3月1日(木)

 のんびり実験していたら、バイトに遅れそうになって慌てる。
 当直先ではマガジンを読んだり。

 『エンダーの子どもたち』を読み終わった。『ゼノサイド』が出てからはや6年、もちろん覚悟は出来ている。
 『ゼノサイド』の中国人世界に引き続き、今回もアヤシイ日本人世界「カミカゼ」にサモア人世界。カードがあとがきで何と言おうと、どの世界もああカードだなあ、としか思えない。
 ルジタニアとジェインの粛清問題を中心に、エンダーと前回誕生した新しいヴァルとピーター、それにジェインの人格・体がどうなるのか、という問題がえんえんと語られる。考えさせられる記述はあるものの、結局アイウアがどんなシステムになっているのかよくわからないまま、単にカードがこうなるんだと言っていることをふんふんと読むだけである。そして、それじゃこの先どうなるんだと多大な疑問を残したまま、説教じみたハッピーエンドで物語は終わりを告げる。

 が、この本は『エンダーのゲーム』『死者の代弁者』の続きである。重要なのはそこ。それだけで私には読む価値があるのだし、エンダーの死にかたに疑問は覚えるものの、最後の方のピーターの物言い(サービスせりふ「リトル・ドクターのある方が下だ」も含め)にエンダーを感じ、懐かしくも悲しい気分を味合う、というのがエンダーの死を見送る正しい在り方だなあと思える。こうして静かな終焉を味合うのもいいだろう(いやこれからどうなるか、まだ分からないが)。

 『エンダーのゲーム』『死者の代弁者』で頂点に達し、『ゼノサイド』で急降下した私の評価は、『エンダーの子どもたち』でゆっくりと下がって軟着陸したような気がする。少なくとも『エンダーズ・シャドウ』のように、心かき乱される思いはしないですんだだけでも有難い。そして何にしろ『エンダーのゲーム』と『死者の代弁者』は変わることなく私のもとにあるのだ。

 2月27日付読売新聞の夕刊にヤグディンとプルシェンコの特集記事が掲載された。去年の世界選手権のプルシェンコについて「最初の4回転ジャンプを失敗したことで我を忘れ、さらに2度も挑んで失敗、プログラムをぶち壊して4位に終わった」。はい、確かにその通りですね。でも、そんなこと言うならきさま自分で跳んでみろよ。それも17歳でな。と思わんこともなかったりして。ああ、ガキに甘い私。

3月2日(金)

 当直先で寝過ごした…。例によって明け方まで眠れなかったとはいえ、今まで当直先で寝過ごしたことなど1回もなかったのに……かなりショック。

 マガジン4月号の田中啓文特集。英訳版や地口解説はともかく「吐仏花ン惑星」は面白かった。何よりオチがきれいだ(結局それかい)。
 菅浩江「お代は見てのお帰り」は、博物館惑星シリーズにしては、今いち好みではない。ちょっとストレート過ぎる。
 それにしても、ハヤカワ文庫の特別重版紹介。ジョナクジが「<博物館惑星>が銀河いっぱいに広がったイメージ」というのは何か違う気がする…。

 今日のアリー・my・ラブ3。やはり私は「新しい子犬」の顔が気にくわない。レギュラーキャラなのに。

 フィギュアスケートのジャンプの種類見分け学習は継続中。今日の教材は長野五輪。集中していれば8割くらいは分かるようになった。同じジャンプでも、人によって随分感じが違うものだな。

 京都SFフェスティバル2001の日時が決定しました。11月17日(土)18日(日)で、本会先行です。会場は、本会が京都教育文化センター(さわや西すぐ)合宿がさわやです。どうぞよしなに。

3月3日(土)

 親からの電話で起こされる。例によって、(1)この頃は「パラサイトシングル」が多いのにどうしてお前は親と同居しないのか(2)どうして結婚相手を自力で見つけられないのか、についてだらだらと。

 ひがな一日ビデオを見ていたような気がする。午前中は例によってジャンプの種類見分け学習。午後からは、知合いの方に送ってもらった昔のフィギュアビデオが届いたので、それをえんえんと見ていた。
 97年のプルシェンコ(14歳)。まだ、すてん、すてんと転んでいるのがご愛嬌。しかし、あまり可愛いとは思えん(14歳男子じゃねえ…)。出来に不満なのか無表情だし。それより96年のソコロワ(16歳)の可愛らしさにメロメロ(死語)。

 「女性セブン」はあったのに「女性自身」は見つからず。ぴんち。

3月4日(日)

 教室が関係する講演会の手伝いのため、朝から大学へ。終わったのは7時過ぎ。それにしても、なんともはや…。

 「SFが読みたい!」を少しずつ読んでいる。一番悲しかったのは、マイ・ベスト5アンケートに『パヴァーヌ』を入れても良かったのだと知ったこと。だって「新作」じゃないと思ったんだもん。

 今日のジャンプ見分け学習。正答率77%。間違ったジャンプのほとんどがフリップとループ。トウついてるかどうか分かってないぞ…。どうにかせねば。

 フランスで開かれていたナゾのジャンプ大会。フィギュアスケート選手がジャンプだけで競うという、趣旨・方法のよくわからない新規の大会なのだが、男子はイリヤ・クリムキン(ロシア)が優勝!4回転を2回跳んだ模様(非公式情報)です。イリヤ、えらいぞ!!よくやった!スピンだけでなく、ジャンプも跳べるということを世に知らしめたな!
 3日に行われた女子の優勝はソコロワ(ロシア)。こちらも嬉しい。いやあ見たくなってきたな。フランスではTV放映されたのかな。

3月5日(月)

 思いがけず(こら)イリヤがジャンプ競技会で優勝などしてくれたため(4回転3回転を跳んだらしい)今日は1日幸せだった。
 だが実験が忙しくばたばた。

 ふと気になったのだが、Arte という文字列は芸術やデザイン関係でよく目にする(当たり前だ)。ということは、こんな文字列をハンドルにしているのはかなり恥ずかしいかもしれんな>6年前に気付けよ。『地衣騒動』が好きだからこんなハンドルにしたんですっ、なんて言っても、わかってくれる人はこの世に1人か2人だろうしな。

3月6日(火)

 諸事情により、左眼だけにコンタクトを入れて原付でバイト先へ。いやあ、なかなかスリルがあるな。
 暖かいせいか、患者がひきも切らず。忙しかった。

 途中買い物をしたりしながら大学へ戻る。実験の方はやっとシークエンスまでこぎつけた。もちろん全然期待してませんけどね、ええ、全然。

 晩御飯を食べに行った店に「女性自身」のバックナンバーが置いてあった。ふふふ。(塩)さんの写真はやや写りが悪い。「女性自身」の読者は可哀相だったねえ(ちょっと安心)。

 とうとうフィギュアスケートの夢を見てしまった。リンクの西側で誰かがジャンプをシングルにしていた…。

3月7日(水)

 体調が悪い。この頃肩凝りがひどいのだが、今日はその上、腰は張るし胃は痛いし頭痛はするし…。おまけに周囲は風邪引きばかり。

 フィギュアスケートの最大の山場、世界選手権は3月19日から開かれる。ところが、もうあと2週間ないというのに、未だにエントリーが発表されていない。そのため、予選の組分けをめぐって予想が乱れ飛んでいる。
 世界選手権男子の予選は2組に分かれて行われる。昨年の世界選手権である程度の成績を残した選手は、その成績順にグループ分けされ、残りの選手はアルファベット順か何かで分けられるのだが、昨年3位のアメリカのワイスが今年は不調で、おそらく世界選手権には出場できない。ということは、昨年1位のヤグディンと昨年4位のプルシェンコが同じ予選組になってしまうのだ。それだけでも恐ろしいが(いや、自滅して4位になんかなってしまったプルシェンコが悪いのだが…)もっと困るのは下位の選手。予選の成績は総合順位に影響するのに、ヤグ・プルがいる予選組に入るのと、いない組に入るのとでは、順位が全然違ってくる。今年の順位は来年のソルトレイク五輪の出場枠に関係するので、1位違うと大違いの国も出てくるだろうに。こればっかりは仕方がないとはいえ、恐ろしいことよのう。
 ということで、いい加減エントリーを発表してくれよ>世界選手権のひと。

 数回しか会ったことがない伯父が亡くなったらしい。享年70歳。

3月8日(木)

 肩凝りがやや改善して今日は元気。しかし実験は妙に暇だった。
 夕方から雪に。大学から帰る途中も吹雪いており、家に着いたら雪だるま状態。明日の朝が恐い。

 フィギュアスケート世界選手権のエントリーがようやく発表された(正式なものではないようだが)。注目のロシア第3の男は、順当にサーシャ・アプト(国内選3位、ヨーロッパ選手権4位)に決定。←実に見目麗しいが、実に趣味の悪い衣装を着ているひと。
 イリヤ・クリムキン(国内選4位、グランプリファイナル4位)は補欠にまわった。まあ仕方ないよなあ。イリヤ、来シーズンまでさようなら(泣)。来季までに、ジャンプ成功率アップをめざしておくれ!来年は五輪もあることだし。

 で、男子の予選組分けだが、ヤグディン、プルシェンコ、アプト、エルドリッジなんていう恐ろしい組ができてしまうという噂(もう一方の組はストイコ、李、ゲーブル、ジャネットくらい)。本田武史はヤグ・プル組らしいので、スタートから大変…。
 ちなみに女子も結構偏っているような気が。村主選手大丈夫かな。

 ということで、世界選手権まであと11日。ジェーニャ、怪我や病気に気をつけてね。今日はピーテルでミーシンコーチの還暦祝いのエキシビで滑るそうだけど。

3月9日(金)

 朝から嫌なニュースを知り、どきどきしながら大学へ。私が家を出る頃には道路の雪は溶けていたが、原付には10cm以上も雪が積もっていてかなりびびる。
 同期の子に教えてもらいながら新たな実験など。夕方、別の実験の結果が出てがっくり。泣きそう。

 で、嫌なニュースはこれ。ジェーニャ・プルシェンコは、昨日の朝の練習で4回転サルコウを跳ぼうとして「ちょっと」足を痛め、ミーシンコーチの誕生日祝いエキシビジョンを欠席したらしい。この大切な時期になんてこと!!あと10日だよ〜!
 ああ、観音様、どうかジェーニャをお守りください!

 しかし4回転サルコウを世界選手権で跳ぶ気かしら(プルシェンコがいつも跳んでいる4回転はトウループ。同種ジャンプの回数制限があるので、違う種類の4回転ジャンプが跳べるとプログラムの幅が広がるし、点数も高く出る)。怪我が恐いよ〜。
 ちなみに、ジャンプの苦手なイリヤ・クリムキンは何気に4回転サルコウを跳べた(ことがあった)りする(笑)。

 こないだ文庫落ちした森奈津子『ノンセクシャル』を読み終わった。なんというか…とても面白かった。が、これはホラーなんだな。
 私は自分にいかに「ホラー回路」がないかを再び思い知らされた。主人公が恐い目に合って最終的に助けられる、そこに何かカタルシスを感じる人がいるのだろう、たぶん。しかし、私はだからどうした、という感じである。
 この本の主人公は、普通のホラーの主人公(ってなんだ?)には見られない考え方をしているのかもしれない。なんと言っても森奈津子だし。だがそれだけでは物足りない。この話の展開が勿体無くって…ああ、これがSFならどんなに素晴らしく楽しい話になっていただろうか(妄想)。
 この本は確かに楽しめる。だが、ああ私はそうでなく、森奈津子の違う話が読みたいのだ(←わがまま)。

3月10日(土)

 シークエンス失敗。とほほ。
 雨の中あちこち買い物に出歩き、前から必要だったものを色々買う。

 アマゾンで買った"EDGE of GLORY"が届いた。98年の長野五輪をめぐるフィギュアスケート界の内情を取材した本である。とりあえずアメリカ人の話は飛ばして、ミーシンコーチ(プルシェンコのコーチ)が出てくる部分だけ流し読み。この本、索引がしっかりしているのが秀逸。実に飛ばし読みしやすい。
 ロシアの話では、如何にロシアの練習環境が悪く、選手も貧しい環境で暮らしていたか、という話が多い。そりゃそうだろうなあ。数年前のロシアだもんな。ヤグディンも、1つのアパートに別の家族と住んでいたのだとか。

 フィギュアスケート世界選手権の予選組問題。フランスの代表選手が変わったため、本田武史は楽なストイコ・李組に入る、という噂も。ということは田村岳斗が大変なのか。1人変更されただけで、一気に有利不利が変わる予選つうのもな。それもこれも悪いのはやはりプルシェンコか?(ワイスが悪いという説も)


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