5月21日(火)

 今日のバイトは暇だった。

 グールド亡くなったんですね。どこかでアスベストに曝露していたのかな。グールド派ではないとはいえ、高校時代に読んだ『ダーウィン以来』はある意味衝撃的で、憧れの目で何回も読み直したものだった。ご冥福をお祈りします。

 講談社現代新書『動物化するポストモダン』を読んだ。サンプルが偏っているのではないか、という感じが否めないものの、普通に面白かった。今は、大きな物語ではなく、萌え要素だけで成り立っている作品が多いというのは、言われてみれば常々感じていることでもあり、これからどうなっていくのか、自分は何を望んでいるのかと考えると、色々興味深い。
 しかしこの本、作者がどんな感じの人か全く知らなかった時に読むのと、生身の東浩紀を目撃したあとに読むのとでは、全然印象が違う気が。

5月22日(水)

 朝から健診バイト。会社の建物の中で行っていたせいか、診察を受けに来る社員の人がみんな「よろしくお願いします」とか「どうもありがとうございました」などと挨拶してくるので、かなりびびる。
 普段のバイトでは、開口一番「来るの面倒やから、これと同じ薬3か月分出して」(出せるかい)なんて患者さまと毎回戦っているので、この丁寧さはほぼ異世界。

 昼にラーメンを食べたら、午後から腹が痛かった。ううむ、教室では私の食べるものは、ほぼ全て監視されていて、何か油物に手を出すと「おばあちゃん、そんなん食べたら後でおなか痛くなるでしょ」と幼稚園児並のチェックが入るのだが、それぐらいじゃないと最早まともな生活はできないのかも。

5月23日(木)

 今日から私は先輩の実験動物と化すらしい。漢方薬2種を投薬されはじめた。子供の時に親からさんざん飲まされたため、漢方薬は大嫌いなのだが、漢方信者じゃない人にも効くかどうか見られるぞ〜と先輩は喜んでいる。

 久しぶりにオブラート出して、2種類の漢方薬を飲む。漢方薬はとにかく量が多い。オブラートに包むと飲み込むのが困難な大きさになり、角が喉に突き刺さることもしばしばなので、口の中で喉は通るが味はわからない程度までオブラートを溶かして飲まねばならない。このタイミングが非常に難しい。
 こうして飲んでいると、毎朝飲まされていた小・中学生時代をまざまざと思い出してきた。漢方薬のにおいで小学生時代を思い出すなんて、ロクな人生じゃないな。

 今さらフリーウェアを読んでいるので幸せ。しかし、前二作は最早全く記憶にないので、同じ登場人物が出ているのかどうかもわからないんですけど。

5月24日(金)

 今日の講義は面白かった。

 昼頃、ジェーニャが6月のツアーの小休止の期間にロシアに帰るというニュースを知り、一日幸せに暮らす。一旦おうち帰って、彼女とドライブ、犬と散歩でもすれば、ホームシックも和らぐであろう。あと2ヶ月と思えば、頑張る気も湧いてくるだろうし。

 フーリガンというのは、応援チームが勝っても負けても理不尽に騒ぐのだと先輩に教えられた。じゃあ、ユーロでどうしてアプトが1位じゃないんだ!と氷上に乱入してジャッジ席に掴みかかる、なんてのは、理不尽じゃないから駄目なんだな。
 SLC五輪SP後に、どうしてジェーニャが1位じゃないんだ、とリンクに石投げつけるぐらいじゃないと、フーリガンは務まらないに違いない。そ、そんなことして、楽しいのか?というか、むしろどうしてジェーニャが5位じゃないんだと…(おい)。

5月25日(土)

 未明にメールが送られてきて、見るとFSW(北米中心のフィギュア巨大掲示板)が有料化するというお知らせだった。それが、15か月で65ドルという値段で、そもそも去年ぐらいから、FSW管理側のやり方には不満が上がっていたし、これだけのお金を払ってまで、掲示板に書込みをしようという人が、それほどたくさんいるとは思えない。

 たしかに維持費の問題があるので、有料化すること自体は非難するべきこととは思わないが(嫌だけど)、事前に何の告知もなくいきなりこういうことをするというのは、商売としてもまずいやり方としか思えない(単に参加者を減らそうという試みにしては、減る人数が多すぎると思う)。

 ともかくこれは由々しき事態で、FSWは初心者教えてちゃんから、その道何十年の半プロみたいなファンまで、世界中の人が書き込んでいた巨大掲示板。勿論北米よりではあったものの、ヨーロッパ圏の情報も入るし、地元でも放映されないような大会のレポも上がる。特定選手用のフォーラムと平行して参加しているファンが多いため、各選手に何か起こった場合は即座にリンクが貼られ、情報も速い。

 これが縮小されてしまうと、これから先情報を集めるのが、非常に面倒なことになる。情報が散在する掲示板を日々廻るなんて大変。何とか移動先を見つけようと動いている人もいるが(即座にFree Skating World ってのを作った人には笑った)、FSW級の情報が集まる掲示板がそう簡単に作れるとも思えず…どうせなら、今までより良いものが出来ることを、祈ることにしよう。。

 水曜日に右目のコンタクトがずれて、どこかに行ってしまったのだが、目の外に出たのを確認していなかったため、残っているのではないかとずっと気になっていた。今朝からまた目が腫れてきて、白目黒目の境界溶け溶け状態になったので、これ以上悪化すると日曜日に眼科を探すのは大変と思い、急遽眼科を探して行って来た。
 随分長いこと診察されて不安になったが、幸いコンタクトは残ってはいなかったらしい。腫れ腫れにも関わらず平然としているのを不審に思われ、あれこれ質問されたが、目が腫れるのは日常茶飯事なので、いちいちうろたえてはいられません(目が開かなくなって中学早退経験あり)。

5月26日(日)

 うう、全然準備が進まない。ぴんち。明日は当直なんだろうか(悩)。

 夜、大学に行こうとしたら、突然ものすごい雷雨に。しばらく待って、雨がやんだ隙に大学へ行き、実験は済ませたが、帰りは空がずっと明るいほど光っぱなし、ごろごろ言いっぱなしで、たいそう怖かった。
 家に帰ってきてから、停電1回。

 『アメリカ銃の謎』を読み返し。今読み直すと、凄い翻訳だよな。「おお、むろんのこと」なんて言われても。中学の頃は、大人の本だから読みにくいんだ、と思っていたが、今から思うと、何回読み直しても意味がわからなかった本があったのは、私の頭のせいだけではないんじゃないだろうか(芽生える疑惑)。
 しかし、これで育った私には、この文体も懐かしく心地よく思える、というのがまた恐ろしい。あらゆる面で影響を及ぼしてそうだ。

5月27日(月)

 延々3時間、機械の講習。データのMOへの移し方まで、いちいち説明せんでええっつの。

 夜はバイト。幸い当直は免れていた。今更ながら、こちらは息つく暇もなく次々診ていても、患者さんは随分待たされているという事実に、何となく納得がいかないのであった。
 そういえば、外来のない日の病院勤務内科医は何をしているのか、と疑問に思う人も多いらしい。内科にローテートしに来た外科の先輩に、「内科って、オペもないのに昼間何してんの?」と、真面目な顔で聞かれたこともあった。ちなみにその先輩には、翌日には「すまん、オレが悪かった」と謝られました(笑)。

5月28日(火)

 バイト行ったり採血したり。地下から上がってきたら、教室は真っ暗で鍵をかけられていて、ちょっとショックだった。11時過ぎなのに、全員帰ってしまうなんて(しくしく)。

5月29日(水)

 昼間買物に出たら、交差点を曲がったところで、警官に止められた。一瞬、久しぶりに御用になることを覚悟したが、エンジンを止めるように言われなかったので、切符切る気はないと判断、向こうの言うことを聞いていたら、案の定開放された。
 「どうして止められたかわからないよね?」なんて言われたが、捕まえる理由なんて、左折前方不注意に決まっておろうが(でも、いやに爽やかかつ物腰の丁寧な警官だったので、黙って大人しくしていた)。危ない危ない、気をつけねば。

 週末からの旅行に備えて、荷物を詰める。普通、使わないトランクの中には何が入っているものだったっけ?開けると、ホッカイロ、毛布、ロシア国旗、ぬいぐるみ、裁ちばさみ、金づちなんかが出てくる身になってしまったよ(悲)。

5月30日(木)

 午後から、みんなで備品の片付け。

 先輩から何か言い残すことはないかと色々聞かれる。

 ということで、明日から学会+ついでの旅行に行ってきます。ついでの旅行の方が先というのが悲しいが、文句をいってはバチがあたるというもの。これで飛行機が落ちたら、ここはじおが気づいて削除するまで、さらされ続けるわけね。

 とても恐ろしいことに気付いてしまった。ああ、恐ろしい。

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