5月31日(金)

 午前中に家を出て飛行機に乗り、途中乗り換えて夕方ニューヨークに到着。ここからが大変だった。がんがん稲妻が光る中、途中雨にうたれながらバス・地下鉄を乗り継いでなんとかバスターミナルへ(この時点で既に予想外)。そこからホテルへのバスが見つからず(事前に調べていたバスに乗ろうとすると、運転手に違うと言われ、延々たらい回しにされた。結局、事前に調べていたバスで正しかった)、ホテルに辿り着いたのは12時前。
 最大の敗因は、車で10分ほどの距離なのに、タクシーが行ってくれなかったこと(おそらく州が違うせい)。いやはや、一時は本当にNYで路頭に迷うかと思ったよ。この日の教訓:英語での電話は、切羽詰れば全然恐くない。

6月1日(土)

 アイスショーを見に行った。この日は車社会の恐ろしさを知った日だった。車がないと、たとえ目と鼻の先の距離でも全く動けません(歩道がない)。脱水で死ぬかと思った。

 この日のホテルにはネットに入れるパソコンがあったが、日本語表示ができなかった。スケートページの掲示板を見ると、assignmentというアルファベットだけが読め、アサイン(GPシリーズのエントリー)出たのか?出たとしても、わざわざアルファベット表示する理由はないし、何か変なことでも起こったのか?と、たいそう気になる。ちなみに、翌日わかったその実態は、一番穏当な予想「アサインとは何かを説明している」であった(笑)。

6月2日(日)

 朝マンハッタンのホテルに移動して荷物を置き、電車とバスを乗り継いでこの日のアイスショーの会場へ。今日の会場も、車で来ることが基本になっていて、電車は1時間に1本、周りはだったぴろくて建物がない。

6月3日(月)

 グラウンド・ゼロに行ったり、エンパイアステートビルに登ったりした。NY、高いビルがこれでもか、これでもか、これでもか〜!と乱立していて、きれいな形のビルも見飽きた感じ。
 グラウンド・ゼロの周辺も、せせこましく高いビルが立ちそびえていて、日照権などあったもんではない。あそこでさらにひと回り高かったWTCが崩壊したら、すぐ周りのビルにいた大勢の人は本当に恐かっただろうな。

 自由の女神も遠くから(島には行かなかった)見てきた。小さい。台座が高い。
 見にいった公園で、路上販売していたマトルーシュカ(made in Russia)を買った。ロシア大統領バージョンで、プーチン、エリツィン、ゴルビー、ブレジネフ、最後がレーニン…どうせならブレジネフの代わりにヨシフ・ビサリオノヴィッチがよかったな(おい)。
 これは誰だ、とぶつぶつ呟きながら物色していたら、販売の兄ちゃんに、日本人か?ロシアの歴史に興味があるのか?と聞かれたので、そうだ、ロシアが好きなんだ、と一応アピールしておいた(何のため?)。

 夜は、いかにも観光客らしく、半額チケットで「レ・ミゼラブル」を見てきた。端っこだったけど、結構前の席で、とても面白かった。久しぶりに聞いた歌も懐かしかったし、あの途中で死ぬ片思いの姉ちゃんの人の歌が素晴らしかった。CD買いに行こ。

 と、よかったな〜と余韻に浸りながらネカフェに行ったところ、チンクワンタISU会長の暴走フィギュアルール改正案が、京都で行われているISU総会で強行採決されたと知り、一気に絶望的な気分に。
 どれだけフィギュアスケートファンが悲しんでいて、どうにかして欲しいと思っているか、理解していただけているのだろうか>ISUフィギュア部門の方々。どんなにえげつない手を使ってでも、フィギュアを守っていただきたい。

6月4日(火)

 NYは黒人が多い。今までこんなに大勢の黒人に囲まれたことはなかったので面白い。一番面白いのは、なんと言っても髪形。白人の髪型のバラエティは日本とさして変わらないが、黒人は混血具合によって元のくるくる具合も違うし、髪形も本当に色々あるのね。地下鉄に乗っていると、周りの人の髪型ばかりに目が行く。

 もちろん黒人だけじゃなくアジア系の人も多く、本当に人種の坩堝。で、この中でも、私ほど顔の平たい女は少なかろうと思うと、何となく嬉しかったり。私はかなり顔の凹凸がないが、日本ではそう目立つというわけではないと思う。しかし、これだけ色々いると、この平たさは際立つぞ(だから何なんだ)。

 NY市立図書館に行った。不必要なまでにでかくてきれいだ。金持ちの国は違うのう。美術館のような一室を押し開けてみると、単なる新聞閲覧室だったりする。
 読みたいものの在り処を聞くと「別館にあります」と言われた。4箇所くらい点在している別館の一つにも行ったが、そこも何となくハイソな雰囲気で、係員も親切丁寧。
 図書館を彷徨ううちに時間がなくなって、メトロポリタン美術館に行けなくなる。とほほ。

 この日は中華を食べた。青梗菜だよ、セロリだよ。こちらに来てまともな野菜をはじめて食べたよ。あ、もう書く気にもなれないが、NYもデブが多いです。TVドラマは間違っています。現実に即するには、少なくとも出演者の3分の1は体重90kg以上にすべきです。

 夜はアメリカン・バレエ・シアターの公演を見に行った。日本の相場から考えると安い値段で、たまたまだと思うが、比較的前の方の席で見ることができた。
 演目は農園が舞台のコメディで、専門的なことはよくわからないが、とても面白かった。男の人は有名な人らしく(コレーラというらしい)、拍手も断突で大きかった。で、くるくる回っていて凄かった(すげえ猫に小判な感想)。女の人は、パンフに写真が載っていなかったのだが、プリンシパルじゃないのだろうか?どうも仕組みがよく分からないが、小柄で可愛らしく、とても好み。今でも一場面が思い出せるほど、素敵な踊りだった。

 吉本新喜劇の吉田ヒロを思い起こさせる金持ちのバカ息子役の小さなダンサーもいて、ちょっとびっくり。背が低いけど、あの人別の公演ではどうしているんだろう。
 そして、何よりこの演目で注目すべきは、にわとりだろう、にわとり。上半身は鶏の着ぐるみで、足だけ出している雄鶏と雌鶏が踊ってました。実に素晴らしかったです。最後の挨拶に登場しなかったのが、心底残念。またいつか見たいものです。

6月5日(水)

 NYからボストンに移動。電車1本で、3時間ちょいだったような。寝ている間に着いて楽だった。

 ボストンは静かだ。高いビルも少ないし、落ち着いている。地下鉄がプラットホームがなく、路面電車のようになっていて面白かった。

 夕方から学会。今日は教育プログラムということで、内容も知っていることが多いし、スライドで英文出るし、アメリカに来てはじめて、何を言っているかだいたいわかる状況に置かれて心が安らいだ。

6月6日(木)

 よく言われることだが、本当に学会ってコンベンションに似ている。狭い世界で、たとえ会場が広くても、自分が行く部屋はいつも似たような面子だとかさ(おい)。

 ボストン名物らしいロブスターを食べた。おいしいと言っていた先輩もいたが、ドブの味がして私は不味いと思った。もう食べなくない。

6月7日(金)

 お昼にフードコートで中華を食べた。TOFUと書いて売ってたけど…これは厚揚げじゃっ。何でも揚げへんと気すまへんのかっ。

 学会の方は、色々来てよかったことが。

 夕方から、みんなで野球を見に行った。球場はちょっと変わった形のところで割と狭く、思ったより面白かった。とても寒かったが。
 ナゾだったのが、時々観客席で脈絡なく大騒ぎが沸き起こり、それがどうも特定の数人を糾弾しているように見えたことだ。赤狩りのようだったが、何だったんだあれは。それ以外でも、試合展開に無関係にウェーブに夢中になり、選手が長打を打っても全然見てなかったり。大リーグとはそういうものか(?)。7回裏に歌うという例の歌も、詩吟のような低音が短時間響いただけで、何がなんだかわからなかった。

6月8日(土)

 さらに来てよかったことが(泣)。

 この日は昼はレストランのチェーン店、夜はホテル内の店で食べたので、一応それなりにおいしかったような。

 それにしても、ボストンはきれいなところだ。NYで話をしたドイツ人が、ボストンはきれいだと言っていたが、同感。ちなみに、アリーの住んでる家みたいのが、本当に延々と軒を連ねていた。

6月9日(日)

 朝、日本×ロシア戦をTVでやっていた。こちらでは、ワールドカップはスペイン語の放送でしかやっていない。実況は、イナモトサン、ナカタサン、としきりに言っていた。
 稲本がゴールした時、「ごーーーーーー」といい加減息が続かなさそうなところまで叫んだ後、「おーーーー」と音程が上がっていったのには驚いた。 すごい芸だ。以前日本で、騒ぎすぎて顰蹙をかった実況の人がいたが、この人の真似なんだろうか。

 学会は午前で終わり、午後からはしょぼい水族館と、土産物街みたいなところへ観光に行った。いろんな犬が散歩していて可愛い。しかも洋犬ばかり(当たり前じゃ)。近づいていって遊んでいたら、飼い主の女の子に"Have a nice day 〜"と爽やかに言われて、ちょっとびびる。本当に言うのか。
 そういえば、公園で栗鼠も見たが、ラットにでかい尻尾がついているようにしか見えず、特に可愛くもなかった。

6月10日(月)

 朝5時に出て、飛行場へ。あとはひたすら本を読んで時間をつぶす。

6月11日(火)

 午後に帰国。蒸し暑いぞ〜。ボストンは昼と夜の温度差がかなりあり、夜はかなり寒かっただけに、ちょっと堪えるかも。でも、うどんが食えるなら、別にいいです、蒸し暑くても。

 飛行機の中で『ビューティフル・マインド』を見た。なんか分裂病っぽくないような気が。それに、むりやり感動の皮で包んだような感じがする。
 それにしても、あの人がラッセル・クロウなのか(←まだ『グラディエーター』見てない)。


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