8月1日(火)

 7時に起きて、8時に家を出る。御池に原付を置いて、地下鉄で目的のバイト先へ。初めての所なので用心して早めに出たら、早く着きすぎて困り、道端でうろうろして通行人に不審な目で見られる。
 バイト先は古いけどきれいな診療所。どうもあんまし女の医者は来たことがないらしく、複数の患者さんに好奇の目で見られた。前いた病院は内科の研修医の半数以上が女で、そういう目にはあまりあったことがないので、ちょっと新鮮。

 1時前に大学に帰り着き、実験。めちゃくちゃ眠いのに、実験がすいすい進む(というかやる気がある)。これは…つまり昨日は体調が悪かったということか。こんなに昨日と違うとは。恐るべし、体調。というか、頭痛・腹痛は今までに数える程しか経験したことがない、というような丈夫な人に1回なってみたいよう。

 6時前に大学を出て当直先へ。当直先でやっと『「Y」の悲劇』を読み終わる。有栖川有栖、篠田真由美、二階堂黎人、法月綸太郎、という豪華メンバーの書き下ろしアンソロジー。しかもテーマは『Yの悲劇』。
 篠田さん、法月さんと大好きな作家が2人入っていて、あと2人も時々読むので、私にとってはこれ以上はない程お得なアンソロジーである。

 篠田真由美の作品では、「カズミ」と呼びかける友人の一言が読める!その一言を見た瞬間思わず息を飲んでしまった。そうか、そういう名前だったなあ。この一言だけでも買った甲斐があったというもの。

 法月綸太郎の短編は、途中までつまんなくて、最後で怒涛の展開というところにあれを思い出したが、違うかもしれない。まあ、こんなものか、という感じ。
 ところで、引用文に出てくる『ハートの4』がどんな話だったか思い出せなかったのがかなりショックだった。私はいつからこんなに堕落した人間になってしまったのだ。当直中なので、本棚から引っ張り出して確かめることができず、懸命に思い出して、ハリウッドものでアーチェリーが出てきてお嬢様が貧乏になる話だったなあ、と納得して寝たのだが…。それは『悪魔の報復』だって。『ハートの4』はポーラが出てくるやつじゃないか。馬鹿馬鹿。精進しなければ。

 有栖川有栖の短編は、この中では一番まとまっていて、よくできた話だと思う。二階堂黎人はメタなお話。メタな話は嫌いではないのだが、編集者が犯人というのはあまりにありきたり。

 全作シリーズもののメンバーが登場しているので、固定読者にとってはとても美味しい本だと思う。

 で、すべてダイイング・メッセージものだったのはなぜなのだろう。わたしゃ『Yの悲劇』にダイイング・メッセージが出てきてたのかと大分悩みました。なにぶん当直中で本が手に入らないので、またぞろ懸命に思い出して、えっと最初に死んだのは誰だっけ……。
 何しろ、生まれて初めて読んだ大人用ミステリが『Yの悲劇』で、犯人が最後にどうしてああなったのか、ということを全然わかっていなかった(←頭の回転が遅めの10歳児にはムリということで…)過去があるので、気付かなかったけど、もしかしたら指をYの形にして誰か死んでたか?と妄想は膨らむばかり。
 でも、結局『Yの悲劇』につなげるには、ダイイング・メッセージにするしかなかった、ということなのだろうか。4作とも同じなのがやっぱり気になるけど。

8月2日(水)

 当直明けでそのまま大学に直行したら、一番乗りだった。今日も体調がよいので、黙々と(歌ったり奇声を上げたりはしているので、傍目的にはうるさいが)実験。でも帰宅2時過ぎ(しくしく)。

 おお、のださんの夢に登場するとは。光栄です。ちなみに『フレームシフト』はあんまり…(笑)。あっ。実は、この頃私はある遺伝子をフレームシフトさせたプラスミド(円形のDNA)を作ろうとしているのだが、大なり小なりのトラブル続きでいっこうに完成せず、ずーっと気になっているのだ。このストレスフルなでむぱがのださんの睡眠時の脳まで到達したに違いない(笑)。

 思いたって、建築探偵関係のHPをいくつかのぞいたりする。当たり前だが、人によってはまるセリフは全然違うのね。私は『原罪の庭』の「それはあなたが彼の、母親だったからだ。」が一番なのだが、ネタばれなのだった。

 網切り(墨絵風)ゲット。悪くはないが、これなら狂骨のほうが好き。

8月3日(木)

 昼前に携帯で起こされる。先輩からで、昼ご飯用にバニラアイス、小麦粉、牛乳を買って来いとのこと。よろよろと用意をして、買い物をして大学へ。
 昨日食べたいと言った肉じゃがが作られていた〜。やった〜。じゃがいもが大きいの〜。あとのメニューは、スパニッシュオムレツ、くじらの何とか煮、茄子の漬物などなど。それにさくらんぼのクレープアイス(?)。

 しかし、昨日の晩御飯も研究室で卵ご飯だったし…。家に台所がある必要がないな。

 実験を早めに終えて、12時には家に帰る。

8月4日(金)

 大腸菌生えてた。やったあ。

 しおしおから電話があり、田中香織さんから「百鬼夜行 妖怪コレクション」を3つほど買ってこいという御下命メールが下っていたことを知らされる。コンビニに行かねば。

 4時から講演会。終って教室に戻ってきて実験をしていると「そんなことしてる場合じゃないよ。すぐこっちに来なさい。一大事、一大事」と先生たちに暗室に呼ばれる。行ってみると、百鬼夜行の蓄光ヴァージョンがずらっと並べてあり、これに暗室に置いてある装置でUVを当てると…なんと2色に光っている。これは確かに実験してる場合じゃないかも。つうことで写真撮影することに。写真はこれ。かまいたちのイタチの位置が間違っているのだが、それはまあ見ないことにして。これで蓄光ヴァージョンも全部集めたくなってきたなあ。

 7時前に大学を出て御下命の品をコンビニで買い、一旦家に帰って用意して、待ち合わせ場所の京都駅へ。メンバーは岡田さん、加藤@京フェス実行委員長閣下、しおしお、大澤君、私の計5人。どっかの駅で、大澤君のお友達の某大学のSF研会長様と合流。6人でムーンライトながらに乗る。

8月7日(月)

 寝たのは5時前だというのに、実家からの電話で9時過ぎに起こされた。眠いよう。
 通学途中にコンビニに寄り、おまけの腕輪目当てにダイエットコカコーラを探したが見当たらず、代わりに世界名作劇場シリーズのフィギュアを見つけてしまった。この頃よくこういうものが出てるな。
 ラスカルだのパトラッシュだのはどうでもよいのだが、バロン。これには手を出さずにはいられない。私の幼い頃の英雄だったのよ、13歳のペリーヌは。自分でスプーン作れるし。その飼い犬バロン。間抜け面のバロン。
 まるでこれが目当てでコンビニに来たかのように、バロンだけを買って大学へ行くはめに。

 昼になると、唐突に蛸飯が炊けたよ〜と呼ばれたので、いそいそと見に行くと、蛸飯と卵入りお吸い物ができていた。ここ1週間で、私は何回労せずしてご飯にありついたのだろう。環境が良すぎる〜。

 午後は、タンポポの「乙女、パスタに感動」をエンドレスでかけながら実験。こないだ先輩に、バイトの帰りに買ってきて〜とねだって買って来てもらったCDだ。まだ覚えられない。

 夕方からとても眠くなり、何をしていたのかほとんど覚えていない。実験の待ち時間に40分程熟睡。
 ご飯を食べに行って、最低限するべきことだけをして12時前には家に帰る。

 大会の時の日記はあとでアップします。眠い〜。

 カウンタが7000をまわっていた。

8月8日(火)

 8時に家を出て、原付でバイト先へ。途中で聴診器を忘れたことに気付いて取りに戻ったので、遅刻するかと思いがんがん飛ばす。
 久しぶりに重症の糖尿病の患者さんを診た。ったく。

 バイトを終えて大学についたら、網切りが封を切らずに私の机の上に置いてあった。先輩曰く「俺があけると全部蓄光ヴァージョンだから、開けずに置いといた」。んで私が開けてみると、通常彩色版だった。やった〜。あとは牛鬼と人魚だ。
 大会で湯川さんにもらっていただいた牛鬼が通常彩色版だったので、先輩にそう言うと「なんで奪ってこーへんねん」と怒られた。ええやん、また買えば。

 睡眠不足は全然解消されていないので、今日も眠い眠い。しかし、京大に機械を使わせてもらいに行ったり(ちなみに京大医学部までは自転車で10分以内に着く)夕方教室の人達とその知合いの人とのお食事会があったりしたので、ばたばたと忙しい。お食事会は賀茂川沿いの中華料理店。鳥のからあげ(シナモンと塩をつけて食べる)が美味しかった。

 帰ってきて、実験の続き。だが目が開かなくなってきたので、あきらめて1時過ぎに帰る。
 それにしても、睡眠不足でしんどい原因が土・日に働いたからではなく、遊び倒したため、というようなことが本当に起こり得るとは。どうも未だにそのような身分であることが信じられない。

8月9日(水)

 起きたら昼過ぎ。外は雷&豪雨だったので、雨がやむまでぼーっとしてから大学に出かける。
 とろとろと実験。が、夕方から次々とろくでもない結果が出だして、いやもう人間やめたいー。夜バイトから戻ってきた先輩がダイエットコーラのおまけの腕輪をくれたので、やや気分が上向いたが、でももういやだあ。

8月10日(木)

 午前3時頃、パソコンに向かっていて、ふと目の端に黒いものが見えたので横のたんすを見ると……いた。巨大なゴキブリが。真っ黒で足のばしてて、恐怖に狂った私の目には体長>5cmに見える。
 何となく目が合って、ゴキは慌ててたんすの裏へ姿を消したが、当然逃がすわけにはいかぬ。室内3箇所に常備してあるアースレッドを取ってしつこく何回もたんすの裏に噴射。なんかかさこそ音がする。そのうち、ふと目を離したすきによろよろとたんすの前に出てきたので、さらにアースレッドを噴射して仕留める。
 さて、殺すのはいいとして、この死体を始末するのがやなんだよな。昔恐くて死体を1週間以上放置して見ない振りをしていたことがあるが、今回は部屋のど真ん中でお死に遊ばされたので、そういう訳にもいかない。

 しかし、私も成長したものだな(いやこの歳になって言うせりふじゃないが)。下宿したての時にはじめてゴキが出たときは、ぱにくって実家に電話して親に泣きわめいた挙句、夜中にコンビニにゴキジェットを買いに走り、その間にゴキは姿を消して、どこから再出現するかわからないので試験前日だというのに一睡もせず、結局1匹退治するのに3日も恐怖の日々を送ったというのに。前住んでたところがゴキの出現率が高かったので、慣れたのだろうか。でも今回も遭遇した途端、チャットには入ったけど(笑)。やっぱし誰かに言わないと恐くって。

 しかし、これで問題になるのは、今までゴキからは比較的安全だ(いや根拠はないけど、引越ししてから一度も目撃したことがなかったので)と思っていた家が、またしても、いつゴキが出るかわからない恐怖の家になってしまったことだ。ああ、まず電気をつけて周囲の壁、床、天井に黒いものがいないか確認してから部屋に入るという生活に逆もどりだ。

 実験の方は相変わらず。夕方から鴨川の河原で、花火&七夕の笹燃やし会。七夕の笹飾りはゴミ箱にぽいと捨てるわけにもいかず、今日まで漫然と飾られていたのだが、燃やさないと願いが成就しないという話になり、花火ついでに燃やすことに。
 笹飾りをかかげ持って研究棟を出て鴨川河原に行くのは、かなり恥ずかしかったりするが(その上、お弁当やらバケツやらを持った人達が後ろに数人続く)飾りが風にたなびいてきれいだった。短冊が途中で落ちて誰かに見られたらと心配したが、結び付けるのに使った手術用絹糸はさすがに丈夫で、風に揺られてもびくともしない。
 かなり燃えにくい笹をなんとか燃やしている間に、近くに置いておいたお弁当のう巻きを猫に盗られたりしたが、その他は特にトラブルもなく、美味しくお弁当(自炊同好会&先生の手作り)をいただき、線香花火をたっぷり楽しんで終了。
 研究室に戻って、少し実験して1時前に帰宅。

 やっと、SF人妻さんが、どのお方なのか認識した。そうだったのか。なんか盲点だったなあ。
 Zero-CONの後、地下街で森さんが「難波さんの本を出すと言ってた人ですよね?」と聞いたとき、確か「そのようなものではありません」と言われたので、難波さんの青少年SFファン活動小史を電子化してアップすることをまだあんまり知られたくないのか、あるいは、正確な表現をしなかった森さんをお気に召さなかったかと思い、また森さんもすぐに引いたので何かあるのかと思って声をかけなかったのだが、すぐその場で、電子化してアップすると言っておられたのはあの方ですよ、と言えばよかったですね。いや、森さん、すみませんでした。

 あと、そうです。大森望さんが言っていたのは加護亜依です。ですが、確かに雰囲気は似ていますが、よく見るとあんまし似てないと思います>しおしおと加護亜依。

8月11日(金)

 研究報告とか、ミーティングとか。夕方から同じグループの先生の結婚祝い会。二次会はカラオケで、「乙女 パスタに感動」のコーラスと「鉄人28号」と「マグマ大使」を歌えたので満足。しかし、マグマ大使を歌っていると「SOS、SOS」のところから30代半ばの人達が俄然元気になり出したのはちょっと恐かった。どういう話なんだろ>マグマ大使。

 『中継ステーション』は、まさしくU-ki総統の言われたとおりの話でしょう。安田ママさん の日記のあの説明を読みながら、いちいち肯いてしまった。そうそう、そういうはなしだー。ってこんなとこに書かずに掲示板に書けよ。

 それにしてもSETIアットホームが継続されるとはめでたい。いつ終るんだったっけ、もう半分以上経ったよなあ、と不安に思っていたのだ。これで遅い私ものんびり続けられる。


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