2月16日(土)

 フィギュアスケート関係で検索をかけてこられた皆さまへ。私がファンなのは、今回の五輪の銀メダリスト、エフゲニー・プルシェンコ選手です。

 終わった直後から北米人が騒いでいたフィギュアスケートのペアの裁定だが、なんとフランスジャッジに不正があったとして資格停止、ジャッジ比4-4ということで、カナダペアにも金メダルを与えることになったらしい。

 北米はどうしてこうまで大騒ぎするかな、テロの標的となった原因を全く分かってないだろ、と思っていたが、まさか本当に裁定を覆させるとは。今日から問題のアイスダンスが始まるので(アイスダンスはスタッフの力関係で順位がある程度決まるというのが定説)その前にISUが始末をつけたがったという感じが濃厚。

 そもそもジャッジが不正を認めたというのもアヤシイと思うが、接戦ではどうなるか分からない採点競技であることはわかっているのに、その採点すらも覆るようでは、いったい何を信じればよいわけ?なんか本当に五輪が心からイヤになってきた(北米人は前からイヤ)。

 金メダルのエレナ・アントン(ロシア)が可哀想すぎ。ノーミスの組が優勝すべきと言うなら、この2組が全く逆の立場だった去年の世界選手権は何だ?自分らが負けた時だけ大騒ぎするなよ>北米。

 第一たとえフリーの裁定が覆され、サレー組が同率1位になったとしても、ショートの結果と合わせれば、優勝はエレナ達だと思うんですけど。その辺もうやむやに金メダルだけ出すというのは完全におかしいと思う。

 NHKのニュースでは、アントンのダブルアクセルの失敗映像と、サレー組のジャンプの成功映像を見せ、エレナ・アントンの優勝はおかしい、という報道をしていたが、その説明は間違っている。技術点では、ジャッジ全員がサレー組にエレナ・アントン以上の点をつけていたのだから。
 5-4で勝ったのは、エレナ・アントンの芸術点が高かったから。日本でまで北米並のアホ報道をすることはないと思うのだが>NHK。一応GPシリーズのスポンサーなんだろうが。しっかりしろよ。

 北米よりの日本の報道では、サレー組が可哀想、という点が強調されているが、あんな敵意剥き出しの会場であれだけの滑りを見せた上、優勝後も北米の吊るし上げに悩まされているエレナ・アントンが気の毒すぎる。なんでもアントンは4kgも痩せたとか。冗談じゃない。

 私は、ペアは手先足先までぴったり2人が揃っている、という点が一番気になる。だから、ぴったり揃っているエレナ・アントン(ロシア)が好きだし、同じ理由で雪ちゃん達(中国)も好きだ(時々ずれるけど)。サレー組(カナダ)は、他の点で素晴らしい部分はあるが、そういう点では優れていない(というか、手先まで揃えようという気がないように見える)。
 だから、もしジャッジが、エレナ・アントンのユニゾンの長所を評価したのだとすれば、それは今後も上位に出てくるペアに影響を与えるだろうし、その点を喜んでいたのだが、まさかこんなことになるとは…。

 それに、これはペアだけの話ではない。アイスダンスはともかく、まだ女子が残っている。優勝候補は、全米のヒロイン・クワン(アメリカ)と、スルツカヤ(ロシア)。不安すぎる。。頑張れ、イリーナ!

 この騒ぎが五輪だけに収まっているといいのだが。今回プルシェンコははっきりと負けたが、グランプリファイナルではヤグディンと2回試合して1勝1敗、両方ともジャッジ比4-3で勝負がついている。ヤグディンは北米人が好きなタイプの演技をするし、こんなことではこの先の試合が不安だ…。

 男子フリーが終われば、食べられない&眠れないのは改善するかと思っていたが、甘かったらしい。断食+睡眠4時間生活は4日目に突入。それでも普通に実験はできますぜ。痩せるのは簡単さ。

 昨日の男子フリーを見た先輩の奥さんが、1位2位だけ全然違う、すごい、と言っていたそうだ。だからこそ、勝つか負けるかしかなかったわけだし、だからこそ良い演技を見て欲しかったのだが(涙)。

 とはいえ、手元には新プログラム・カルメンのテープがあるので幾分幸せ。腰を振ってないプログラムはいいねえ(なんでそんなことで幸せを感じなければならないのだ…)。このプログラムの完璧バージョンはさぞや素晴らしいことであろう。ステップとスピンの改善をもう少し希望。
 
 それにしても、どうして3アクセル-3フリップなんて面妖なものを思いついたのだろう…難しそうなわりにはあまりきれいじゃないような(おい)。ジェーニャはフリップはいつ何時でも跳べてるような気がするので、成功確率が高いとか??是非、専門家の意見を伺いたい。

2月17日(日)

 なんかもう、日本の報道を見ているだけで落ち込んでくる。マスコミが一方的な報道しかしないことは十分わかっているつもりだったが、ベレズナヤ&シハルリゼの演技が金に値しないと言わんばかりの報道はもうたくさん。
 見ろよ、演技を。私が今大会で見た演技の中で一番良いと思ったのは、間違いなく、あのベレ組のショートだ(二番目は残念ながらヤグディンのフリーだ)。

 そもそも、審判の不正疑惑が選手に何の関係がある?僅差で勝負がつく場合はいくらでもある。それでも、その結果を遵守するというルールで今まで闘ってきたのに、突然北米の圧力に負けたISUがルールをくつがえし、責任のない批判にさらされるなんて。ISUは絶対に結果を覆させるべきではなかったと思う。おまけに、ショートの結果の改竄までするとは…。
 マスコミはすぐにこの騒ぎを忘れるだろうが、将来にわたってベレ組の演技内容が悪かったかのように記憶されるかと思うと、とても悲しい。

 さて、BS版のペアと男子のビデオを見た。デジタルでははっきり映っていなかった、ペアの直前練習での、サレーがアントンにぶつかる場面は結構衝撃的だった(意図的にぶつかったとは思わない。そんなリスキーなことをするわけがない)。あんなに激しく衝突していたとは。もしエレナにぶつかっていたら、2人とも怪我をしていただろう。

 男子、北米&ヤグ寄りの刈屋実況を聞いた後だと、ウソ八百の森中実況でも心が安らぐことが判明。直前練習でプルのことを「金髪をなびかせてリンクから上がります」ってそんな呑気なこと言ってる場合か(笑)。

 BSはほとんど近接映像なので、表情がよくわかり、迫力があってなかなかよかった。特に表彰式。なんですか、あれは>ヤグと握手するプル。
 そんなに怒った顔することないでしょ。転けたりダブったりしたあんたが悪いんじゃないか(笑)。非常に大人げのないプル君でありました。

 既に何回見直したかわからない、新フリー「カルメン」。3アクセル-ハーフループ-3フリップのジャンプは、どの意見を見ても「とんでもなく難しい」らしい。そんなマニアックなジャンプを隠していたとは。

 非常に評判の良いこのプログラムだが、どうして欠点ばかり目についてしまうのだろう?いやプログラム構成はいいと思うのだが…いつものジェーニャはこんなものではないぞ。もっとぴったり音楽と合ってるし、もっと踊っている。
 来季もこのプログラムを持ち越して、極めて欲しいものだ。あれだけスピンが入っていれば、練習になるんじゃないだろうか(期待)。ペト様級への道は遠い。

 それにしても、この演技の中で一番ショックなのは、やはり最後のサルコウがダブったところなのでありました。何回見ても泣きそうだ。長野ではちゃんと跳んでね。

2月18日(月)

 昼はデータ整理など。夕方、当直先へ10分遅れで到着。「いつもきちんと来はる人が遅れたから交通事故にでもあったかと」と院長に言われる。すいません、ちょっとドイツ人に英語を書かされていて(←言語道断)。私に即座に英語の文章を書く能力がないことぐらい気づいてくれ〜>ドイツ人。

 清水の帰国会見を見てしまった。「銀メダルの悔しさは他のシーズンでは晴らせないので、また次のオリンピックで頑張ります」う(涙)。

 フリーのプルシェンコを見た先輩の感想。「こうしてやる!跳んでやる!とやけくそになっているように見えた」「優勝した人は、悠然と出てきたブルドッグみたいで、プルシェンコはそれにきゃんきゃんと吠え付く子犬のよう」…子犬呼ばわりされるとは、ここ2年勝ち続けてきた甲斐がなかったね(笑)。

 その子犬、38度の熱発で寝込んでいるらしい。落ち込んで、免疫下がってるんじゃなかろうか。なんか発言も弱気だし。「I am sorry that I didn't win the gold medal.(中略) I hope that you still love me.」とか。金メダルを取れなかったからって、誰もキライになったりしないよ。大丈夫か〜。

2月19日(火)

 午前中はバイト。今日も忙しかった。

 ダンスフリーを見に一時帰宅。イタリア組の転倒を見て呆然。演技終了直後にバーバラさんが泣き出した時には、もうどうしようかと。もし男子SPのキスクラでプルが泣いたりしていたら、いたたまれなかっただろうなあ、と思ってしまった(いや泣かないと思うけど)。と、なんと次のボンクラ(カナダ)も最後の最後で転倒。恐ろしい試合であった…。
 表彰式は、さすがに全員年齢層が高いだけあって、どこかの誰かのように恐い顔をする人もおらず、落ち着いた雰囲気だった。

 午後からは、抄読の当番とか採血とか。先輩に、プルは熱発しているらしいと告げると、「知恵熱?」と言われた…誰しも考えることは同じだね。

 ペアの不正疑惑だが、問題のフランス審判が、良心に基づいて採点した、と本国のインタビューで語ったそうで、まだまだ揉めそうな感じ。
 この問題について詳しく知りたい方は、2ちゃんスポーツ板のフィギュアスケート☆ペアスレッドをさかのぼってみることをお薦めします。日本の誤った偏向報道よりは何百倍もマシだし、正しい情報が得られます。

 これに関連して、チンクワンタ(ISU会長、以前から評判悪し)がフィギュアスケートの新採点方法案を打ち出した。これがとんでもない内容で(というか訳が分からん)、即決ではなく6月の総会で採決を取るらしいと知るまで、かなり動揺。

 この案が採点の透明性を増すとは思えないし、こんなものが採用されたら、フィギュアスケートは単なるエレメンツ祭りになってしまうような気がする。どんなに数値化しずらく、不透明に思えようとも、フィギュアからプレゼンテーションやエレメンツ以外の部分の評価を取ったらおしまい。ヤグディンの神懸かりをどうやって加算評価するつもりよ?世界中のフィギュアスケート関係者がこの案にきちんと対抗してくれることを切に望む。

 五輪男子が終わって以来、2ちゃんの某スレに日々癒されている私。あのスレがなければ、ここまで元気でいられたかどうか(笑)。

 あちこちでプルの良い評判を見るにつけ、SPで転倒したり、フリーでヤケクソになったり、表彰台でご機嫌ナナメだったり、挙句の果てに熱出したりすると、好感度が上がるのか、としみじみ。勝ち続けてるときより、負けてるときのほうが良く言われるのは世の習いか。いや、私はへこまなくてすむから批判が少なくなったのは嬉しいが、本人は嬉しくないよな(笑)。4回転ルッツに挑んで転倒、ついでに次の4回転トウもこけてしまった昨年のロシア杯なんか、かなりヤケクソだと思うんですが、余裕で優勝してるので駄目ですか、そうですか。

2月20日(水)

 こないだ私が身代わりに行った暇々な診療所。今日先輩が行ったら、フレッシュの脳出血が来たらしい。やっぱり、先輩引くのでは。

 食事は少し食べられるようになってきたが、まだ普段の半分ぐらいしか入らない。というか途中で気分が悪くなってくる。今までも、あんなにカロリーは必要なかったのでは…別にこれでも生きていけるぞ。

 今日は女子ショート。2番滑走の章枝ちゃんはノーミス!スピードが速く、デスドロップも高くて良い演技だったと思う。が、滑走順の影響をまともにくらった感じで点数が伸びず、残念ながら7位と最終グループには残れなかった(残れないと6位以内は難しい)。しかもフリーは第3グループ第1滑走。今回クジ運が悪いねえ。でも、フリーの演技が楽しみ!

 とても緊張しているように見えたサラ・ヒューズ。ノーミスで終えてさすが、と思っていたら、次のサーシャ・コーエンはもっと凄かった。ジャンプ(いや質はともかく)もスピードもお見事。あまり子供体型に見えなくなってきたねえ。まだサラより年下に見えるが(実際は1歳上)。

 その後も、上位陣はほぼノーミス。根性が服着て滑ってるようだったマリア姉さん、そしてイリーナ!迫力満点だった。クワンもノーミスでまとめ、ジャッジ5-4でイリーナに僅差勝ち。
 正直、エレメンツの出来もスピードも、スルツカヤの方が良かった気がしたが、ジャッジ一人差だったし(しかし、むちゃくちゃ割れてたぞ、今日のジャッジ。なぜマリニナがあそこまで下がる?)、ショートは3位以内に入るのが仕事だから(……泣)まあいいや。
 勝負は明後日。最終滑走のイリーナ、ど迫力のトスカを見せてね。

 しかしこうしてみると、全カテゴリの上位陣でSPでミスしたの、プルシェンコだけやん(泣)。また落ち込みそうだ。。ええ、わかってますとも。SPでミスをしない、それがトップ選手の最低条件(涙)。

 フィギュアの新採点方法案、最初から比較的信頼できる記事を書いている毎日新聞によると、チンクワンタが暴走して発表しただけで、フィギュア部門は関知していないのだとか。ショートの結果を無視して、カナダペアに金メダルを与えることを承認したISUのこと、何を仕出すかわからないので不安は不安だが、総会で可決されるのは難しいんじゃないか、という見方が出ていて、少しだけ安心。

2月21日(木)

 今日の実験はしんどかった。ぐったり。

 夜、学会でアメリカへ行っていた先輩が帰ってきて、現地でのフィギュア・ペア不正騒動の報道振りを聞かされた。…聞くんじゃなかったよ。

 さて、ロシアの新聞に載っていたという、プルのママのインタビューを読んだ。フリー後落ち込んでいたジェーニャが、高熱出して寝込んでいるということで、何もしてやれない、とママは非常に動揺していた。あんなに動揺している返答を新聞に載せるなよ、かわいそうだぞ。

 その中でママは、メディアがプル・ヤグの対立を煽り、プルのことを悪く言っている、ジェーニャは「みんなは自分が勝つことを望んでいなかった」と感じている、と語っていた。
 残念ながらこれは僻みでも何でもなく、事実ヤグディン寄りの事前報道が非常に多かっただけに、これが本人へのプレッシャーになっていたかと思うと、もう何だか…。
 だが、この先もずっとメディアと共存していかなければいけないのだし、落ち込んでる場合じゃないぞ!頑張れ、ジェーニャ!小米朝も君のことを誉めている!


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