3月11日(土)

 DASACON3の申込をしようとして気付いた。DASACONは「ジャンルに囚われない」本読みのためのイベント、だったのだ。ど、どうしよう。私は思い切りジャンルに囚われてるよう。すでに参加表明してしまったが、いぢめられないだろうか。びえーん。

 1日中部屋の片付け。台所部分以外からダンボールを払拭した。

 カウンタが1000を突破した。お読者様(>冬樹さん)の方々ありがとうございます。

3月12日(日)

 朝起きて病院へ。患者の1人が熱発していた。コンプロマイズドホスト(感染しやすい)だからなあ。しくしく。
 病院の帰りにお買い物。冬から1着しか服を買っていないので、たまには買わねば、と思ってうろうろ。今年は形も丈も色々な可愛いスカートが出ているので楽しい。
 今日から春場所。初日から貴ノ浪の相撲は素晴らしかった。

3月13日(月)

 朝、通勤途中に原付が壊れた。あれ、なんか車体が揺れるな、変なにおいがするな、と思って止めると、後輪がロックされて全く動かなくなった。仕方がないので、車道の端に原付を放置して病院まで歩く。幸いだったのは、止まったのが病院まで歩いて10分位の所だったことと、止まった所から100mも行かないところに、バイク屋の看板が見えていたことだ。おかげで修理してくれるところを探さずにすんだ。昼過ぎに、同僚からちゃりを借りてバイク屋に行き、修理してくれるように頼む。明日までかかるらしい。
 という訳で、帰りはバス。一旦京都駅まで行ってそこで乗り換えて家に帰る。めでたく1時間で着きました。ったく、やっぱり京都って車がないと無茶苦茶不便だな。バスは遅いし、望みどおりの路線がないし、本数も少ないし、酔うし。縦横(南北)10本ずつくらいモノレールでも通してくれえ。
 明日はバス通勤だな(ぐったり)。もう寝る。

3月14日(火)

 今朝は銀閣寺道でバスの乗り換え。もう一生しないだろうな、こんな所で乗り換え。時刻表を事前に調べていったので待ち時間は最低限だったが、通勤所要時間は1時間10分。もちろん酔ったので朝から気分が悪い。
 循環器科は相変わらず忙しいらしい。患者が入院すると研修医3人で順番に担当になるのだが、それが1日で2周も3周もする(つまり1日に4人とか7人とか入院したりする)らしい。んでもってこの頃はやっているのが、「今日はこれで入院2周目」「目?目ってなあに?」ってやつ。ってCMネタは風化するってば。
 原付は無事修理されて戻ってきた。ブレーキなんちゃらが焼け切れていたとか。おそろしい。

 うたかたの日々で、「まだ死ねない。『ジョルスン物語』を観てないんだ」の一文を見て、「ううう、聞いたことがある。なんだっけ、なんだっけえ」と悩んだ愚か者は私です。
 私はスリーパーとタキオン君が好き。ワイルド・カードの続きは出ないんだろうか。早く出ないと筋を忘れてまうぞ(それを言うならもう遅いか)。

 世の中にはあまり知られていないみたいだし、でも本棚に2重に本を詰めて後ろの列見えなくて困っている人は大勢いるみたいなので、ニッセンのカタログショッピングに段違い本棚なるものがあることを(今あるかどうかはわからないが)ここでひそやかに宣伝します。でも私はニッセンの回し者ではないのでお間違いなく。
 この段違い本棚、文庫と新書を2段組みに置ける。収納能力は高いし見た目もきれい。私は恐る恐る(どんなものかはっきりわからなかったので)1本買って、たいそう気に入ったのでもう1本買った。ということで(以下私信)石川君、ティッシュの箱で後ろの段を嵩上げすると本が傷むので、この本棚を買いましょう。
 理解しがたいのは、ダ・ヴィンチ3月号の「本当に使いやすい、人気の本棚はコレだ」に、この本棚が紹介されていないことだ。ニッセンの商品もいくつか紹介されているのに、この本棚は載っていない。なぜだ〜。使いやすいぞ。

3月15日(水)

 病院では、こないだのICUでのVT事件の波紋が広がっていて、院長通達が出たりしている。この頃医療ミス事件が多発しているので、お偉い方もぴりぴりしている。

 寝る前に電子ピアノで遊ぶ。もう3年以上ほとんど弾いてないので、指が動かない。
 もともとピアノは、レッスンの直前にしか練習をしない小学校高学年の子レベルなので、電子ピアノを所有するほどの身分ではないのだが、下手の横好きというもの。
 それにしても、バッハのインベンションの一番で指がもつれるのには笑ってしまった。

3月16日(木)

 朝家を出て呆然。雨がざあざあ降っている。んでも今日は朝からカンファレンスがある日で遅刻できないので、土砂降りの中原付で強行突破。
 途中でガソリンメーターがEmptyのはるか下を指しているのに気付いた。そういえば一昨日Emptyを指していて、明日にはガソリン入れなきゃと思っていたのだが、すっかり忘れていた。いつガス欠で急に止まるともしれないのに(以前止まったことがある)右側の車線の真中を堂々と走っていた。こ、こわすぎる。気をつけねば。

 午後は救急当番。1時を過ぎても呼ばれず、今日は来ないかも、と楽観的になっていたら、2時半に呼ばれてからやっぱり当直時間帯まで救急室から出られなかった。でもダイセクは来なかったし、憑きは落ちたみたいで嬉しい。

 雨が降ったせいか温いので、嬉しくなって病院の帰りにうろうろ。欲しい本があったのだが、時計を見ると8時半。こんなときに駸々堂があればなあ。しくしくしく。
 仕方ないので丸山書店に行く。求めていた本はなかったが、ソウヤーの『フレームシフト』が出ていたのでつい買ってしまう。ソウヤーは別に好きではないので、特に買うつもりはなかったのだが、「ナチ」と書いてあるとどうも買わなければいけないような気がして……。これもすべて『臨界のパラドックス』とその帯「核兵器がナチスの手に!」のせいに違いない。

 若乃花が引退。横綱昇進前から言われていたこととはいえ、実際に横綱になったばっかりに引退するはめになるというのは、理不尽な感じがしてなかなか激しい。江戸時代には、こういう潔さを追求する中で理不尽な目に会ってしまった人達が大勢いたんだろうな、と思ったり。

3月17日(金)

 朝家を出たら雨だった。……学習能力がない。

 今日、ついに残り退院サマリ数を0にした。退院サマリというのは、入院した患者がどのような経緯で入院してどのような治療をして、どのような状態で退院したか、ということをまとめて書いたもの。これがないと、後で再入院してきたときに昔何をやったかがわからなくて困る。が、ないと困るとわかってはいても、何かと時間がなくて書けずに溜まってしまうのが一般的(自分が担当したのが最後の10日間だけでも、入院してからの1年分のサマリを書かなければいけなかったり、とやる気を削ぐ事情もいろいろある)。しかし、私は3月末で退職するので、書かないわけにはいかないのだ。一昨年、退職してからも毎週日曜日になると病院へやって来てサマリを書いていた先生がいたが、ああはなりたくない。そこでこのところ、まじめにしょこしょこサマリを書いていたのだが、ついに撲滅したぞお。でも来週4人退院するんだよな。

 今日は当直。何も来ないでくれ、何も来ないでくれ、と祈りながら寝る。幸い入院はなく、ささいなことで大騒ぎするタイプの入院患者さん数人の診察とか、雑用だけだった。

3月18日(土)

 「ダ・ヴィンチ」の特集記事で「クイーンは軽い気持ちで読んではだめです」と語っておられたから、というミーハーな理由で、はじめて北村薫を読む。読んだのは『夜の蝉』だったが、この選択は失敗だった。私は基本的にアームチェアディテクティヴものや、短編集は苦手なのだ(やっぱり探偵は現場に行って事件に参加しないと)。事前にわかってはいたのだが、まあ試しだし、ということでとりあえず読む。
 うーん。性格が良く繊細な人はこの主人公に感情移入できるんだろうな。私にはできないけど。私は、おみこしを裸足でかついでいる人を見て、路上のプルトップに注意を向けて拾ったりはしない。あこがれの男性に「グロテスクとエロチシズム」という謳い文句の本を借りても、羞恥に体が燃えたりしない(いやこの歳になって燃えてもこわいが)。たとえ二十才前のときでも、顔を赤らめるということ自体を思い付かなかっただろう。この主人公のように、いろいろな人といろいろな場所に気軽に出かけたりもできない。
 自分の性格の悪さを棚に上げ、「文系の人って日々こんなに人生の素晴らしさや哀しさについて考えながら生きてるのだろうか」と、文系と理系の違いのせいにしてみたり。
 いろいろ考えさせられただけでも読んだ価値はあったというものだが。今度は長編を読んでみよう。でもなんつうか、日常の謎、というよりは、30年前の秘密だの100年前からの因縁だのの方が心をそそるのだが。

 古本を何冊か買う。東野圭吾とか広瀬正とか竹本健治とか。
 あと、森本梢子の『わたしがママよ』文庫版。『研修医なな子』を持っていて、絵やナレーションが好きだったので。『研修医なな子』は、医者の生活を描いた漫画やドラマがおいおいと言いたくなるものがほとんどな中で、唯一うなずける漫画である。ただし昔やってたこれのドラマは論外だったけど。『わたしがママよ』も面白かった。子供が生まれると、幼稚園の先生は神様のように見える、らしい。

3月19日(日)

 昨日事情があって、烏丸御池に原付を放置してきた。長い間置き去りにしておくと京都市に盗られる可能性が高いし、3日間患者を放ったらかしにしておくわけにもいかないので、仕方なく雨の中外出。北大路まで出て地下鉄で烏丸御池。そこから原付で病院へ。雨は行きはまだぽつぽつだったが、帰りなど前が見えないほどの土砂降り。私もこんなに毎日濡れねずみになっててよく風邪をひかんな。

 『フレームシフト』を読み終わり。面白かった。イントロンもネアンデルタール人もテレパシーもナチもネオナチもハンチントン舞踏病も、今はやりの医療保険業界V.S.遺伝子診断も出てきて盛りだくさん。1つ1つが浅いけど。

 以下ちょっとだけネタバレなので色を変えて。

 題名のフレームシフトなんて、フレームシフトする暗号がトリプレットコードのシノニムに隠されてるってただそれだけ。一応ちょっとだけ壮大なビジョンを語ってはいるけど、詳しい話はなし。テレパシー能力をもたらす神経伝達物質ときては、ただ主人公がそうだと言ってるだけ。これは『ターミナル・エクスペリメント』の、死んだ人から何か出てきたらそれは魂、とみんなが信じて疑わないところにも共通するが、どうも信じられない発想だ。
 我孫子さんの解説が面白い。確かに「地に足のついた小説」なのだろう、これは。読みやすいし面白いし、それで十分という話もあるが、後には残らない。そういえば、『アフサン』は目録落ちしてるのね。
 一番印象に残ったのは、最後にナチの残党を救いにネオナチの大学教授が現れるところ。アメリカってナチの残党とかネオナチとか本当にいるんだ(?)と感心。

 しかしここに書いとかないと、絶対読んだという事実を忘れるだろうな。この頃物忘れが激しいので。

 台所の片付けをする。やっと廊下がまともに通れるようになった。

 私の恋愛指数は43.5。合コンで恋人を作るのがよいらしい。

3月20日(月)

 半分寝ながら『アリー・myラブ2』を観る。どうして0時過ぎてから一気に2話放映するんだよう。眠いじゃないか。
 アリーの「私は男が欲しいんじゃなくてパートナーが欲しいの。生活をともにできるパートナーが。たまたま私は女で、異性愛者だから相手は男。それでたっぷり太った妊婦になって、股の間からびちびちはねる生物を押し出してみたいの!」という叫び。みんな同じなのね(ため息)。

 『どすこい(仮)』を読み終わり。寝る前にちょっとずつ読んでいたので、隣の部屋の人は、毎日同じような時間帯に不気味な高笑いが響いてきたのでこわかっただろう。「脂鬼」の、医者と坊主の会話が素敵。元ネタの、医者と坊主が村で一番えらくて尊敬されててまじめで、というところにどうも胡散臭いものを感じていたので、よけいつぼにはまったのだと思う。あと、阿鼻叫喚丸先生がよすぎ。

 特記するべきこととして、今日昼寝をした。

 夜田中邸に行く。田中君の他に人が3人いて焼肉をしていた。


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