9月11日(月)

 日付が変わる頃にバイオハザード警報発令中の田中邸に遊びに行く。昔の写真を色々見たりした。あまり変わっていない人が多い中で、森さんが若い。一見まるで邪気がない人のように見える。
 その辺に置いてあった中国科幻小説大全みたいな本をぱらぱらと見て遊んだり。英国の「肖」という人の作品が載っていて、誰だ一文字のイギリス人はと思ったが、作品名を見たら判明した。ボブ・ショウだった。去りにし日々の光。

 朝起きたら大雨だったので、嫌になってハメハメハを歌いながら二度寝。一時間後に再び外を見たが、やはり大雨なのであきらめて支度する。
 今日は機械を借りに(うちの大学のはこないだ壊れたので)京大まで行く予定なのに、こんな大雨でどうするんだ、と暗い気分で大学へ。

 原付で大雨の中、試料を持って京大まで往復するというのは、不可能ではないがかなり厳しい。ところが、同期の子がたまたま車で大学に来ていたので、先輩と二人でその車を借りて京大へ行けることに。天の助け。
 それでもかなりの大雨で、車の乗降時だけでもびしょ濡れになる。試料だけは濡らさないように守りながら走ったが、今日はもうこれだけでぐったり。
 くそお、機械が壊れなければこんなことには(泣)。

 晩御飯は、雨がひどいので外に食べに行く気にはなれないだろう、と先輩がご飯を炊いてくれたので、烏賊の塩辛なんかでぼそぼそご飯を食べる。
 琵琶湖の水位が上がったのはめでたいが、大雨は嫌いだ。

9月12日(火)

 大雨が続いているので、早めに起きて御池から地下鉄でバイト先へ。患者さんの数は想像していたよりは多かったが、それでもやはり少なめ。
 「60年から前に大雨があってねえ、水がついて(浸水するという意味らしい)若い人が国道渡ろうとして側溝に落ちて亡くならはって…」などと昔話を患者さんから色々聞けたり。

 午後からは大学へ。引き続き先輩の実験の見学など。
 帰りには雨はやんでいて、動きの速い雲の合間からきれいなお月様が見える。さすがは仲秋の名月。

 名古屋の浸水ぶりは見ていて恐ろしい。うちの家には携帯ラジオもないし、水も常備してないし、1階だし…。ちょっと心を入れ替えて災害に備えておいた方がいいな。

  9月13日(水)

 実験の見学のため、9時に大学へ。2日続けて早起き(なんて言ったらばちが千本くらい当たりそうだが)はつらい。

 次々と見学したり実験したりで、気が付くと8時前。9時を過ぎると情けないことに深夜のような気分になってきたので、早めに帰る。

 明日(というか明後日)からアリー・myラブの再放送が始まるのね。楽しみ楽しみ。

 カート・シオドマクが亡くなっていた、というか生きていたとは。生まれたのが1902年で『ドノヴァンの脳髄』が1943年かあ。すごすぎ。
 2000年に死ぬのは割と格好いいな。西暦で墓碑銘刻まれるならだけど。
 それにしても、『ドノヴァンの脳髄』って『ドウエル教授の首』と内容の区別がつかなかったりする。両方くびくびしてる話でしょ。たしかドウエル教授は脅されてる可哀相ないいもんで、ドノヴァンはまっどなわるもんだったような記憶が…。違ったっけ?

9月14日(木)

 大学へ行くと、昼ご飯ができていた。鯛のあら煮ときのこご飯とじゃがいもの味噌汁。

 百鬼夜行シリーズの使い道として、サザンのメンブレントランスファーの時に重しの上にのっける、というものがある。一晩薄い膜の上に重しをのせて放置、という実験なのだが、その上にぬらりひょんだの狂骨だのをのっけると、なんかうまくいくような気が…。今日は私のお気に入り、ぬっぺらぼう。

 夕方、本屋へ。『へびつかい座ホットライン』を見て思わず買いそうになってしまった。平積みとは魅力的な眺め。
 丸善に行ったら、ハリー・ポッターの宣伝ポスターがこれでもかこれでもかと貼ってある。いくらなんでもちょっとやり過ぎでは?エスカレーターの横にずらっと貼るのは品がない。

 bk1JCBカードを手に入れた。なぜ申し込んだかというと、それは勿論カードにマスコットの犬の絵がついているから。予想していたより安っぽい感じだったが、これでネットで買い物がしやすくなったし(今までクレジットカードを持っていなかったのだ)結構嬉しい。しかし限度額のことを考えると、やはり就職している時に作っておくべきだったな。

 しかし、あのサッカーの実況の人、誰かに刺されるんじゃないか。私でもどうかと思うけど。

9月15日(金)

 8時に大学へ。しかし、実験結果は全くもって思わしくなかったので人間やめたくなる。

 昼過ぎには大学を出て、髪を切りに行く。
 ここのところ行っている美容院は、店長は愛想もいいし、髪を徹底的にすいてくれるし気に入っているのだが、他の店員がなぜかいつも仏頂面で乱暴なのだ。店員が替わればもっと行く気になるのにな。
 今日は自動髪洗い機で髪を洗われた。ざわざわごうごういうのでうるさいが、その騒音もまた気持ちよい。

 家に戻ってきて、オリンピックの開会式を見る。原住民と子供を出せば許されるみたいな最初の踊りはどうでもよく、私の目当ては入場行進。
 「探偵!ナイトスクープ」で、人が集団で行進したり踊ったりしているのを見ると泣いてしまうという結婚式前の依頼者がいたが、私もそれに近いものがあるのだ。入場行進やマスゲームを見るの大好き。
 最初はいつでも必ずギリシャなんてのが、特につぼをつく。常に最初なんだぞ。常に。朝鮮は同時行進するしや。聞いたことないような国が出てくるのも面白い。日本の怪しげなマントは全然似合ってなかったけど、目立ってたし、かなりきれい。

 そのあと「ベスト・フレンズ・ウェディング」とERとナイトスクープとアリー・myラブを見た。TV見過ぎ。

9月16日(土)

 昼に大学へ行って、実験のやり直し。
 戻ってきてからはNHKをつけっぱなしにしながら、英語読んだり。たまに民放のオリンピック放送を見ると、ごちゃごちゃうるさくてキレそう。
 銀メダルの水泳の人のコメントがなかなか。

 ハヤカワ文庫創刊30周年フェアの小冊子。潜在的読書傾向チェックでは私は90年代型。メガヒットに弱いベストセラー追っかけ型らしい。ということで私は50年代好きではありませんので。

 あほほど叫んでいたのはサッカーの「解説の人」ではなく「実況の人」でした。申し訳ありません>どこの誰かも知らないけど解説のひと。

9月17日(日)

 昼前に前の病院の同僚からの電話で起こされる。相変わらず大変そうだ。世の中には日直したり、過労で倒れたりしてる方もいるというのに、私はなんて楽な暮らしをしているのだろう。ああもったいない。
 と思いつつ、なぜか物凄く眠いので昼寝しまくり。昼寝というか、意識が薄れて動けなくなるのだ。今日は天気も良いので、珍しく窓を開けたまま熟睡すること2度。

 その合間に洗濯したり英語読んだり『病の世紀』を読んだりした。『病の世紀』は面白い。
 サンドイッチ作ったりアリー・my・ラブを見たりもした。1日2時間ずつアリー・my・ラブを週5日見るってのは結構つらいものが。ビデオに取ってるんだから、我慢して少しずつ見るようにすればいいのだが、やめられないんだな。

 だがともかく、ほとんど寝ていたような気がする一日。ああ、あれもこれも出来ていないのに。

9月18日(月)

 午後早く、実験でささやかな勝利を得たので満足。
 夕方、吸光度計が馬鹿な数値を出し始めたので、罵って脅しつけていたら、周りの人がなぜか機械の味方をする。なぜだ、みんなあいつには苦しめられているじゃないか。なぜあんな奴の味方をするのだ。

 夜11時過ぎ、広い実験室に先輩と2人きりとなり、怪傑ズバットをかけながら実験。気が滅入る曲だ。20代の女が2人、他に何かよい曲はないものか。
 それにしても急に涼しくなった。行きは外で実験したくなるほどさわやかだったし、帰りは原付で半袖だと凍えそうなくらい。

 ははは。ばれてしまいましたか。実は70年代型からしかないし。これで50年代の人だと罵られても反駁できる材料を見つけたと思ったに。
 しかしたとえ一万歩譲って50年代者だったとしても、猫皮かぶりとしては認める訳には…。僕は50年代のSF「も」好きなんです。

9月19日(火)

 午前中は外来バイト。特に何事もなく終った。あ、久しぶりに色入ってる人を見た。

 サザン(DNAの検出法の一種)が出た!ふふふ!

 夕方から、研究室の人達+先輩の知合いの人達とで飲みに行く。
 こないだ一緒に旅行に行った美人の女の人から「旅行のときの写真を見ていたら、私はあなたに似てる」と言われ仰天する。どう考えても全然似てないと思うのだが、美人から似ていると言われるのは気分がいい。これからお姉様、と呼ぼうかな。
 などと浮かれている場合ではなかったのだ。しかし、その時はすぐ後に恐ろしいことが起きるとは全く予想もしていなかった。

 はじめは研究はどういうことをしているのですか、というような話をしていたのだが、突如各自得意分野を披露する話になってしまい、先生が「この人はSFが得意でねえ」などと口走りはじめたのだ。
 先生はSFも読む人なので、私にしゃべらそうと話かけてくる。だが、ここで話す訳にもいかない。
「ポール・アンダースンは?」 「昔の人ですっ」
「アイザック・アシモフ」 「死にました」
「薔薇の書に捧げる鳥?」 「伝道の書に捧げる薔薇ですっ」
「そうそう、あれアンダースンじゃなかった?」 「ゼラズニイです」
 おいおい一言で片付けるな、と言われたが、知らない振りをしているよりは手早く答えた方が安全だろう。
「ウは宇宙船のウって誰?」 「ブラッドベリ」
「ブラッドベリってどんな人?」 「世界の本がみんな焚書になるって話書いた人です。純文学かな?」
 と姑息に話をそらしてみたりも。なんか降ってくる爆弾を地面に落ちる前に撃ち落とそうとしている気分。なんとか話は無難な方向へ行ったが、ダメージでかし。みんな今日のことは忘れてくれえ。

9月20日(水)

 昼間は大人しく論文検索。
 夕方、本を探しに京大の南部生協に行く。南部生協は京大医学部の横にあり医学関連書が置いてあるのだが、なぜか私はここに行こうとすると必ず迷う。
 ここは京フェスの会場になったことがある京大会館や京都教育文化センター、合宿会場のさわやのすぐそばにあり、つまりは準備だ何だと、何回となく行ったことがある場所で、さらには南部生協自体にも何回となく行っているのだが、一発で辿り着いたことが一度もない。
 今日も今日とて、目的の角で曲がりそこねること3度、歩いて10分かからない所なのに、原付で20分を要し、危うく閉まるところだった。
 最早呪われているとしか思えん。お払いが要るな。

 魔の南部生協から帰ってきてからも、論文見たり本読んだり。
 集団で近所の定食屋に夕ご飯を食べに行き、オリンピックサッカーを見たりもする。

 こないだネスケが突然動かなくなり、色々しているうちに、ファイルの更新日時がお狂い遊ばされた。
 メールを受信すれば1970年だし、送信すれば2060年らしいし、日記を更新すれば1984年だし……「10月1日では遅すぎる」状態。
 面白いからこのままにしておこう。←単に面倒くさいだけ。


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