12月21日(木)

 昼間は実験、夕方から当直。原付は修理に出したままなので、当直先までどうやって行こう、と悩んでいたら、先生が原付を貸してくれた。ラッキー。

 当直先でやっと『20世紀SF(2)1950年代』を読み終わる。なんか似たような感じの話ばかりだな、と思っていたら、テーマ性を重視した編集らしい。50年代はこんな話ばっかりだったのだろうか…?
 全体的には『1940年代』の方が粒ぞろい、という気がしたものの、こちらも結構面白かった。スタージョン『たとえ世界を失っても』なんか好みだし、フレデリック・ポール『幻影の街』の素晴らしいオチも好きだし、甘々のラッセル『証言』、シマック『隣人』も好きだ。こう表明しているとなんか自分が駄目な人間であるように感じられるところが、とっても50年代な気がする(偏見)。
 ちなみに、読んだ覚えがあるのはヘンダースンだけ、という有様だったので、私は全く50年代者ではありません。
 しかし、「オー」という苗字は日本系、ってのはちょっと…そんなんでいいのか?>極東専門家。

12月22日(金)

 直明け後に家に帰り、身支度をしたりビデオを見たりしていると面倒になってきて、受診するはずだった整形外来をさぼる。
 するとバチが当たったらしく、右腕が痛い。うう、やはり受診しておくべきだったか。しかも同期の整形外科医に「それは拘縮(使わないために固まってしまうこと)の痛みでは?」などと言われ…。

 実験はまたしてもうまくいかず。嫌になって夜はS先輩の机の片付けなどをする。

 同じビデオを繰り返し見るのもそろそろ飽きてきたが、プルシェンコの2年前のNHK杯の演技を見たあと、今年の演技を見ると、明らかな上達振りに感動して何回でも楽しめることを発見。

 夜はスパルカッセン(フィギュアスケートのグランプリシリーズのドイツ大会)の放送を見る。何より驚いたのは、ドイツのカメラワークのもの凄さ。アップにし過ぎ。すぐフレームアウトするし、天井から撮るなんて技を使う前にちゃんと追ったらどうだ。それに、スピンの時に頭を大写しにするのはドイツでは当然のことなのか?廻ってる髪の毛だけ見て面白いのか?
 後は観客ドイツ人の音の立て振りとか(終了時にぶーぶー笛を鳴らすのは勿論、演技の最中でも叫んだりする)、噂には聞いていたが、特撮ヒーローとしか思えない恐ろしい衣装で出てきたアレクサンドル・アプトとか。誰も止めなかったのか。

 女子シングルでは日本人(金沢由香選手)の演技を放送していたが、音楽が「映像の20世紀」で使われていた「パリは燃えているか」…。イメージ的になんか失敗したり収容所に入れられたり銃殺されたりしそうなんですけど…。盛り上がりにも欠けるし。
 まあそれはともかく、ジャンプをほとんど全て失敗して、後半ではすっぽ抜けの1回転に観客から頑張れの拍手が起こっていたりした。

 プルシェンコは最後に出てきたが、その直前のアメリカのゲーブル君(4回転を何度も飛ぶので有名)と、あまりにもジャンプ以外の部分のレベルが違い、ゲーブル君が気の毒な感じ。あ、勿論プルシェンコも4回転を2回、事もなげに跳んでました。

12月23日(土)

 起き出してだらだら針仕事など。夕方実験をしに大学へ行ったら、長引いてしまい、7時過ぎに慌てて家に帰る。

 今日はクリスマスコンパ。場所は例年通りジュネスで、自転車で御蔭を白川まで登れるかどうか不安だったのだが(何しろ自転車に乗るのは久しぶりでこのごろ体がなまっているので)案外軽く登れて(勿論全くもって大した坂ではない)驚く。
 クリパは、日本酒のおかげで結構酔えたので、何をしていたかあまり記憶にないが、しお組への忠誠を誓う会だったような気がする。頑張って世界を支配してね。

 2次会はカラオケ、その後は田中邸。田中邸にはぞろぞろ人がいた。

12月24日(日)

 田中邸から帰ってきてだらだらしていたら、スパルカッセンの再放送が始まってしまい、結局朝まで見てしまう。

 昼前に起きて、買い物など。ついに本棚を買った!
 目の前に本や資料が積み上がっていくのを見ているうちに、最早どんな形状の本棚でも良くなってきたので、適当に丈夫そうな本棚を選び、欲望の赴くままに一番幅の大きいものを買う。
 しかし、散らかっていた資料を本棚に押し込んだだけで、またしても右腕が上がらなくなったので、整理は断念。今年中に終わるだろうか。
 それでも部屋の隅にどどーんと大きい本棚があるのを見ると幸せ。

 あとは年賀状を作ったり、針仕事をしたり。今の私には今日はクリスマスイブなどではないので、ケーキも食べず。

 夜、今年のフィンランド杯のプルシェンコのビデオクリップを見る。ステップで思いきしこけてます。痛そう。

12月25日(月)

 大学で細井さんの日記を見てびっくり。SFM半年分がもらえるらしい。実際に役に立つ抽選に当たったのは生まれて初めて。しかし喜びの一方、なんか一生分の運の全てを使い果たしてしまったような気がしてちょっと落ち込んだり。それにしても、毎年思うことではあるが「SFマガジン読者賞」の投票者数はどれくらいなのだろう。ちなみに結果の方は、例によって私の投票とはかけ離れていた。

 今日はあまり実験をしていなかったような気がする。先輩に似顔絵を書かれたり(「ぷるぷるぷる」と言いながら白衣を着て走り回っている)夜は年賀状の印刷をしたりした。

12月26日(火)

 寒い。バイト先での患者の出足も鈍かった。

 大学に帰って、午後からは2回目の大掃除。冷凍庫の霜取りや教室内ランケーブルの整備など。私は机を移動することにもなっていたので、荷物の移動、片付けや、瓶洗いなどでほとんど1日つぶれる。物の位置が色々変わったのでかなり変な感じ。

 この頃「大地の子」の再放送を見ているが、やはり主人公の妹の、原作との描かれ方の違いが気になる。原作ではもっともっとひどい目に合っているのにい。

 今日からフィギュアスケートロシア国内戦(世界選手権などへの出場権を争う国内大会)が始まった。非公式情報ですが、男子ショートプログラムの結果をお伝えします(誰が知りたいというのだろう…)。
 1位 エフゲニー・プルシェンコ
 2位 アレクサンドル・アプト(顔はいいけど衣装が変なひと)
 3位 アレクセイ・ヤグディン(昨年のワールドチャンピオン)
 妙に美しいスピンが特徴のイリヤ・クリムキンは6位の模様。ヤグディンは4回転が2回転になっちまったそうです。
 フリープログラムは27日。ジェーニャ、明日も頑張ってね。

 というわけで、本を読む暇があまりない。『祈りの海』と『バラヤー内乱』に二股かけている幸せな私。

12月27日(水)

 午前中に大学の整形外来へ。普通の外来で診てもらうのは色々嫌なので、大学院の先輩に診てくれるように前から頼んでいた。大学病院へ初診で行くと、たいがい研修医による問診、若い医者による予診、それから上の医者による診察、と3回くらい診察されたりするものだが、先輩は今日がその予診の当番日。私は初診じゃないので本当は担当が違うのだが、先輩が看護婦さんに言っておいてくれたらしく、あっさり受付を通過。
 レントゲンフィルムを自分で取りに行ったので、待っている間にゆっくりとこないだ撮った頭部CTを見ることができ、なんて美しい副鼻腔だ、と再び感動。私は副鼻腔美人?とあらぬ考えが頭をよぎる。実は私は結構なるだったのか…。私、副鼻腔が凄いんです!
 一応診察してカルテを書いてもらい、薬も出してもらった。でもまだしばらくは痛いだろな。

 午後からはPCRかけたり。試料の種類が多くてげっそり。

 昨日の続き。ジェーニャ・プルシェンコは食当たりで胃の調子が悪く、ショートプログラムもベストの出来ではなかったそうです。なんてことだ。早く良くなってね。
 ちなみに、ヤグディンは規定のアクセルジャンプ(ショートプログラムは、やらなければならないジャンプやスピンが決まっていて、それをしないと大きく減点される)を行わなかったため(最初のジャンプを失敗後、プログラムを変えていて、忘れたらしい)結構難しいジャンプを跳んでいたにもかかわらず、5.1だの5.2だの無惨な点を出されたという噂。

12月28日(木)

 再びフィギュアスケートロシア国内戦男子シングル、非公式結果速報をお伝えします。
 1位 エフゲニー・プルシェンコ
 2位 アレクセイ・ヤグディン
 3位 アレクサンドル・アプト

 プルシェンコは、テクニカルはオール5.9、プレゼンテーションで5つのフルマーク(6.0)という凄まじい点数を叩きだした模様。ヤグディンはフリー単独でもプルシェンコに及ばず。クリムキンは4位。

 ということで、ジェーニャ、ロシア国内戦3連覇おめでとう!お疲れ様でした。
 ああ、見たかったなあ>フルマーク5つの演技。ロシア人はいいな。

 結果を知るために(現地にいる人が掲示板に情報を流してくれるのをひたすら待つ)5時までマウスをクリックし続け、寝たのは6時。しかもどきどきしていて10時に目覚める。遠足前の子供か。

 ふらふらしながら大学へ行き実験。結果はぼろぼろ。
 もう年末だというのに、部屋は汚いし、本棚は片付いてないし、年賀状は1枚も書いてないし、パソコンとHPのデータも整理できてないし、実家にいつ帰るかも決まってないし、実験はぼろぼろだし……。

 夜は当直。いつも眠れないのだが、さすがに今日は11時前に入眠。

12月29日(金)

 原付の修理が終わり、取りに行ってきた。自転車も小回りがきいてそれなりに利点はあるが、やはり原付は楽。

 大学に行くと、人が少なくて休日ムードだった。今日から休みだったのか。なんか世間の流れから取り残されているな。
 先に正月が控えているのであまり実験はせず、必要な試薬の調整などをだらだらと。

 頑張って買ってきたたれぱんだ手帳だが、どうやら使わなくなりそうだ。小学生の時から大学に入るまで使っていたのと同じ種類の手帳が、研究室に置いてあるのを発見してしまったのだ。うーん。やはり手帳は使いやすさが一番だからなあ。たれぱんだ手帳には元手がかかっているのだが…。でもこの手帳の誘惑には勝てそうにない(昔からとてもお気に入りだった)。

 昨日のプルシェンコのフリーの演技の続報。最初に跳ぶはずだった4回転3回転2回転のコンビネーションジャンプがシングルの4回転になったが、その後にコンビネーションを跳び直して、以後ノーミスだったらしい。すごいぞ。

 さて次にプルシェンコの姿を見れるのは1月4日の国際オープンフィギュア。伊藤みどりが出るので結構話題なのに、1時間半しかTV放映しないらしい(怒)。
 まあ、まだシーズンは長いし、疲れない程度に演技してね。

12月30日(土)

 昼から少し買い物など。どこに行っても正月仕様なので普通の食料を手に入れるのが大変。
 午後はずっとダビングしてもらったビデオを見ていた。目が痛い。

 ビジョルド『バラヤー内乱』を読み終わる。『名誉のかけら』の内容をかなり忘れていたので読みにくかったが、まあ満足できるものだった。他の作品に比べると、あの圧倒的な流れがないような気もしたが、細かいことを言い出すときりがないし。前日譚である以上仕方ないこともあるし。
 一番気に入ったフレーズはこれ。生殖能力に傷がついたかも、と心配するアラールに対するコーデリアのセリフ。「ばかばかしい。体細胞二個と人工子宮があればすむことじゃないの」

 ついに昨シーズンのフィギュアスケート世界選手権男子フリーのビデオを見てしまった。今年3月、プルシェンコは大方の予想に反し、フリーで大コケして4位に終わっている。
 問題のフリーは予想以上のボロボロぶり。でもまあ、終わった直後に(誰とは言いませんが)舌を出したり泣き出したりはしていないところが救いかも。立派な態度でした。

 さらに続報。ロシア国内戦ショートプログラムの前日、プルシェンコは38度台まで熱発していたという噂が。それでも翌日1位を取るのか。それにしても冬だと言うのに、いったい何を食べてそんな食当たりに…。

 カウンタが15000を廻った。

12月31日(日)

 朝から色々片付け。とりあえず古いパソコンの中身はフロッピーで(泣)新しいパソコンに移し終え、本棚は21世紀に向けて拡張性のあるように並びなおした。これで1年は大丈夫のはず。
 風呂場や台所は全く掃除してないけど、まあいいや。少なくとも本棚はきれいだし。
 「こたつにみかんがない家は 日本の心をなくしてる」と言われないように(by みかんの歌)みかんも買ってきたし、たれぱんだ鏡餅ぬいぐるみも飾ったし、これで正月準備は完了。

 夕方から大学へ。誰が考えたのか知らないが、今年は大晦日に大文字に点火するらしい。どう考えても、帰って来ていないご先祖様をお送りするはおかしいと思うのだが。20世紀を(いやここ1000年を)あの世に葬り去るためか。
 研究室では先輩が鴨鍋&鴨そばを用意していた。鍋にどどんと鴨が一羽入っていて豪華。去年の鴨そばとは大違い。ちなみに西原理恵子の夫の人のファンの先輩は「鴨?鴨?」と目を輝かせていた。

 9時に大学のベランダに出て点火を待つ。ここからだと送り火が全て(大文字、妙法、舟形、左大文字、鳥居形)見えるのだ。寒い。やはり夏の行事だ、大文字は。点火の順番は知らないのだが、左大文字が大文字のすぐ後に点火していたので、「寒さのあまりにフライングして火をつけた」説が流れていた。点火する人達も寒いだろうなあ。
 んで出た結論。冬にやるなら同時点火。10分おきなど寒くて待ってられん。
 それにしても、今年だけ大晦日にやることを知らなかった人(今日まで知らなかった先輩もいた)はびっくりしただろうな。幻覚を見たと思うか、いたずらだと思うか。

 おけら参りに行くという人達もいたが、どうも右耳が痛いので大人しく家に帰る。

 今年は「死にたい、死にたい」と連呼していたものだが、今はとりあえず「3月末までは死ねない」に変わったことを思うと、結局は良い年であったと言えよう。

 皆様、良いお年を。


過去の日記の目次に戻る。

日記に戻る。