6月1日(木)

 大学に行くと、昼ご飯にパエリヤが作られていた。親のハンガリー土産でもらったサフランを研究室に持っていって、パエリヤ作ってえ、とねだっていたのが聞き入れられたらしい。みんなもう食べ終わっていたが、私の分を残してくれていたのでありがたくいただく。他の人が親戚から送ってきたと持って来た網目メロンもいただいた。もちろん今年初。

 学振の申込書のために論文読んだり。
 夜、買い物に行っていた先輩たちが帰ってきて「CD買ってきたよ」と差し出したのは「怪傑ズバット」。思わずズバットさんじょお〜と歌いながら喜ぶ。ギターや三味線が渋くてよい感じ。先輩たちも気に入ったみたいなので、これからずっとかけられるな。
 しかし、同い年の子に「なんで知ってんの?」と言われる。
「いや、私も見たことないんよ。歌知ってるだけで」
「歌、なんで知ってんの?」
 いや、それにはいろいろ深い訳があって…突っ込まないでくれえ。

6月2日(金)

 大学に行ったら、今日は豆ご飯が炊かれていた。昨日先輩が患者さんから豆をもらったと持ってきてたからな。

 午後からシンポジウムがあり、スライド係をすると終了後に行われる懇親会に招待してもらえるという話だったので、同学年の子らと働きに行く。
 懇親会は大学のすぐ近くのレストランで立食形式で行われ、他の参加者はほとんどが御年配の方や、研究の話に夢中な方だったので、我々は餓鬼のように食べまくったが(ビールなどには見向きもしなかった)料理は余りまくり。
 当然のように持って帰ってもいいですか、と聞く先輩。こういうのは大概食中毒の危険が、などと言われ拒否されるのだが、このレストランは大学病院御用達なので慣れたもので、料理を盛ってあった大皿に余りものを集めサランラップをかけて5皿、さらに紙皿、ビニール袋1つ分の料理を引き渡してくれた。
 教室に持って帰り、残っていた人達5、6人が食べたがまだ余る。残りはサランラップをかけてコールドルームに。こういう時のためにあるのよねえ、コールドルームは。
 なんか食べ物の話しかしてないな。

 実験もした。相変わらず思わしくないので、「ねえ、これって有意差あると思う?」と周りの人に聞いてまわったが、誰もが「ないと思う」と答えてくれた。やっぱり多くの人に聞けばいいってもんじゃねえな。

 合掌。

 ニュー梅原書簡。前々から思ってはいたのだが、伝奇小説を書いていると、あんな風にしか書けなくなってしまうのだろうか。
 それにしても20年後には現人類肯定主義の伝奇ロマンしかなくなるんだったら、生きてくのやだ。

6月3日(土)

 ピート・ハウトマン『時の扉をあけて』を読み終わった。たしかにアメリカ版『マイナス・ゼロ』。出来は『マイナス・ゼロ』に及ばないと思うけど。自分の姿が見えないというのがどうも気に入らなかったが(だって何でだよ)、きれいに伏線になっているので仕方がない。扉についての説明もいい加減だが、まあファンタジーって最初から書いてあるしねえ。途切れ途切れの手記がいい感じだし、原爆のこと知ってるからって50年近く薬物投与し続けるってのもなかなか。あんまし不満はない。菅さんの解説は、そういう見方もあるのね、てな感じだが、ここはやはり閉じる時間ものとしての解説が読みたかった。

 午後から大学。昨日の料理はまだ残っていたので、処理にはげむ。しかしカロリー高そうなものばかり。太るよう。
 それでも残ったものを皿に移し、冷蔵庫に入れて、中に食物があるので早く食べるべし、と張り紙をする。
 あとは実験とかチップ詰めとか。

 そのうち先輩がやって来て、今度は「懐かしのアニメ主題歌集」のCDを買って来た。「翔べ!ガンダム」だの「怪傑ズバット」だの。私はいつまで我慢できるだろうか。

 家に帰って来て「俺の屍を超えてゆけ」。ここのところ男の子ばかり生まれるので、当主候補がおらず四苦八苦していたのだが、ついに全員男になってしまった。仕方なく(なにせ、涼子という名前も継がなきゃいけないので)、男に当主を継がす。
 どっちかの性別にしか継がせないようにすると大変だ。戦国時代とか江戸時代とか(今でも天皇家とかはそうだが)これが現実だったんだから、さぞかし大変だったろうなあ。無理難題だ。

6月4日(日)

 この頃あまりにも夜遅く(というより明け方)に寝ているので、改めねば、と1時半に就寝。しかし、起きると午後1時半だった。とほほ。
 夕方から大学へ。さすがに日曜日は人が少ない。実験結果はちょっと上向き。

 家に帰って来て、掃除とか洗濯とかアイロン掛け1時間とか。その合間に「俺の屍を超えてゆけ」。初出陣のやつが死ぬ→リセットを10回程繰り返した。もういや。

6月5日(月)

 掃除をしたせいか、埃っぽく安眠できず。朝起きると両眼とも腫れてるは(珍しいことではないが)喉は痛いは。

 煮物を作って持ち、冬物を半分ほどクリーニングに出してから大学へ。教室に行くと、タイ風カレーが待っていた。3日前の残り物の魚と人参が入ったカレー。2日たっても誰も食べなければ普通は捨てると思うのだが、それを一旦家に持ってかえり、カレーにして持って来るといううちの先輩。すごすぎる!
 しかも、本人は今日は看護学校の講義で午後にならなければ教室に帰ってこないというのに、11時にご飯(これがまた長粒米だったりする)が炊けるようセットまでしているという。お母さんも顔負け。カレーはとても美味しかった。

 午後は、別の先輩が持って来たレコードから落とした古いアニメ主題歌編集テープ(どうしてそんなものを持っている?)ががんがんかかっていた。
 アパッチ野球軍だの、ロッキーチャックだのけろっこデメタンだの。ライディーンだの真っ赤なスカーフだの秘密戦隊ゴレンジャーだの。その他いろいろ。
 終わるとこないだの「懐かしのアニメ主題歌集」。それが終わるとまたテープ。
 みんな歌う歌う。カラオケ状態。デビルマンだの大声で歌いながら実験し、その合間にそろそろ提出期限が近づいてきた学振の申込書を泣きながら書く。しかし…何という良い環境だ。

 これで大分歌える歌のレパートリーが広がったな。ところで、たいそう気に入ったのが「鉄人28号」の歌。なんて素晴らしい歌詞なの!
 ビルのまちにガオー!いいも悪いもリモコン次第!
 あまりに気に入ったので、夜11時過ぎから先輩2人と大声で合唱したりする。

6月6日(火)

 ずっと歌って疲れていたせいか、近頃になく熟睡できた。おかげでいつもより早めに大学へ。
 午後から、先週と同じく先生の身代わりで診療所バイト。が、今日は先週とうってかわって患者数が少なかった。怪我の人も来なかったし。

 5時前に大学に戻って来て、用事を2、3済ませて、当直先へ。
 当直先で『空飛ぶ馬』を読み終わり。

6月7日(水)

 「だから嫌だって言ってるだろ。同じことを何回もするな!」と叫び、自分の叫び声で目覚めると、当直先のベッドの上だった。6時33分。
 周りに聞こえただろうか。私の寝言はうるさく、夜中に叫ぶことも自分の叫び声で目覚めることもよくあるのだが、当直先で叫んだのはたぶん初めて。6時過ぎともなると、起きてる人の方が多いしなあ。

 直明けなので当然早起き。9時過ぎには大学へ着いてしまった。が、今日は予定があまりなかったりする。論文をコピーしたり、健康診断を受けに行ったり。ちょっと外に出るだけでだるいほど暑い。結構暇だったが、暇だからといって急に勉強したりはできないんだよな。
 夕方、用事のついでに近くの日用雑貨店によったら、たれぱんだ電気ポットが三千円で売っていた。ううう。可愛いし欲しいけど、電気ポットは持ってるし、もう1個あっても置くとこないし、と珍しく理性的な判断が働いて結局買わなかった。でも家に帰って来てみるとやっぱり欲しくなったりする。
 夜は、夜診に行く先輩がカレーを買って来てくれると言ったので、首を長くして待つ。あのインド料理屋のカレーはおいしい。

 SF研同期のあの一条寺さんも…満員電車で会社に……(涙)。就職するのはよくない(働いていた時の私の座右の銘)とまた思った。
 
 高校時代の同級生用のメーリングリストができた。

6月8日(木)

 昨日に続いて比較的暇。これだけ暇だと、いくら英語嫌いでも、論文を1つ2つ読んでしまう。
 向かい合わせの机の上で、小さな透明の入れ物に入った膝関節が、10個ほどふらふらと溶液の中で浮いている。向かいの机の先輩が脱灰するために酸につけているのだが、ぼーっと見てなさい、心が落ち着くよ、と言われてもねえ。膝だしなあ。

 『秋の花』を読み終わり。
 『空飛ぶ馬』は、さすがシリーズ第一作だけあって、謎がなかなか面白かった。「赤頭巾」が結構気に入った。最後の一文で落とすのって好き。『オランダ靴』を読んで以来癖になってしまったのかも。
 『秋の花』は、途中の書き方で真実がどういうものかわかってしまうので、意外性が全然なくてその点でまずいまいち。それに、主人公と円紫さんがあまりにも傍観者的にみえる。ことの重さを読者に感じさせまいとしているように思えるし、事件自体が全然引き立って見えない。まあ、あんな感じで泣ける人もいるんだろうけど。
 読みやすいし面白いのは確かだけど、レギュラーメンバーはいい人ばかり、奇麗事だけですましているようなこのシリーズは私にはどうも合わんな。

6月9日(金)

 来週の月曜日の教授面接のためにレジュメ作りとか。ひたすら有意差検定だの何だの。めんどくさ。いや今までしてなかったのが悪いんだけど。
 出入りの業者さんに「試薬まだですかあああ。日本につき次第すぐに連絡下さいねえええ」と毎日言うのがこの頃の日課だったりする。いやな客だな。

 研究室の人達とダンスでも習いに行こうかという話が出たのだが、私が立位体前屈−15cmであるということがばれ、お前には無理だ、とみんなから言われる。整形外科の先輩は、酢を毎日1L飲めば体柔らかくなる、とか言うし。
6月10日(土)

 夜寝ようと思い、ベッドに入ろうとしたことは覚えているのだが、その後の記憶がない。その上起きると1時を過ぎていた。どうも釈然としない。

 大学でちょっと実験。そのあと、髪を切る+パーマをかけに行った。そろそろパーマがとれかけてきて、元々の癖が出だしてきたのでやばいと思っていたのだ。終わってお金を払おうとすると「学生さんですよね」えっ。「は、はい」「そうですよね」ってそんなに学生に見えるのか、やっぱり。いや学生なんだし(Dだけど)、学生料金にしてくれたからいいんだけど。

 ある人から『アジアパー伝』を借りて読み終わり。どこにでもアル中はいるもんやねえ。
 
 夜は大学から奪ってきた「懐かしのアニメ主題歌全集」の一部をテープに落としたり。今時CDRに焼けばいいんだけど。

 bk1はマスコットの犬がとても可愛い!色合いといい、本くわえてるとこといい。そもそもクレジットカードを持ってないのでネット上の買い物は敬遠していたのだが、可愛いから絶対何か買おうっと。いろいろ関連グッズ出ないかな。



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