7月21日(月)

 新幹線とホテルとレンタカーがセットになった格安パック旅行で、S君の実家周辺参りのため九州へ。初日は大分の別府温泉に泊まるため、大雨で昨日まで通行止めだったらしい山道をひたすら走る。私はカーナビを虐待するS君の横でただ座ってただけ。

7月22日(火)

 福岡に戻る途中に、高崎山に連れて行ってもらった。いや、凄いところだった。足元、子猿だらけ。奈良鹿なんて目じゃありません。ちょっとした山の中に餌場があり、そこに山から野生の群れ(1群700匹前後)が降りてくる。群れは3つあったが、A群は餌場を守りきれなくなり、去年から姿を見せておらず、今はB群とC群が交代で降りてくるのだそうだ。よくあんなシステム構築したな。お勧め。

 午後はS君の実家へ。子供の頃太っていたとは聞いていたが、いやはやあれほど肥満児だったとは>小学校の時の写真。聞くのと見るのとでは大違い(衝撃)。でもって、夕方から近くの大型ショッピングセンターに連れて行かれ、S君母に服とか靴とか一式買ってもらう(何かどっちの親でもやること同じなような…)。

 深夜、福岡市のホテルに移動。

7月23日(水)

 21時前に家に辿り着き、3日ぶりにウェブに入った途端、目に飛び込んできたのはルサコフ氏(イリヤのコーチ)の訃報だった。骨髄移植後のリンフォーマでケモしているような感じだったから、昨年から覚悟はしていたつもりだったのだが、とてもショックだ。今はただ安らかに休まれんことを。心よりご冥福をお祈りいたします。

 そして本当にこれからどうなるんだろう、イリヤ。長年のコーチをこの時期に亡くすとは。。

 朝からS君父方の親戚5ヶ所巡り。親戚ん家のゴールデン・レトリバーが可愛かった。

7月24日(木)

 生涯に2度しか会わなかった祖父が死んだ時より、ルサコフコーチが亡くなった今の方が衝撃が大きい。若くて必要とされている人の死はやはり嫌だね。ふと、ルサコフコーチが付いて来れなかった世界選手権の時に、ミーシンコーチがイリヤのちょっとしたトラブルを気遣っていたのが思い出されたりもして。

 イーガン『しあわせの理由』を読み終わった。こうして読み返すと、やっぱり表題作は頭一つ抜けてる気がする。『移相夢』もいいけど。珍しくはっきり落ちがついている『道徳的ウイルス学者』は、大筋設定は素晴らしいが色々問題があるような…ま、猿がタイプライター打つ話みたいなもんか(違)。ちょっと違和感があったのが『適切な愛』。いや、ああいう結論にいたるのは至極当然のような気がしたので(意外性がない)。

 解説は、文系と理系に分けているのがどうも…そもそも文系人間がイーガンを忌避する理由があるようには私には思えないし。というより、「理系SF読み」が「文系人間」を下に見ている書き方が気になったのだと思うが。
 それはともかく、「結末がショボい」には笑ってしまった。私がイーガンを心から愛せない理由の一つはそれだ。でも「打率90%、20%はホームラン」というのには同感。何といってもインパクトがあり、これは間違いなく傑作だと思わせる推進感みたいなものを感じる。ヴァーリイの短編に共通する感じ。

 さてと、あとはウィリスとチャンの短編集待ち。

7月25日(金)

 昼間はバイト。夜はS君と二人で研究室の結婚祝い会へ。同期の子と先輩が、私のこないだのアメリカでの発表のビデオと結婚式のビデオをわざわざ編集してきていて、プロジェクター持ち出してふすまに映してその場で上映会された。何もそこまでせんでも。で、あちこちから「(S君は)お前には勿体無い」と言われる。なんでやねん。あ、でもS君は二次会のカラオケで関白宣言歌ってちゃんとウケを取ったので(日頃虐げられている人が多いのか、異様に盛り上がっていた)私的には満足。あちこちから「(俺より先に死んではならない)それは絶対無理だ」と突っ込まれたが。

 遅ればせながら西澤保彦『両性具有迷宮』を読み終わった。素晴らしい作品です。ポルノ、フェミニズム小説、ミステリの3つを兼ね備えた小説はなかなかあるものじゃないと。ミステリ的にどうかという向きもあるだろうが、もっと面白くないミステリなんかいくらでもあると思うし。読んで面白い以上に、出来に感動した小説でございました。

7月26日(土)

 プル@今年のワールド予選など見ていたら、あの時のカルメン、前半にジャンプが固まってるのはともかくとして、2分45秒経つまでスピンが1個もないのよね。凄いプログラムだな。
 イリヤのドクター・ディーゼルも見たが、イリヤのプログラムはどれが好きか言えないぐらい、どれも素晴らしいと改めて。その代わり確実性とスピードに問題があるわけだが…なかなかプログラムも演技も素晴らしいというのは難しいよな。

7月27日(日)

 それにしても涼しい。一時期2、3日だけ例年通りの暑さだったが、それ以来全然暑くならない。もう8月だというのに、最高気温32℃とか言ってるし。私は体が楽だからいいけど、冷害になるんじゃないか。

 『ジョーズ』の音楽がドヴォルザーク『新世界』に似ていると思う同志は、やはりたくさんいるのですな(ぐぐった)。そこで、ジョーズを口ずさんでいると、どうしても新世界になってしまうとお困りのアナタ!
 じゃーじゃん、じゃーじゃん(ここまではジョーズのつもりでも)、じゃーじゃんじゃーじゃん、じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ、じゃーじゃん、じゃーじゃん、じゃーじゃん、じゃーじゃん(あれ??)、じゃ、じゃ、じゃ、じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ、じゃーじゃじゃ-じゃーじゃじゃ、じゃーじゃーじゃじゃじゃ(ががん、新世界やん、これ)
 こういう悲劇を回避するためには、「じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ-じゃじゃ」の中間ぐらいで、「ちゃらららー」を入れるのです。さすれば新世界への道は絶たれるでしょう。
 って、どうでもいいか、そんなこと。

7月28日(月)

 年金のことで社会保険事務所に電話したら、激しく盥回しにされた。って、何に入っていたか覚えていなかった私も悪いのだが。

 某有名海外掲示板に、典型的日本人スケートファン像という投稿があった。どの国の出身だろうと関係なしにすべての選手を愛し、贔屓選手を見るために見知らぬ国に旅し、写真を撮るのに長けていて、すべての国の旗とすべてのスケーターへのプレゼントを持ってる、と。なるほどね。あと、ヨーロッパ人は常にユーロスポーツ(スケートの試合を放映してくれるTV局)の悪口を言ってるとか、カナダ人はバトルにストイコの再来を期待しつつも、そのことにアンビバレンツな思いを抱いてる、てのが面白かった。

7月29日(火)

 一日バイト。

 スタージョン『海を失った男』を読み終わった。『成熟』『三の法則』『そして私のおそれはつのる』が印象深く面白かった。どれも似たような感じの作品だが。

7月30日(水)

 朝6時過ぎに、親が救急外来を受診したという電話で起こされた。すぐ救急に行って、色々あった末、午後になって親は入院。いやあ、「後医は名医」という言葉をしみじみ感じました。徐々に典型的な症状が出てくるんやもん。

7月31日(木)

 夜、母親の見舞いに行ったら、「そういえば私の母も40歳ぐらいから1年に数回寝込んでたけど、今から考えると同じ病気だったのかも」と怖いことを言い出した。祖母も母も叔母も私も、みんな前庭系が弱いので、私も明日はわが身じゃ。

 今日来たメールは久しぶりに凄かった。

 この頃12時前に寝てしまう癖が。


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