6月21日(水)

 当直が明けると大学へ直行。8時半前から実験を始めるという珍しいことをしたが、実験産物を3種類電気泳動にかけたら、全部思い通りにいってなかったことが判明し、朝からとても不機嫌。
 この頃5つ程の実験を平行してやっていて、とり頭の私では今いち覚えていられなかったりする。

 マニキュアがおまけでついてくる紅茶系飲料のペットボトルがあったので、先生と二人して買う。んで夕方には、右手は黄色、左手は緑色の爪になっていた(先生に塗られた)。こうしていると、高校生のとき、両足骨折して右足にピンク、左足に黄色のギブスを巻かれたことを思い出す。1か月以上、色違いギブスのまま電車に乗り、梅田を通って高校まで通っていたのだ。今から考えたら、よくあんなひどいことしたよなあ>あの時の医療関係者。

 夜たわけた実験をしていたらぷっつんきたので、PCRを放棄して家に帰る。とは言ってもたかだか16時間労働。我慢の閾値がだんだん下がっているような気がする。

6月22日(木)

 一日中、切ったり貼ったり(DNAを)。削ったり流したり。

 文庫落ちした岩崎正吾『探偵の秋あるいは猥の悲劇』を読み終わり。昔借りて読んだはずだが、全然覚えてなかった。
 そうそう、Yってこんな話だったよなあ(大嘘)と思いながら読んだり。エミリー・ハッターに匹敵する人物が出てこなかったのがちょっと残念。私は間抜けにも最後の方になるまで、ペーシェンス・サムがいることに気付かなかったが(急に口調がそれっぽくなるし)おかげで結末をより楽しめた気がする。偏見かもしれないが『Yの悲劇』はとてもよく犯人を覚えられているミステリだと思う。一回読んだらあまり忘れないでしょう。だから本歌取り話では犯人はどうなるんだろう、と余計気になるのだが、いい感じだった。あのオチ。
 で、シリーズ第三作が文庫落ちするのはいつだろう?

6月23日(金)

 だらだらと実験。この頃追い求めているもの:よく効く遺伝子。

 夕方四条まで出たついでにゲーセンに寄ると、ハンモックたれぱんだと、干されているたれぱんだのぬいぐるみが、ついに姿を消していた。くそお、一昨日まではあったのに。
 あきらめきれずに近くのゲーセンを廻ると、新製品ということでUFOキャッチャーにジーンズ地のたれぱんだぬいぐるみが出ていた。どうせ取れないだろうけど試しに、と200円投資すると、あっさり取れてしまった。体はジーンズ地で首に青いスカーフを巻いていて可愛いのだが、体勢がどうもおかしく首手足が変な風に曲がっている。
 それでも欲しいのはあのハンモックたれぱんだ。UFOキャッチャーに出なくなったぬいぐるみというのは、一体どこに行くのだろう。どこかで売ってるのだろうか。しかし、やはり欲しいぬいぐるみを確実に取れるように、UFOキャッチャーのスキルを磨いた方がいいな。
 ハンモックたれぱんだではないとはいえ、やはりぬいぐるみを手に入れるのはとてもとても嬉しいことで、教室の人に見せて自慢した後、抱いたり枕にしたりしながら論文を読む。

 カウンタが5000を廻った。有り難うございます>皆々様。

6月24日(土)

 午後から大学へ。大腸菌がほどよく生えていたので、一気に機嫌アップ。実験を済まし、うっとおしい天気の中、1時間ほど四条河原町周辺をうろうろしてから当直先へ。

 ハインライン『レッド・プラネット』を読み終わり。やっぱり火星人はいいねえ。敵役は火星人が消してしまうという乱暴な解決法も素晴らしい。
 読んでないハインラインはまだまだあるぞ。ふふふ。

6月25日(日)

 日が変わるくらいからうるさいほどの雨で、帰れるかと心配しながら(原付なので)寝る。幸い朝には雨は上がっていた。

 直明け後、大学に寄って大腸菌を冷蔵庫に移し、家へ帰る途中にある選挙会場へ向かう。この小学校は長年横目に見ていたが入るのは初めてだ。
 私はもともと選挙には行く方だが、舌禍のおひとがあれほど選挙に行って欲しいと頼んでいるのだから、これは張り切りざるを得まい。んで投票をすませて外に出ると、出口に腕章をつけた女の人が。出たっ、これが選挙速報最強兵器、出口調査だっ。ぶち当たるのは初めて。なんか意地悪したろうかとも思ったが、どうみても学生アルバイトな可愛い女の人だったので、つい真面目にアンケートにお答えしてしまった。
 朝もはよから功徳を積んだので、今日は何かよいことがあるに違いない。

 掃除、洗濯、買い物、料理。服をクリーニング出したり、夏布団を引っ張り出したり。早起きすると本当にいろんなことができるな。
 久しぶりにけいぶん社(謎な品揃えで有名な新刊書店)に行ったら、海野十三『赤外線男』が平積みしてあったので買う。505円だって。1996年の初版だが、4年前ってこんなに文庫安かったっけ?まだちらっと見ただけだがすっげえ楽しそう。どきどき。あと文庫版『鼻行類』も買う。

 午後から2時間程昼寝。夕方から選挙速報を見ながら針仕事。なんかこれこそ休日って感じ。しあわせ。そんな暇あったら勉強しろよ、と思わんでもないが。
 夜、京都に来ているというM総統を見に田中邸に行く。25歳以上の人間ばかり3人いた。

 牧野修さんの近況が読めるサイト。楽しみ。

 ところで、私はお気に入りの本を何度もしつこく読み返すたちで、数ヶ月ごとにソルジェニーツィン『収容所群島』を読み返している。1週間程前からまた読み返しているのだが、この前ふと思った。『収容所群島』邦訳版を最初から最後まで読んでいる人はどれくらいいるのだろう?題名は割と有名だし、本もハードカバーをよく古本屋で見かけるけど、最初から順に読んでいくのはロシアの歴史に詳しくない素人には大変だと思うし(私はできなかったので、最初は読めそうなところから読んでいった)6巻あるし。ましてや、数ヶ月おきにベッドのおともにして、読み返して楽しんでいる人はあんましいないかも、とふと思うと悲しかったりして。いませんか、そういうひと?

6月26日(月)

 実験全滅。物凄く不機嫌。
 論文を読んでる私のそばに寄ってきた先輩が「不機嫌そうやねえ……近づかんとこ」と去って行ったくらい、見た目にも明らかに機嫌悪し。
 夕方マガジンを買いに出かけ、来月のハヤカワ文庫SFの新刊がローダンとスタトレとブレードランナー3だと知ったり、ゲーセンに寄って取りたいたれぱんだぬいぐるみがやっぱり取れない位置にあるのを見たりしたので、不機嫌度さらに増強。
 しかも頭は全く廻らず、実験では同じ失敗を繰り返す。
 昨日は功徳を積んだのになあ。

 舌禍のひとは続投のご様子。いつまで持つことか。
 選挙に隠れていつも報道されない裁判官の国民審査。私の周りでは結構みんな考えてバツつけてるみたいなのだが。たまにはクビになりそうになったりしないものかねえ。マルつけないと落ちる形式に変えろよ、といつも思う。

6月27日(火)

 この頃アレルギーがひどい。もとより毎日朝起きると眼が腫れているのだが、昨日長時間コンタクトを入れていたので今朝は眼が開かず。その上鼻水止まらず喉も痛い。

 大学に行ったら注文していたプライマー(塩基を20個くらい連ねたやつで、こんなの作って下さい、と指定するので注文生産になる)が届いていた。ので思わず手に持って喜びの舞いを踊る。早い!木曜日にメールで注文したら、金曜日に受注されて月曜日に合成&発送、特急便で夜をついて運ばれて火曜日に届く。早いぞう!ふふふ。

 ということで、材料が来たので実験は忙しくなる。異なる実験が5つ同時進行(3種類のプラスミド作りとPCRとプラスミド採り)。混同して間違える危険性が一気にアップしたが、1つとても素晴らしい利点がある。1つや2つ失敗しても、他のが進んでいるので気にならない!これは精神衛生上非常に素晴らしい!
 その代わり忙しくて暇がないよう。ちなみに私の前の机では、相変わらず膝と足首の関節がゆらゆらしていて、ぼーっとしても一向に心が休まらない。

6月28日(水)

 実験は……脳が5つ欲しい。なんかしんどいので日付が変わる前に家に帰る。

 お昼、教室の人達と映画の話をしていた。
「『スターシップ・トゥルーパーズ』は面白いですよ〜(最初の字幕とか、反戦を強調し過ぎてかえってハインラインに見えるところとかが)原作ハインラインですし〜」と何気なく言うと、「ハインラインって何書いた人?」と意外な先輩の言葉。
「『人形つかい』とか『宇宙の戦士』とか」
「『夏への扉』とか」
「『異星の客』とか『輪廻の蛇』とか」
「『人形つかい』って読んだことある」と先輩。
「『恋人たち』も読んだことある。あれもハインライン?」な、なぜ『恋人たち』?
「あれはファーマーですう。なんで『恋人たち』なんですか?」
「なんかで面白いってすすめてたの」そ、そうなのか。一体なにで薦めてたんだ?
「美しい女の人がいて、でも実は昆虫なのよねえ」ええ、そうです。そういう話ですとも。発売当初は結構売れたのだろうか?その筋の人じゃない人にも?
 なんにしろ、自分の好きな作品を読んでいる先輩と毎日働けるなんて幸せさね。

 ところで、うちの研究室には奇行で有名な先輩がいて、私は目立たない存在だったのだが、最近その安定した地位に変動が起き、私が教室内変な奴ナンバー1と目されようとしている。これはやばい。私がついている先生も結構変なひとで、奇行で有名なその先輩もいたため、つい安心して常にかぶっている猫皮を脱ぎすぎたらしい。大ショック。これから常に「一番変な奴」として生きていくのは嫌だなあ。しくしく。
 
 今月号のマガジン。書評でもレポートでもなく、著作リストでマガジンに名前が載る林さん。かっこいい!さすが!と思った。
 2000年下半期のラインナップの予告。本当にこれだけ出れば幸せなんだけどなあ。4月臨時増刊号に書いてあった知性化シリーズ最新作ってのは消えてるなあ。アンソロジー収録作品のことだったのか?カードとラッカーとブリン読みなおしといた方がいいかなあ(揺れるこころ)。

 SF系日記更新時刻、いきなりRobert J.Sawyerが入っていてびっくりしただよ。

6月29日(木)

 PCRめ。

 今日は例の変な先輩がパワー全開で、どうみても先輩の方が私より変だと思う、と表明すると「教室で一番変」の座から降りることは許可された。めでたいというか、何というか。
 夕方から、教室の人達と食べ放題の店に行く。

 戻って来てから四条河原町のゲーセンを見に行くと、スロットで商品を取るやつに、洗濯物になっているたれぱんだぬいぐるみと「たれごろし」の酒瓶の形(瓶の上にたれぱんだがいる)の貯金箱がセットになって出ていた。その前に別の種類のたれぱんだぬいぐるみと貯金箱が出ていて、それは欲しくないので、誰か早くあれを取ってくれないかなあ、と心待ちにしていたのだ。だから目当ての商品が出ているだけでもうどきどき。
 早速100円玉を投資し、何とかぬいぐるみと貯金箱をゲットして勇んで教室に戻る。貯金箱は思ったより重く、作りも細かくて可愛い。この貯金箱はUFOキャッチャーにも出ていたが、こんなに重くて取れるのだろうか。
 ぬいぐるみには吸盤のついた紐がついていて、紐を張ったらたれぱんだがぶら下がるようになっている。早速教室の自分の場所の棚に斜めに紐を張る。これがしたくて、何回となくゲーセンに通ったのよねえ。苦節34日、ついにこの日が来た!

 しかし、最初は賞品を欲しいがために仕方なくゲームをやるという感じだったのだが、この頃はゲームをすること自体に楽しみを感じるようになってきてしまった。いかん、これでは店の思うつぼじゃないか。

 食べ過ぎのせいか、まじで気分が悪くなってきて、苦しみながら実験。日が変わる頃家に帰る。

6月30日(金)

 なんと言いましょうか、どうみても変な机だ>私の実験スペース。やはり、たれぱんだがぶらぶら下がっていて明かりを2割ほど遮ってるってのは、私が見てもかなり変。どうしようかな。しかし変だとは言うものの、誰もやめろとは言わない>教室の人たち。まあ変身ヒーローカードをつなぎあわせたタペストリーが平然とかかってたりして、みんな慣れてるからなあ。

 そろそろ花火の季節。鴨川デルタでは毎晩やってる。

 今日のERでもダグの表情はお茶目さんだった。

 初めて有り難いメールが来た。Eメールを送ることによって今から2、3ヶ月後には200万円以上、最終的には1800万円以上の副収入を得ることができる、んだって。決して騙しておりません、などの心擽られる常套句つき。わあい。

 牧野修『スイート・リトル・ベイビー』を今ごろ読み終わり。話自体はありがちだと思うし、別に好きなタイプの話でもないが、文章がいい感じ。読んでいて楽しい。しあわせ。


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