6月21日(木)

 更新時刻を見て、あれ?と思い、ヒラマド宣言にちょっとびっくり。でもヒラマドってのも、なかなか可愛いハンドルだと思いますよ。

 クローンがとれた〜!ふふふ。

 夕方から当直。当直室のTVがぶっ壊れていた。まあ、パソコンを持って行っていたからまだましだったが(←音が出るもの)。

6月22日(金)

 直明け後、いそいそと家に帰り、宅急便が来るのを待ちうけ。有難くも、見たことのないビデオを貸していただけることになっていたのだ。
 個人的には、スターリング『招き猫』が完全に実現している気分。そりゃポケコンの指図ではなく、自分で頼んだりするわけだが、それにしても全国各地の方からビデオを見せていただくってのは…いんたーねっとってすごいね。

 寝不足の上、ビデオを見て興奮していたため、ふらふらになって大学へ。
 実験は…もう考えまい…いいのさ私にはビデオがある。

 ということで、カナダ放映版の今年のワールド。音声の関係か、日本のものより臨場感があるような気がする。演技の前後の映像も多いし。
 いきなりヤグディンとプルシェンコを比較していて、ヤグディンの下には3年連続世界チャンピオン、プルシェンコには3年連続ロシアチャンピオンと表示が出ていて、ちょっと笑える。そりゃそうですが。

 怪我をしていて、ボロボロだったヤグディンの予選。別に自分のお気に入りじゃなくても、あそこまでひどいと見ていてつらいものがあるな。で、ボロボロの印象は、ジャンプが抜けまくっているからだけではなく、デスドロップのこけ方にあるのだと気付く。あのヤグディンのデスドロップが…しかもこけた後、音楽に戻るまでが長いし。

 一方、プルシェンコの予選。ひらひら黒衣装がやっぱり好きになれない。どうしてズボンに鋲がついているのだ…。ごちゃごちゃし過ぎっすよ〜>イリナ・ニコラエヴナ。
 最初の4回転でコケ、次のトリプルアクセルもコンボにならなくて、結構焦ってるように見えた割には、後半は楽しそうに滑っていて、最後の走り出すところでは、へへっ〜みたいな顔をして駆け出していた。最終滑走だし楽しんでるだろっ。終わった後は、さすがにほっとした顔をしているように見えたが(笑)。

 プルシェンコのSP。今までに見た映像とはアングルが違うことが多かったが、やはりモタモタしているという印象は変わらず。スピン遅くないか?キスクラで、ミーシンコーチに肩を掴まれて励まされてるみたいにも見えたし。あ、それからキスクラを去る前にミーシンコーチにちゃんとキスされてた(いつもされてるので、映像を見ないと気になるのだ)。
 それにしても、ミーシンコーチ&プルシェンコ&ダビッド(振付師)のキスクラ御一行様は迫力がある。その迫力の大部分は、プルシェンコ&ダビッドのむさくるしい髪型によるものと思われるが、ミーシンコーチの手の振りに合わせて一斉に動きだす、その統一振りもなかなか。

 TVでシンクロナイズドスイミングのデュエットの話をやっていた。ロシアペアが日本のフリーと似たような振付のテクニカルを滑るんだと。振付で勝敗が大きく左右されるスポーツなのかな。でも今の私はロシアを応援してしまうぞ。
 そして、そんなことより、ロシアペアのフリーの曲が「グラディエーター」であることに笑ってしまったのであった。お前らもかよ。ロシア人はグラディエーターがお好き?

6月23日(土)

 部屋の片付けなど。ようやく、こたつを上げた。

 今年のCOIツアー(アメリカのスケートショー)のビデオ。プルシェンコが例の"SEX BOMB"を滑っている。随分慣れて洗練(??)されてきた感じで、嬉しさ全開で可愛く滑っていたワールドEXと違い、実に実にアタマ悪そうに見える。これはこれでよい感じだわ〜。ズボンは出入り口の近くで脱ぎ、そのままリンクの外に放り込むという、賢いワザを習得してたりもした。
 しかし、これで最初にプルシェンコを知った人はどう思うことやら。これで世界チャンピオンとか言われてもな…。
 で、合間の舞台裏画像では、クワンやヒューズがトレーニングしているそばで、ひたすらゲームをしている姿ばかりが映っていたプルであった。

 エレナ・アントン。フリーのアレンジ(?)で、アントンがチャップリン、エレナが帽子かぶって子供の格好をしていて、とても可愛かった。チャップリンの映画を見ている人なら、マイムの意味がわかるんだろうけど。
 サーシャ・コーエンは髪を切っておばさんパーマみたいになっていて、ちょっとびっくり。髪型のせいかやや年食って見えるようになったし、体型も多少成長したとは思うけど…おばさんパーマはやめたほうがいいと思うぞ。
 ルディ・ガリンドは、顔とか体型とかあまり好みではないのだが、でもやっぱり見てると楽しい。見直しました。

 フィナーレはウィリアム・テル序曲で、色違いの格好をした女性スケーターのところに、色違いの格好をした男性スケーターが乱入するというもの。
 何せ色違い衣装な上、男性は帽子をかぶっているので、誰が誰やらさっぱりわからない(プルは金髪なので、大抵は遠景でもすぐに見分けられるのだが)。ジャンプの仕方を見て、ようやくプルシェンコと分かったぐらい。それでも派手でなかなか面白かった。アメリカ〜って感じ。

 夜は、しおしおとビデオ鑑賞会。ウルマノフには、ぴったりした衣装ではなく、布があちこち余った服が似合うに違いない。プルシェンコキスクラ御一行がアヤしいのは、ダビッド(振付師)がいつも同じ革系の黒い服を着ているからではないか。サーシャ・アプトはワールドのショートのキスクラで、カメラに向かって「ママ、パパ」と両親を2回も呼んでいるが、あれは何だ?子供の名前は呼んでないのか?等々、どうでもよい話を数時間。

6月24日(日)

 例によって例のごとく、昨日ばたばた片付けをしたため、埃にやられて安眠できず。そろそろ空気清浄機をつけるか。

 夕方から大学。夜は田中邸に行ってCDRを焼いてもらったり。便利な人がだらだらしていた。
 それ以外はビデオの編集&整理など。すでに何が何やらわからなくなってるぞ。

 今年のジャパンオープンのSPのビデオ。見直したぞ>本田武史。あのドン・キホーテのSP、あんなによいプログラムだったとは。ジャンプも4−3があまりきれいではなかったのと、ルッツがダブルになっただけで、前後のトッド、ヤグディン、プルシェンコがすってんころりなのに比べると、際立って見える。
 しかし、プルシェンコのSPは、4回転こけてようがトリプルアクセルがダブルになっていようが、ワールドより良いような気がするのだった。腰もまだ振ってないことだし…。まあ、この時ぐらいの髪型が一番長さがちょうどよかった、というのも、印象が良い一因だとは思うが。

6月25日(月)

 目と鼻と喉のかゆみで眠れず。明方空気清浄機を引き出してきて作動させたが、すぐに状況が改善するわけもなく…。
 あまりにしんどいので、大学で先生に抗ヒスタミン剤をねだって飲む。おかげで眠気&めまいで午後はふらふら。それでも全身痒いよりはマシだ。

 しかし今日はそんなことで苦しんでいる場合ではない。グランプリシリーズのアサインメントがやっと出たのだ。事前情報通り、NHK杯にプルもヤグも来るらしい。マジかよ。ヤグ、標高よりプルを選ぶのね。まあ、こうなったら仕方がない。とにかく、ムリをせずに頑張ってもらいましょう。GPFも国内選もあることだし……。

 で、問題はイリヤ・クリムキン。カップ・オブ・ロシアと…スケート・アメリカ(大泣)。アプトと2人でヤグの代わりか〜?ああ、これでイリヤのSPは少なくともシーズン前半は見られないな…。ううう。あんな標高の高いところに行って、クリムキン滑れるかしら…。会場が変わるとかいう噂はどうなったんだろう。

 プル・ヤグがいなくて、つけいるチャンスがありそうなスケアメは、ティム、サーシャ、サヴォイ、タケシ、ワイスと、なんか…なメンバー。やっぱりティムとサヴォイが有利か?コケたもん負けみたいな…。予測不可能なメンツだ。
 一方ロシア杯は、プル、ユンフェイ、サヴォイ、ディネフ、セロフ、リンデマン、ということで、なんかこっちの方が分かりやすい。とりあえずは打倒サヴォイじゃっ。
 しかしどうしてよりにもよって、2試合ともサヴォイとセットなんだよっ。もうちょっと不確実そーなヤツと組ませてくれよ〜。

 予想していたこととはいえ、NHK杯に来てくれないショックは大きいが、海外ボードで、クリムキンが見れる〜と騒いでる人を見ると、アメリカデビューするのもいいかも、と思ったりして。いかん、アメリカ人の幸せを喜んでいる場合じゃないぞ(泣)。まあ、ラリークじゃなかっただけ、よしということで…しくしくしくしく。

 マガジンが届いた。今月号までもらえるのだったか。危うく今日買うところだった。まだ編集後記と京極夏彦インタビューしか読んでいないが、面白かったっす。

 カウンタが26000を廻った。

6月26日(火)

 午前中はバイト。ここ数週間のツケがまわってきたかのように、ばしばし患者さんがお見えになられたことです。

 コンタクトを買いに寄り道しながら、大学へ戻る。昨日からの暑さには、さすがにちょっと気が狂いそう。まだ6月だというのに入道雲見ちまったよ。

 実験はわりと暇で、論文検索ばかり。色々とイヤな論文が見つかるな…。

 この頃やっていることと言えば、ビデオの編集。年代順にプルシェンコの演技をダビングしていくと、やはり私はジャン・ミシェル・ジャールのプログラム(97-98年、98-99年のプルのフリープログラム)があまり好きではないらしい(嫌いではないが)。音楽もさほど好みではないし、98-99年の衣装は好きになれないし(なんかこう、ツタンカーメンのマスクをラッピング用の紙で作ってみたような←よく分からん表現)第一、その頃のプルは私の最も苦手とする「思春期入りたての男子中学生」の顔をしているのだ…。

 ということで、97-99年の編集はちょっと苦痛。99-00シーズンに入った途端、見入りながら編集してしまうということは、やはり「黒い瞳」が好きなのか。パンツ透けてても。最後にワールドが待ち受けていても。

6月27日(水)

 実験はどんどん深みにはまってるような気が。オペかも…。

 TVでやっていた「仮面の男」を録画して、ざっと見た。なぜ見たかというと…それは言うまでもなく、フィギュアスケートでよく使われていてとても良い曲だなあ、と思ったからなのだが…映画自体は別に何とも。A&Pや本田を見てるほうがいいや。しかし「仮面の男」という訳で良かったな。「曲は『鉄仮面』です!」とか言われるとちょっと悲しいものが。

 プルシェンコビデオの編集は今シーズンに突入。ワールドのフリーで、ダブルアクセルの直前、審査員席の前を半ばぼーっと通り過ぎるところだが、ジャパンオープンでも同じことをやっていたのに気付いた。しかし、ジャパンオープンでは、他にもあちこち適当に流したような振付が見られるので…やっぱり、そういう振付なのか、単に一瞬呆然としていたのかどうかは、わからないのであった(悩)。相変わらずどうでもいいことで悩んでるな。

6月28日(木)

 市民税を払い、ついでに通帳記入して財政状況を確認。やはり私は、働いていた時の貯金を切り崩して生きているらしい。

 実験は……。これからの人生についてしみじみ考えてしまった日であった。私の将来はどうなるのだろう。特技もないし…根気もないし…。ああ、金持ちになって一生遊んで暮らしたい。

6月29日(金)

 予演会×4。私は見てるだけなのだが、やや疲れた。

 文庫落ちした小林泰三『密室・殺人』を読み終わった。もっと濃いものを想像していたので、ちょっと拍子抜け。「首切り地蔵の…封印が…」とか、久しぶりに(うちには本がなくて)「ふんぐるい…うがなぐるふたぐん」を見られたのは嬉しかったが、全体に薄味。とはいえ、密室の解決法やオチは納得がいくもので、それなりに面白い。地の文まで京都弁なのが読み辛いが、まあこれは仕方がないし(笑)。

 ヤグディンがNHK杯をスキップするという噂が流れている。もし本当ならプルシェンコとの直接対決は避けられることになり、それは嬉しいのだが、そうすると今のところ、グランプリシリーズを3試合出場するのは本田とプルシェンコだけ、ということになるんだよな。他の人たちは五輪を慮ってか、2試合しかエントリーしていない。いくらプルシェンコが若いとはいえ、スケジュールも詰まっていることだし不安だ…。

 でもってさらに、もしヤグディンが出なければ、NHK杯の男子はかなり寂しいメンバーとなる。シード選手は、プルシェンコ(今年のワールド1位)と本田(5位)。まあ、これはいいとして、後はディネフ(12位)リュウ(14位)張民(15位)田村(17位)くらいではないか。アメリカ人が1人もいないし、ロシア人はプルのみ。をいをい。他のGPSと差がありすぎないか?

6月30日(土)

 起きたらあまりに暑いので、とっとと用意して大学へ。夏は大学にいるに限る。

 『ガン病棟』を読み返し終わった。そもそも、『ガン病棟』にはエフゲニーって名前の人出てこなかったけ、ジェーニャって見た覚えないしな、とかいう不純な動機で読み返しはじめたのだが(この頃の私の動機で、およそ不純でないものなど存在しない;)読んでいくうちに惹きこまれ、数年前に読み返したときに、こんなに素晴らしい小説だったのか、是非数年後にもう一度読みなおそう、と思ったことを思い出した。

 その時は、文章の並べ方やこめられた意味に感動したものだが、今回はまた別のことに感銘を受けた。以前はとても年寄りのように思えていた主人公コストグロートフが、実は35歳だったことにまず驚いたし、医者たちの、全く病気のことを理解しようとせずに、ごちゃごちゃ因縁をつけてくる患者に対する怒りがわかるようになったり(笑)、ラーゲリから出て追放処分になっている主人公が、普通の街のありとあらゆる娑婆の生活に感動する姿にいちいち共感できたり。

 また、この当時(舞台は1955年)の医療の姿勢にはなかなか驚くべきものがある。「医者には他人に代わって決定を下す権利がある」「患者はすべてを知ってはならない」のである。パターナリズムが徹底していて、インフォームドコンセントなどあったものではない。その一方、医療の細分化、かかりつけ医の不在、短い診療時間に初診料を取るべきか、など今とまったく変わらない議論が既に出ていたり(46年前だぜ…)。

 さらに今回は、レニングラードやスターリングラードなどの地名にも敏感に反応。でも「みんなレニングラードの封鎖の話はいろいろするでしょう。まるでそれ以前には何事もなかったみたい」。そう、それがあるのだった。それ以前に集団強制移住が。今だって、サンクトの昔の話といえば封鎖だもんな。まあでも、内部の粛清よりも、外国から攻められたことを言いたがるのは、ロシアだけでなく、日本だって同じだけど。

 『ガン病棟』を何回か読んだのはたぶん高校生のときで、その時どう思ったのかはあまり覚えていない。最初に読んだのは中学生のときで、友達と同時期に読み出し、「パーヴェル・ニコラーエヴィチ・ルサノフ(主人公の1人の名前)、パーヴェル・ニコラーエヴィチ・ルサノフ」と繰り返し言い合いながら読んだものだ。おかげで私にはイリイッチよりもニコラーエヴィチの方がなじみのある父称になってしまった(笑)。
 文中では、パーヴェル・ニコラーエヴィチ、ルサノフ、パーシャと3種類の呼び方がされているので、お経のように繰り返して覚えておかないと、誰のことを指しているのか、すぐに分からなくなるのだ。最初に読んだときに、登場人物を全て把握していたかどうか、かなりあやしいものだ。『イワン・デニーソヴィチの一日』だって、イワン・デニーソヴィチ(名前+父称)とシューホフ(名字)とワーニャ(愛称)が同一人物だと分かるまで、どれだけかかったことか。

 その当時は、とにかく何を見ても面白い年頃で、はじめてこの本で鼠径部という言葉を知り、友達とソケイブソケイブと猿のように繰り返しては笑っていたものだ(その友達も今は内科医)。
 そういえば、たぶんこの本で、ロシア人を〜さん、と呼ぶときには名前+父称で呼びかけるのだということを知ったに違いない。そんなことはアメリカ人にはミスターをつけるのと同じように、当たり前の知識だとずっと思っていて、世間ではあまり知られていないらしいことに驚いたものだが、考えてみれば当たり前だ。

 さて、そもそもの不純な動機だが、結局エフゲニーという人物は出てこなかった。エフゲーニャさんが一瞬出てきたが。この頃の私の頭の中では、ロシア人男性の半分はアレクセイで、3分の1はアレクサンドルとエフゲニーでできているのだが、小説とはいえ、もっとたくさん名前が出てきたぞ。あ、でもアレクセイはやっぱりいた。
 さあて、今度は『煉獄のなかで』を読み返してエフゲニーがいるかどうかを…。

 本屋に行ったので、フィギュアスケート関係の写真が載る某雑誌をちらっと見てきた。プルシェンコカレンダーなる企画がなされていて、昔の写真が載っていたが、特に珍しいものはなし。衣装の質感が分かるくらいが利点か。しかし、この某雑誌、もうちょっとどうにかならんものか。ウェブ上で写真が色々見られる世の中でなければ、これでも跳びついていたかもしれぬと思うと恐ろしい。

 『オルガスマシン』。表紙と口絵がとにかくすごいっす。


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