1月21日(月)

 先輩が「インビジブル」を見たそうで、「あれは絶対あんたが見たら怒る」と報告(?)してくれた。なんでも、ナゾの物質を静注しただけで、数分で透明になるのだとか。しかし私は、小学校低学年の時にジュブナイル版「透明人間」を読んで以来、ストリキニーネは人間を透明にする薬だと信じて大きくなったので、それぐらいで怒ったりはしないのだ。ふふ。

 ここから昼食の話題は透明人間に。瞼も透明になるから暗い場所に行かないと暗くならないとか、手が見えないから爪を切るのが大変とか、透明人間は色々と不便なのだな。スパイになるとて、服は着られないから寒い国は駄目だし。いいことあまりなさそう。

 夕方から当直。

1月22日(火)

 午前、午後とバイト。そろそろお出ましになったような気がする>インフルエンザ様。それにしても、健康診断で異常を指摘されたら、2年後じゃなくて、早めに精査に来てください…。

 夕方大学へ戻ってから、嘔気に苦しむ。鎮痛剤を倍量摂取するときは、胃薬も一緒に飲めよ。いい加減忘れるな、この鳥頭っ。

1月23日(水)

 お昼に五輪のフィギュアスケートの話になった。先生は、女子はスカートが短い選手が審判に良い点をもらって優勝できる、という信念の持ち主で、男子はタイツをはいているから気持ち悪いのだそうだ。
 どうしてあんなキン○マが見えるような衣装を着るんだ?そうか、君はキン○マが見たいからフィギュアスケートが好きなんだな。そうだったのか、キン○マが見たいとはねえ。って先生、それはセクハラというものです。そういう小学生的物言いは嫌いです。

 もう一人の先生は、ん?男子?そうか、フィギュアスケートの男子なんて見る人いるんやねえ、と感心気味。これが一般的な反応だろうなあ。
 びっくりしたのは、スポーツには全般的に詳しい先輩が、え?4回転ジャンプなんて跳べる人いるの?と言ったこと。いや、やっぱりスケートといえばトリプルアクセル、という感じがするし。ってそうだよなあ。
 やっぱり、4回転ルッツを跳ぶ日本人少年でも出てきて、10年くらいトップクラスで活躍してくれない限り、「フィギュアスケートは男子もやる」「上位選手は4回転を跳ぶ」「タイツを着る人ばかりではない」ということは浸透しないのかも…。

 相変わらず、DNA切ったり貼ったりしながら、論文整理。明日は注射だ。

1月24日(木)

 受験生になっている夢を見た。夢の方もさすがに年齢に即して、大学受験ではなく、大学院を受験することになっていた(笑)。久しぶりにあの不愉快な気分を味わったな。
 それに比べて、今の生活はなんて楽なのだろう。私の人生、中学受験から徐々に楽になっていってるんだよな。こんな堕落した生活を送ってていいんだろうか。

 ということで、反省してちょっと真面目に実験。午後からは、実習の準備&後片付けの手伝い。実習は準備が大変なので、先生はこのところ虚ろな目をしている。だから、せめて要領よく片付けて、早く実習室から出て行って家に帰って遊んで下さい>学部生のみなさん。

 韓国で、四大陸選手権が開かれている。男子ショートの結果をちょこちょこ覗いていたら、本田武史、テクニカルがオール4点代。選手権大会とはいえ、五輪出場者の多くは出場していないので、実績から言えば本田は断突トップなのだが…SP終わってなんと5位。どうしたのよ〜。まだ五輪もあるし、その後は日本開催の世界選手権。私は別に本田ファンではないが、心配になってきたぞ。

 一方、最大の心配の元、プルは、鼠径の怪我が改善して、4回転ルッツの練習をしているとか。4ルッツより新プログラムの仕上がりはどうなんでしょう。またルッツ、ループ、フリップの順番で、ラストが一緒なんて嫌よ。
 今日付の最新インタビューでは、相変わらず強気なミーシンコーチ。ヤグディンの今年のプログラムが良いとは思わないけど、人のを批判してる場合じゃないでしょうが〜。ああ、ダビッド(振付師)が腰を振らせるんじゃないかと思うと、不安で夜も眠れないわ。

1月25日(金)

 実習の後片付けをしたり、共同研究の先生のところに話を聞きに行ったり。全然分野が違うので、発言の半分くらいはナゾの言葉で面白かった。

 昨日の四大陸選手権のレポートを見たら、4回転と3回転半を転倒した本田は、ウォームアップでは4回転3回転も3回転半も跳んでいたらしい。あまりの既視感に一瞬めまいが。本当にもう…大丈夫か。

 さて、プルシェンコは、スイスで開かれたショーで新フリー「カルメン」を披露した由。クラシカルでエネルギッシュ、と評判はなかなかのようだが、何せスイスでもTV放映は1週間先。「疑問の余地なく良いとジャッジが判断するプログラム」を目指して、この時期になってプログラムを変更したのだから、気になるのはジャッジ受けと滑り込みの程度だが、情報源はその場で見たファンと新聞記事のみなので、実際はどんな感じやら…。
 それに怪我の具合も気になるし、早いこと高地に行ってほしくもあったりして。なんでも、ソルトレイクの高度に慣れるには1週間以上かかるというではないか。早く行け〜。もうあと20日もないぞ〜。

 あああ、ラリーと離れちゃったよ(悲)。

 ドイツ語の辞書を引きやすい、と感じる日が来るとは、思いもしなかった。人生わからんものだ。

1月26日(土)

 午後から大学。夕方一旦家に戻ろうとしたら、外は土砂降り。濡れるの嫌さに手袋なしで原付に乗ったら、手が冷えて急激に気分が悪くなり、途中停車するはめに。ううむ、私の体はやっぱり出来が悪いんじゃなかろうか。メインテナンスを怠っている(運動不足、不規則な生活)のが悪いという気もするが。

 夜の実験。どうやってnを揃えればいいんだ〜もういや〜。

 四大陸選手権男子は、爽やか19歳、バトル君が優勝。放送が楽しみ。本田は、フリーは低得点ながらも何とか1位で総合2位。しかし、これを快挙と伝えていたニュースがあったというのは本当だろうか…。いい加減にして欲しいぞ、報道体制。
 本田はアランフェスを滑ったらしい。私はキューバ・ラプソディーの方が好きなんだけどな。失敗しても、最後のステップで盛り返せるし。アランフェスだと、ジャンプ転けたら葬式のようになるではないか…。

 一方、爽やかじゃない19歳、プルシェンコ。さすがにこの時期ともなると、記事も色々出てきて楽しい。ロシア語の記事でも、大抵数日中に誰かが英語に翻訳してくれて出回るのだが、どんなスポーツでもそういうものだろうか。サッカーとかF1とかスキーとかゴルフとか。

1月27日(日)

 『ハリー・ポッター』の映画をやっと見に行った。原作でそれはちょっと、と思った箇所が(スリザリン可哀相とか)、映画だとよりくっきり見えますな。まあそれはともかく、組分け帽子とクイディッチの場面は萌え萌え。ハーマイオイニーもとても可愛かったし、イギリス寄宿舎ものとしては見に行った甲斐があったような。11歳ってあんなものか…。

 『SF入門』をちらっと見た。ベストの1位から順に読んでいく入門者がどれくらいいるかはナゾだが、夏扉の後に『地球の長い午後』『ソラリス』『火星年代記』『幼年期』と続くと、私ならちょっとイヤかも。こういうのは人それぞれだが、『トリフィド』『スラン』『人形つかい』だった私は比較的幸運なように思うのだが、気のせいですか、そうですか。

 ニュースでソルトレイクの五輪村の公開映像を見た。部屋がえらい狭そうなんですけど。ビジネスホテル並では。あんなんでストレス貯まらないかしら。食堂も、味よりとにかく安全性に気をつけていただきたい。警備もしっかりして下さいませ。

 さて、爽やかでないプル君が新フリーで腰を振るかどうかは、何も日本人ファンだけではなく、全世界のプルファンの注目するところなわけで、スイスのショーを見に行った人に質問がとんでいた。そして注目の答えは……振っていたそうです、はい。い、いや、わかってたけどね。カ、カルメンだし、ちょっとぐらいは振っててもいいかもしんないし…(ダビットの馬鹿っ)。

1月28日(月)

 ばたばたと実験を片付け、夕方から当直。

 他の子供と比べてどの程度かはわからないが、私は子供の頃、母親と離れるのがとても恐かった。小学校低学年のときは、母親が親戚の家に泊まりに行くと知ると、何ヶ月も前からその日が恐かったし、10歳の時に母親が入院した時は、入院翌日に知恵熱を出し、面倒くさくなった父親は、私の世話をさせるためだけに東京から自分の姉を呼びよせた。6年生になっても、塾に行く途中に仕事帰りの母親と偶然遭遇すると、それだけでとても嬉しかったりしたものだ。

 今から考えると、どうしてあそこまで母親と一緒にいたかったのか、自分の心の動きがどうも信じられないのだが(おい)、あの頃の私にとっては、母親と離れることなど論外、一人暮らしをするなど考えるだけでも恐ろしいことだった。

 ということで、世にお涙頂戴話はたくさんあれど、スケートを続けるために11歳で親元を離れ、全く知らない環境で一人暮らしをしていた、というプルシェンコの話だけは、いつ聞いても心から可哀想に思えるし、並の根性の子供ではない、と思ってしまうのであった。でもヒゲは剃るように。

1月29日(火)

 明けて午前、午後とバイト。夕方から大学。

 午後のバイトで一緒になる看護婦さんは、隙あらば話かけてこようと(というか延々と自分の話をしようと)する人で、それを避けるためには、バイト中常に「私に話しかけないで!」という気合をみなぎらせていないといけない。
 先週は気合が一瞬薄れた隙に、「先生肥えましたね」(失礼な)から始まり、「いかに自分がダイエットしようと日々努力しているか、そしてそれがどうしていつも失敗するのか」について延々と語られてしまった。

 今日もやだなあと思いながら行ってみると、なんと今日は休みらしく、別の看護婦さんが派遣されてきていた。ああ、なんて楽な外来。診察だけしていればいいとは。
 
 『レッド・マーズ』をようやく読み終わった。なんだあの日本人は、とか、科学・政治力に秀でた選民に、無条件で大衆を支配する力と長寿が与えられてるのがなかなか、とかいうのはさておき、火星に植民するのがいかにウンザリすることか、身に沁みて分かったような気にさせてくれるあたり、傑作なのはとてもよくわかった。ただ、なんかつまんなくしたベンフォードのようで…いやまあ『グリーン・マーズ』も読むけど。

 先週末のスイスのエキシビジョンの写真が出回り、プルの衣装が明らかになった。うーん…まあよくもなければ悪くもないような。五輪本番ではまた変えるような気もするし、正直もう衣装の心配はし飽きた。あ、五輪男子SPまであと2週間なのに、こんなに疲れていてどうする…。
 しかし、怪我の具合は不明だし、新フリーの音楽も出来も不安だし、髪は相変わらずだらしなく伸ばしてるし、ミーシンコーチは訳わかんないことばっかり言ってるし…。というか、今季、キタッというフリー演技をまだ見ていないのが、一番不満なのかも。はあっ。

1月30日(水)

 未明に田中外相更迭のニュースを聞き驚く。なんじゃそりゃ。小泉支持率は私の予想以上に急降下。

 午前中は代理の外来バイト、午後から大学。4連荘のバイトが終わったので、どうも週末のような気がしてならない。

 今日やったこと。プラスミド作り2種、DNA採り3種、注射、血糖測定、エライザ。なんか食事の内容記録してるみたいだな。

 さて、新聞によれば、プルシェンコは2月2日にサンクトを発つらしい。なぜそんなに遅くまでアメリカ入りしないのだろう。プルは高地での試合は経験したことがないはずだし、一刻も早く高地に行って欲しいのに。2日に出発ならSPまで10日しかない。何か原因があるのではなかろうか(疑心暗鬼)。怪我、治ってるんでしょうね?

1月31日(木)

 鍼師の先輩に、肩に鍼を打ってもらった。思ったよりちゃんと刺される感じがするものなのね。ちょっと痛い。背後から別の先輩が「今針がぐさーっと肩から突き出てるのよ〜」と実況してくれるのが恐かった。
 効き目は、うーん、お風呂に入った後のような感じで、軽くなったような気もするが…プラセボ?先輩曰く、プラセボでも効きゃあいいんだよ>ごもっとも。

 なんか本気で緊張してきて、幸運のお守りなんぞ身につけることにしてみる(いや私がつけても…)。きっとカルメンなら素晴らしいプログラムのはずだし、勝ち負けはもう考えても仕方ない。…滑走順、どうなるかな。
 五輪は予選がないので、ショートで第一滑走という事態も考えられる(他者との比較になるので、順番が早いと高い点が出されにくく不利)。ジェーニャはよく第一滑走引くしな。しかし、心配なのはやはりフリー。滑走順次第で全然変わってくるからなあ…あ、また心配になってきた。もう止めて祈ろう。


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