今回は思ったより楽だった。やはり自力で歩いてくれるのが大きい。いかなごとS君をチャイルドルームに置いて、私だけ風呂に入り直したりもできたし。宿はネットが使えないので、夜はいかなごとべたべたしまくり。

2月3日(日)

 朝早く目覚めたので、いかなごと一緒に6時から朝風呂へ(幸)。いかなごはその後二度寝していた。

 で、外は大雪。数cmは積もっていた。岡山でも積もったのは山周辺だけだったみたいだが、この冬初めて経験した積雪が岡山でだとは。

 午前中は総社万歩(今いち)に行ったり、その近くにあった人形店をちら見したりしてから(岡山の段飾りには、欄干がついていることが多いのだろうか。京都の人形店では見なかったが、格好いいのでそのうち、階段付き欄干だけ追加で買いたいものだ)、おもちゃ王国なるところへ。

 おもちゃ王国は、小さなパビリオンに分かれていて、シルバニアファミリー館だの、木のおもちゃ館だの、リカちゃん人形館(休業中だった)だの、小枝ちゃん館(見たら思い出した。そういえば昔、こういうおもちゃがあったねえ…当然買ってもらえなかったが)だのが並んでいる。主な対象は就学年齢前後の子供だと思われたが、いかなごもそこそこ楽しそうにしていた。魚釣りゲームで魚釣り上げたり、上着のポケットにビー玉詰め込んだり。絵本館では、家にある本と同じ本を持って来たり(その気持ちはよくわかるよ、うん)。S君はルービックキューブの列が大きいヤツにはまり、私は電池で動くアンパンマンスライダー(?)みたいなのを色々試せるのが面白かった。

 日曜日といえど、溶けた雪で地面は大濡れだし寒いしで、客はそれほどいなかったが、春夏は芋洗いだと思われる。天候が良ければ、外のおもちゃの家や滑り台でもう少し遊べたのに、というのが心残り。

 数時間遊ぶと、いかなごは「ママー、ちちー」と疲れ出したので、売店をちらっと見て退散。売店には色々おもちゃが並んでいたが、うーん、家にもおもちゃはたくさんあるしねえ…(これ以上増やしたくない)。

 この日の宿は、ちゃんとした旅館。温泉は広くはなかったが、脱衣場が畳敷きで驚いた。

2月4日(月)

 いかなご、昨日は部屋食だったのに、結局晩御飯を食べず、朝も機嫌悪くてほとんど食べなかったので、車の中でコンビニで買ったぶどうパンを食べさせたら、ぱくぱく食べる食べる。

 昼前にフェリーに乗って、四国に渡る。前に来た時にも行ったブックオフに寄りつつ(まさか4年後に子連れで来ることになろうとは)目指すはしろとり動物園。敷地の一部が工事中で通れなくなっており、より荒廃が進んだ感じになっていたが、いきなりポニーや雑多な犬やタヌキがお出迎えしてくれるところは変わっておらず、いかなごは予想通り「わんわん、わんわん」と大興奮。

 しろとり動物園は、客が餌をあげるシステムになっているので、柵に近づくと動物が寄ってくるのだが「ぱっぱ、ぱっぱ」と言ってはいても、近づかれると恐いらしく「いや」。いかなごに餌を渡すと、差し出して「どうじょ」とは言うものの、やはり恐いらしく、途中で手を放すため、結局親がやることに。

 せっせと歩くいかなごを連れて、豚や猿や鳥やライオンを見て回る。ここはブリーダーもしているので、子犬コーナーに行くと、ガラス窓の向こうから、豹みたいなナゾの生物がこっちを威嚇して睨んでいて、いかなごは「いや」「いや」と全力で拒否。私も嫌だわ。

 それからヤギ・羊コーナーへ。いかなごは「どうじょ」「めえ」と言いながら、餌をやろうとしては失敗していた。その後、馬に餌をやっていたら、横の象の檻から「ぱおおおおおん」という凄い叫び声が。びっくりして象に近づくと、餌の催促だった。象に呼ばれるとは、さすがしろとり動物園。最初は落ちた餌を鼻で掃除機のように吸い取っていたが(どこにあるかは見えないので、鼻探り)、そのうち鼻を巻き上げて口をぱくっと開けた。どうやら、ここに餌を投げろ、という意味らしい(笑)。S君がせっせと投げていた。

 4月に育児放棄されたトラの赤ちゃんを流産したフレンチブルドッグが育てるという美談があったらしいが、1年経つとこうなるらしい。かなり衝撃。この大きさでも、フレンチブル「何うちの子見てんのよ」トラ「ママー」てな感じだった。

 他にも、見事にユキちゃんな子ヤギがいて、横にいる子猿に耳を引っ張られていたり、ウサギやクジャクが放し飼いされていたり。そのうち、歩き過ぎて疲れたのか、いかなごが何でもないところで転ぶようになったので退散。これからも頑張って、良くなっていって欲しい動物園である。

 今日の宿は徳島。途中でブックオフ系列のホビーオフに寄ったら、ぬいぐるみが超安値で並んでいた。未使用と思われる綺麗なぬいぐるみが、大きなものでも1000円以下で売っていたり。慣れ親しんだおもちゃから引き離され、旅館の急須や湯呑で遊んでは怒られている気の毒ないかなごに、おもちゃを買ってあげようと、どれか欲しいのある?と選ばせてみたら、「わんわん」と犬ばかり手に取る。犬が欲しいらしい。で、いかなごとあまり大きさが変わらないスヌーピーのぬいぐるみを渡してみたら、離さなくなったので購入。400円。

 犬のぬいぐるみは家にもあるのだが、いかなごの倍ぐらいの大きさなので、手頃な大きさのが欲しかったのかも。しかし、スヌーピーってぱっと見て犬とわかる造形じゃないと思うのだが。いかなごは、こないだもスヌーピーの絵を見て「わんわん」と指差していたし、ピーナッツにはアンパンマン並の赤子引き付け能力があるのかも。

 この日の宿は、古くて汚くて、設備的には今いちだったが、食事は3人連れにはもったないない広さの個室だったので、いかなご遊びたい放題(で、ご飯は全く食べず)。ここの宿は、生阿波踊りサービスがウリで、食事前に乱入してきた女将と男の人が、一節ずつ目の前で踊ってくれた。以前から阿波踊り格好いいなあ、見たいなあ、と思っていたので、大感激。特に男踊りが格好良過ぎ。で、踊り終わった女将が、いかなごを見て「まあ、お父さんにそっくり」(…ええ、どうせクローン並のそっくり加減ですよ…)。

 昨日は8時過ぎに寝てしまったが、この日も10時過ぎには入眠。昼間大したことはしていないのだが(運転もすべてS君だし)、なんだかんだ言っても、結局いかなごを抱っこして歩いている時間が長いため、疲れている模様。

2月5日(火)

 旅行4日目。今日は淡路島に渡って、イングランドの丘なる施設に行くことに。オフシーズンということで、入場料は減額されていたが、土産物屋が閉鎖されていたり、客いなさ過ぎで、羊の追い込みショーが中止になったり。

 寒風吹きすさぶ中、テントの中で昼御飯を食べ、とりあえず触れ合い広場に行って、羊に餌をやってみることに。羊毛に包まれて暖かそうな羊数頭に囲まれたが、相変わらず餌を持っていられないいかなごは、早くよこせ!と羊に後ろから蹴られて転倒。夏の私のムフロンに続いて、偶蹄類に蹴られる親子であった…。

 その後は、めええ、めええとしきりに鳴く子ヤギを見たり(1歳過ぎで、全然ユキちゃんじゃなかった)、池の白鳥ボートに乗ったり。白鳥ボートに乗るのは初めてだったが、思ったより速くて面白かった。電動式の100円パンダカーにいかなごと乗ったりもしたが、こちらは今いち。いかなご的には、その後滑った、ただの滑り台の方が面白かった模様。シュー、シューとしきりに言って、滑らせろと催促していた。

 そろそろ疲れたらしく、ママ抱っこでないと受け付けなくなったいかなごをなだめながら、別の触れ合いコーナーで、ウサギを見物。地面に穴を掘って出入りしてたよ>さすがウサギ。丸まって、もそもそ動いていたので、いかなごは犬だと思ったらしく、しきりにわんわん、と言っていた。隣にオーストラリアの生物の動物園もあり、いかなごはワラビーが跳ねるのが気に入ったらしい。ちなみにコアラもいたが、仕方ないことだが、ガラス越しなので今いち。

 全体としては、これはおもちゃ王国にも、しろとり動物園にも言えることだが、春に行ったら、もっとずっと楽しいかも>ごめんよ、いかなご。施設を車で出た瞬間から熟睡したいかなごは、家に着いた時にはすっかり元気になっていて、ものすごく嬉しそうに早速ままごと道具を手に取り、ままごとコンロに、ままごと食べ物を入れたままごと鍋をかけて、「ぐちゅぐちゅ、ぐちゅぐちゅ」と煮ていた。これが、ずっとしたかったのよね(笑)。

 ちなみに、携帯国盗り合戦は32か国まで制覇した。はじめはやる気だったが、友人が着々と国を増やしているのを知って、一気にやる気喪失。どうせこの旅行が終わったら、もうどこにも行かないし。せめてクイズに毎日答えてポイントを貯め、城を買ってあげよう。

 夜、棚を荒らしていたいかなごが、突然「わんわん、いた!」と、犬のマグネットを掲げた。おおっ、しばらく行方不明になっていた、お気に入りの犬マグネットを自力で見つけたのか!偉い!というか、ついに2語文出たのね!(ぱちぱち)

2月6日(水)

 家で遊びたそうにしているいかなごを保育園にやり(行ったら行ったで、嬉しそうに先生に抱きついていた)一日家でのんびり。鬼の居ぬ間に洗濯2回とか。

 7時のニュースに同級生が出てた。ほう、結婚して、今その病院にいるんだ。

 寝かしつけの時に、目が痒いと言いながら掻いていたら、いかなご、心得顔で布団から出て、枕元のメガネを取って私に渡した。うーん、ちょっと違うかなあ(笑)。

2月7日(木)

 お雛様を出した。今年七段飾りを出すのは自殺行為なので、スチールラックを一部片付けて、上二人だけに御登場願った。雪洞も屏風も置く場所がないので、台座だけで、背景はカーテン。いかなごは神妙に指差していた。

2月8日(金)

 最近のいかなご。
・言葉増加中。紙箱を私に渡して「あきてー(開けて)」、膝に登りたい時は「のんの」、私の膝に登りながら「よいしょ」。
・発音が良くなってきて「どうぞ」と言うようになった。
・でも、くまは「くわ」。
・本物をたくさん聞いたせいか、「めぇぇ」がとても上手。
・アトピーなので、風呂上りに薬を塗っているのだが、塗って欲しいところを指して「ここ(なぜか最初の「こ」が高い)、ここ」と言うので、S君は便利らしい。

・夜御飯を食べないので、台所の椅子から下ろして、ウェハースをあげたら、1枚もらって、居間の真ん中に行き、行儀良く座ってテレビ見ながらむしゃむしゃ食べ、食べ終わるとまた取りに来る。しかも、どうぞと渡すと、「あーとー」と言う。(保育園の)躾が行き届いてるな。
・風呂から上って、服を着せると、まだ湯船に入っているパパにバイバイして、風呂のドアを閉める。
・ぶくぶくの真似を覚えた。ぺっするだけだけど。

2月9日(土)

 昨日の晩御飯をあまり食べなかったせいで、いかなご夜起き過ぎ(眠)。

 朝はそれほどでもなかったが、昼前から雪が積もり出し、午後はシャーベット状になって、歩きにくいことこの上ない。

 当直。1時に確認で呼ばれ、次が3時半、5時でロクに眠れず。

2月10日(日)

 明けて帰ってきて、いかなご当直で同じく寝不足らしいS君と、大津の子供遊ばせ施設へ。はじめて行ったのだが、ここがかなり素晴らしいところでびっくり。広くて綺麗でおもちゃが色々揃っているのはもちろん、広い木のボールプールがあり、いかなごは当然、卵大の木のボールを取り出して投げたり並べたりするわけだが、それは他の子も同じで前提になっているらしく、プールの縁は溝になっていて、ボールがはまって内部に転がるようにしてあったり、ボールを入れて落とす遊具も設置されている。で、いかなごは例によって、木のボールを詰めた木の箱をよろよろと運んでいた。

 連休なので、子供プラス両親プラス祖父母で芋洗っていたが、広いのでさほど苦にはならなかった。ただ、いかなごは何かしようとすると、必ず年上の子に妨害され、自分から身を引くので、結構ストレスが貯まったらしく、しばらく遊んだ後、近くのバイキング形式の料理店に行ったら、座敷で大暴れ。

 ニョル『キリング・フィールドからの生還』を読み終わった。クメール・ルージュ下を生き抜いた人の体験記だが、主人公が医者によく見るイヤな性格であるところが馴染めないものの、一昔前の日本にそっくりな考え方の社会が、突然クメール・ルージュに制圧されてしまう様子を読むと、今まで日本がこんなことにならなかったのは地理面等々で運が良かっただけで、今だってオウムその他の新興宗教は存在しているわけだし、いつでもこんな目に会う可能性はあるのだと心底から感じさせられた。



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