10月11日(木)

 今日は学生の特別講義のスライド係り。当直明け以外に9時前に大学に行くなんて、1年ぶりではなかろうか。

 教室の準備をしていると、3回生の女の子数人が、薬理の教科書を開きつつ 「sedationって何?」「何だろ?」「辞書引いてみよう」「鎮静作用って意味だって」なんて言ってるのを聞いてしまった。か、可愛すぎるぞ〜。
 臨床ではsedationは、「セデーションをかける」とほぼ日本語状態で使われているのだが、そうだよな、3回生じゃ知らないよなあ。

 特別講義は、途中で寝そうになったとはいえ、忘れてたことも思い出すことができて、結構面白かった。が、あの内容を3回生にするのはどうか。実感的には半分もわからなかったに違いない。
 まあ、実際に臨床に出なければわからないことは多いし、かといって講義しないわけにもいかないから、仕方ないんだけど。こういう講義で、何となくインプットされた用語も多いしな。

 夜、シークエンスの結果が出た。もういや。

10月12日(金)

 何をしていたのだろう。ねずみさんに会いに行ったり、必死に論文検索しているうちに、胃が痛くなってきて、痛い痛いと騒いでいたら、整形の先輩にそれは肋骨が折れてるんだと無法なことを言われ、さらに「うるさいからコイツの胃取ってやって下さい。私前立ちしますから」などと外科の先輩と相談されたりしているうちに夜になったような…。

 CS版の昨季の世界選手権のEXを見た。今回の解説は、日本監督S田さんではなく、ISUジャッジの杉田さん(あ、イニシャル一緒だ…)。
 杉田さんは、ヨーロッパ選手権のEX解説で、「プルシェンコは昨年は浮ついたところがあったが、今年はそうではない」と言っておられて、それが何となくしっくりきたので好きなのだが、声が小さいのが欠点。何を言っているのか、なかなか聞き取れません。

 で、注目のプルシェンコの金ぱんつEXでは、要所要所で孫を見守る祖父のように笑っているだけで、さして素晴らしい発言はみられなかった(いや別にいいんだけど…EXだしパンツだし)。
 CSの近接映像だと、着ぐるみ(肉襦袢)がよりはっきり見えるのがお得な点。ただし、一番楽しげに腰を振っていた1回目のアンコールがカットされていた(残念)。

10月13日(土)

 夕方、久しぶりに外をうろついたら、寒気にやられて気分が悪くなる。虚弱児童か、私は。
 そのあと大学に行ったら、少しだけいい知らせが。

 昨季のジュニアワールドの映像を見せていただいた。解説はISUジャッジの藤森さん。内容に踏み込んで、減点の点数まで詳しく解説してくれるので、巻き戻しを加えつつ食い入るように見てしまった。勉強になるなあ。

 男子SPで目立ちまくりだったのが、ジョニー・ワイアー(アメリカ)。前後の選手とは全く違い、流れのあるエレガントな演技。こんなに跳び抜けていたとは。びっくり。
 FPで印象的だったのは、キスクラでひたすら泣いてたランビエール君(スイス)。あそこまで大泣きするやつも珍しいに違いない。

 FPを見ていて、あれ?見覚えのある人が…と思ったら、アプトのコーチだった。アレクサンドル・シュービンって、コーチがアプトと同じなのね。
 そのシュービンの時に藤森さん曰く、ロシアには上に行く選手と、え、これがロシア?と思うような、ジュニアで苦戦する選手の二通りがいる、と。……そ、それには、ジュニアチャンピオンになりながら、翌年もう一度ジュニアワールドに出て、4位になってしまう選手も含まれるのでしょうか…(汗)←イリヤ・クリムキン。

 ジュニアとはいっても19歳まで出場できるので、シニアと変わりのないような選手もたくさん出ている。15歳くらいだと、体型的にもかなり見劣りするのだが…こんな試合で、14歳で優勝したジェーニャって…
 と思って、プル@ジュニアワールドを見直してみると…ジャンプの高さが他の選手とは全然違うのであった…。ううむ、昔からこうまで違っていたとは。

10月14日(日)

 夜、大学へ行った以外は家でだらだら。頭が痛い。

 『変革への序章』を読み終わった。私が読んでいるのを見て、手に取った父親が「難しそうな本だな。この最初の説明に出てくる種属、全部覚えなきゃいけないんでしょ」と非常に分かりやすい反応を示していた(笑)。
 確かに、いきなりこの最初の用語集を見たら引くわな。別に覚えなくても話は分かるけど、読んでおいたほうがわかりやすいし、用語集はあった方がいいとは思うのだが。

 内容の方はいつも通り。ただ、『グローリー・シーズン』を読んでしまった今となっては、ウルが、男性の体が小さくて女性の育児嚢で生活する種族であろうと、不法居住部族で女性が虐待されていようと、胡散臭い思いしか抱けない。「ヒトがヒトが」と持ち上げられているのも「アメリカ人がアメリカ人が」としか読めなかったり。読み飛ばすのは難しい。

 惑星上の全種属がひたすら退化することを目指しているという『プラスティス・エフェクト』状態は面白かったが、三部作の一作目ということで、謎を出すだけ出して解答はないのであった。あんた、誰よ?

10月15日(月)

 昼間は論文読んだり。夕方当直先に行ったら、珍しくちょっとばたばたしていた。

 さる事情により空腹が満たされず、夜中に起き出してスルメ(←おやつ)かじって寝た。

10月16日(火)

 午前中はバイト。世の中には、服薬や薬の増量は拒否するが、検査だけは受けにくる人がいる(まあ、その人にはその人の事情がありましょうが…)。勿論こちらには、無理矢理薬を飲ませる権利も方法もないので、ひたすら説明を繰り返して説得するだけなのだが、そういう場面にぶち当たると考えてしまう。

 例えば、ある人が服薬などの自己管理を放棄して、その結果心筋梗塞になったとする。運ばれた病院では、当然その患者さんを治すために全力を尽くす。カテーテル検査・処置、集中治療室での数日間の治療、場合によればIABP(一時的に心臓の補助をする機械)も必要だ。それにより、高額の医療費が必要となる。そして、そのお金は健康保険料から支払われる。

 つまり、その自己管理を放棄した人のために、国民全員の出費が嵩むわけだ。勿論、そもそも病気になる人とならない人がいるわけだから、そんなことを言っても仕方がないとか、色々あろうが…。
 今の制度がこうなっている以上、自分の行動によって他人に迷惑をかけている、という事実を少しはわかって欲しいな、と思ったりして。というか、制度の方を変えたほうがいいような気も…。

 9月に行われたグッドウィル・ゲームズのアメリカ版ビデオを見せていただいた。よって、しばらくはGWGビデオ鑑賞日記になると思われます。

 ということで、男子SP。まずはプルシェンコ(一番滑走だったのだ)。曲はマイケル・ジャクソン・メドレー。最初の字幕、間違ってるんですけど>19歳、172cm。18です、身長172cm以上はあります。

 まず、TV映像で見るとアップになるので、上着の模様の変さがかなり際立つ、と。それはまあ予想されたことなので、無視するとして…黒革ズボンは、尻の丸さが強調されていて、結構よいのではないだろうか。ジェーニャはケツの形はよいと思う。

 で、腰振りだが…顔さえ見なければ、なかなか格好いいと思う。少なくとも昨季のボレロのようにうねうね廻さず、がくがくと振っているのは○。
 その後のサーキュラーステップは、正面から見ると一層迫力が。ううむ、すげえ。一番の見せ場だ。しかし、なぜ腰振りからサーキュラーステップまで、ずっと口を開けているのか…。

 黒革ズボンのよいところは他にもあって、ビールマンスピンがとてもきれいに見える。足が固く締まって見えるので、足を持ち上げて、くいっとビールマン体勢になったときの驚きが大きいような気が。

 ストレートラインステップは、最後の足を揃えてきゅっと止まるところが、斜めなのが気になるが、あれはそういうものなのか?そして、シットスピンは確かに速くなったように見える(計ったわけじゃないが)。上達した?

 スローパートの振付や、ルッツの前のステップが…とか、ストレートラインステップがサーキュラーほど凝ってなさそうとかいうのは、きっとこれから変わるに違いない。4回転3回転はボイタノに beautiful! と誉められていたし(ボイタノ、ユンフェイの時にも言ってたけど)ルッツは斜めになっても(いいの、ルッツは!)良い出来良い出来〜。

10月17日(水)

 プラスミドが来た。トランスフォーム、トランスフォーム♪

 先生がこの頃「プロジェクトX」にはまっている。それは別にいいのだが、私の後ろにやってきて「実験は、失敗だった」「○○(私の名前)は、苦悩した」「ゼロからの、出発だった」などとプロジェクトX口調で言うのは、やめて欲しいと思います。

 GWG男子SPの続き。2番滑走のユンフェイ(中国)。彼は生で見る方が見栄えがする…というか、生だとアラが見えにくいのね(爆)。TV映像だと色々目立ちます。動くスピンとか;
 普通にしていれば、その辺の中学生に混じってそうなユンフェイだが(20歳超えてるけど)、なにせ4回転3回転だけはしっかり跳ぶので、Rafa氏的には人間じゃないんだよな。実は凄いヤツ。

10月18日(木)

 急いては事を仕損じる…ではなくて、こちらがどう急ごうが、大腸菌は思うようには増えてくれないのであった。いいよもう。今晩ゆっくりお増え。

 寒くて凍えそうだったので、肉団子(入りのスープ)を作った。おいしかった。

 久しぶりにCMで笑ってしまった。偶然会った昔の同級生の名前が思い出せず、写真をこっそり撮って携帯で送って、こいつの名前誰?と聞くと、帰ってきた答えが…というやつ。なんて読むんだ、気になる〜。

 雑誌のGWGレビューを読んでいたら、プルシェンコのSPについて、ストレートラインが短かったと思う、と書いてあった。やっぱりそう思った人もいるのね。ただ、それで減点されてるようには思えないんだけど。

10月19日(金)

 おうおう、やっぱりまる一日ゆっくり寝かせた大腸菌は違うな。

 「かぶらぎ」なのですね。ありがとうございました>林さん、しおしお。

 「アリー・my・ラブ4」が始まった。新しい子犬がアリーにふられていた。うん、私もその弁護士が可愛いと思うよ。

 私は今からとても勇気のあることをします。2000年世界選手権男子フリーのCS放映版ビデオを見るのです。地上波放映版を見ているのに、CS版にまで手を出してしまう理由は自分でもよくわかりません。
 シーズン最後に行われる世界選手権。このシーズン、全ての試合で優勝していたプルシェンコは、予選・ショートとまずまずの演技で通過し、最後に迎えたフリープログラムで……ジャンプが跳べず、すさまじい演技の末、4位に転落するのだが…

 ということで、巻き戻して用意してある今年の世界選手権男子フリー(←毒消し用)を左手に、右手にタオルを用意して、決死の覚悟でビデオを見る。
 ……ううむ。思ったよりは衝撃が少なかったな。解説の日本監督S田さんは、プルが3回目のクアドの試みでコケたあと、「この時点でヤグージンだな」。はい、そうすね。あの時点からプルは勝てないとわかってて、残りの演技をしなければいけなかったのですね(涙)。

 その後のS田さん。「プルシェンコにしてはミスが多い演技」(そ、そういうレベルっすか?)「ランばかりになっている」(跳べなかったジャンプを跳び直そうとして、後半は助走ばかりになっていた)と、まあ当たり前といえば当たり前だが、冷静な解説。

 実はS田さんに何を言われるかとビクビクしていたのだが、S田さんの興味は日本チームに向かっていて、プルシェンコには興味がないため、アナウンサーがいくら振っても大してお言葉はないのであった(笑)。せいぜい「プレッシャーに負けたと言っても過言ではない」くらい。ま、それは事実だからな。

 さて、今年の世界選手権を見て気力を回復した後、ついでに去年のショートも見る。ううむ、これはプルには勝てんよ。この時のヤグディンは既に完全な大人体型で、実に余裕のある演技。片やプルはまだはっきり子供体型。この時のプログラム「剣の舞」は好きだが、今から見るとステップとか物足りなかったりして(贅沢者)。

10月20日(土)

 午後から大学へ。夕方から当直。

 当直先で、NHKスペシャル「揺れる精神医療」を見る。「もう薬を飲む必要はない」という患者さんの言葉に息苦しくなってきた。こういう現場では、特にクリティカルに働くよな。

 ミステリにまつわる100問に答えてみた。SFだと、クイズ作ったり、ベストを考えたりすることも多いが、ミステリだと単に読むだけだし、こういう質問に答えるのはとても難しい。本も借りて読むことが多いので、忘れてる作品も多いし。

 これのSF版はどこかにないのだろうか?星新一著『ボッコちゃん』を読んだことがありますか?小松左京著『復活の日』を読んだことがありますか?筒井康隆著『家族八景』を読んだことがありますか?みたいな(ちょっと違う)。


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