11月21日(火)

 朝起きて、補完計画を少し。
 午前中は外来バイト。ここの看護婦さんと技師さんは、暇になると必ず昨日のTV番組の話を始める。そのため月曜日のTV・ニュースには自然と詳しくなれるのでありがたい。ちなみに今日は「松浪健四郎がいかにアホか」というのが主議題だった。加藤・森より評判悪かったすよ>松浪健四郎氏。

 大学に戻って、細胞の遺伝子導入効率を測定。突然細胞の調子が良くなってから、前とは及びもつかないほど高い効率が出ているのに、それでも予想より低かったので何か不満なのだった。欲望には限りがないのう。

 夕方、前から欲しかったあるものを注文。年内に届くかな。ふふふ。

 夕ご飯は、先輩がマイレージを貯めて買ってくれた松坂牛ですき焼きだった。霜降り松坂牛なんてもう一生食べられないかもしれない。おいしかった。

 森奈津子『あんただけ死なない』を読み終わる。主人公緋沙子が激しく憎んだ相手は、なぜか近日中に急死してしまう。憑物を見る能力を持つ少年秋也は、緋沙子に何かが憑いていると言うが…と話は緋沙子の秘密を探る方向で展開。筋自体にはそれほどパワーを感じないが、無理がなくて好ましいし、なんか本筋はそう問題じゃない気がする。何といっても登場人物の性格、セリフ、バイオレンスシーン(?)がとても楽しいのだ。あと、日本狼、タイムリーすぎ。

11月22日(水)

 大慌てで実験を少しして、当直先へ。今日は往復8時間かかる当直バイトの日。

 行きの電車の中でも、当直先でもマガジンを読んでいた。まだ反省したままなので、SFマガジン読者賞にきちんと投票しようと思い、未読の短編を読んでいるのだ。一つだけ選ぶのは難しい。一方、海外作品と国内作品のベストアンケートの方は、五つ書くのが難しい(そんなに読んでない)。う〜ん。

 当直はあまり呼ばれず平穏。

11月23日(木)

 朝一に「患者さん来てるんでお願いします」と呼ばれ、のほほんと診察室に行くと、「縫合して下さい」といきなり切り傷の患者。看護婦さんが外科の人だったのでまだスムーズに進んだが、まあ外科の先生の5倍は時間かかったろうな。すみません、練習不足で。
 次に来たのが鼻を打撲した男の子。鼻曲がってるかもしれないんです、と言われても…。レントゲンを撮れないことが判明(技師さんと連絡とれず)したので、レントゲンは撮れる遠くの病院へ行ってもらう。でもそこにも耳鼻科の先生は当直していないんだけど。
 さらに「歯が痛いっていう人が来たいって言ってるんですけど」。いや、さすがに歯は診れません。全く習ってません。専門外にも程があります。

 内科とはいえ、縫合ぐらいはできないといけないだろうが、専門外の患者が相次ぐとつくづく考えてしまう。やはり田舎で当直する以上、マイナー科(耳鼻科とか眼科とか皮膚科とか)の勉強もしておくべきだよな。と言っても、本で勉強すりゃあいいってもんでもなく、症例を見ないと実際には使い物にならんし…。内科だけでも全てをカバーするのは難しいというのに…。

 帰りの電車でどうも酔ったらしく、京都駅に着いてから、眩暈、吐き気に襲われる。しかし、ここで倒れるわけには絶対にいかない(なぜなら、大きな声では言えないが、荷物の中に月がバラバラのSFマガジンが4冊も入っていて、倒れて運ばれてもし誰かに見られたら、さすがに人間として恥ずかしいからである)。時々座り込んで休みながら、何とか大学まで辿り着く。倒れずにすんだのはひとえにマガジンのおかげ。
 大学で少し休んで軽く実験。それでも治らぬまま家に帰る。今度行くときはトラベルミン持っていったほうがいいかも。

 キムタク。特にファンではないが、顔の良い人を見るのは好きだし、キムタクの態度・仕草には別してそそられるものがある。しかし、お父さんがキムタクでお母さんが工藤静香というのは…想像を絶するな。

11月24日(金)

 夜、こちらのきくちさんの書き込みを見て、「ジョン・ウィンダム」って何?としおしおに聞いてみると、怪獣みたいなのを見せられて「ウィンダム、ウィンダム」と言われたので「…ジョン?」と答えただけだと言われ、爆笑。
 カプセル怪獣を知らずしてジョン・ウィンダムを知っている人がそう何人もいるとは思えない。いいぞ、しおしお!
 ああこんな後輩を持つなんて幸せだなあ(まあ「でんどろ星人」を知らなかった私に大笑いする資格があるのか多少疑問ではあるが)。

 実験は予想外のトラブル。昨日の今日なので、隣の席の外科の先生に見てもらって鑷子(ピンセット)での糸結び(縫合する時の糸の結び方)の練習をしたり。ああなんて付け焼刃。

 夜は、こないだ結婚した同期の子の二次会。奥さんは妊娠5か月だが、結構お腹が大きかった。大変だ。
 眠くなってきたので、2次会の途中で先輩と一緒に退散する。

 アリー・my・ラブ3。今シーズンに入って、急に格好良くなったような気がしていたジョンだったが、自分に自信をなくした途端、第1シーズンの冴えないジョンに戻ってしまったのにびっくり。あの今いちな姿はずっと演技だったのね。

11月25日(土)

 昼に起きてSFマガジン読者賞の葉書を書き、急いで投函に行く。海外部門はあえて「祈りの海」を避けた。年間ベストは、何せ読んでいないもので四苦八苦。林さんと1作品も重なっていない上に、国内は林さんが「抜けている」と書いておられるものばかりに入れていた(笑)。

 家に帰ってきてぼーっとしていたら、フィギュアスケートの前半戦ハイライトをやっていたのでちょっとだけ見る。村主章枝の演技が素晴らしくて感動。村主はよくジャンプを失敗して下位になってしまう人、というイメージしかなかったのだが、カナダ大会の演技ではジャンプをほとんど失敗せず、スピンも綺麗でおおすごいすごい、と思っていたらなんと3位だった。期待が持てるなあ。手足長くてきれいなので、スピンとかステップとかたくさんして欲しいな(私はスピン好き)。

 いつまでもぼーっとしている訳にもいかないので、大学へ行ってだらだら実験。待ち時間に丸善へ。結局来年の手帳は、リング式なのを我慢してたれぱんだ手帳にし、1週間見開きのリフィールを別に買って入れることにした。たれぱんだには代えられぬ。たれぱんだマスコット付きしおりもつけたし、なかなか良い感じ。

 手帳を買って文庫の階に下りると、青背の前に酔うと凶悪な人がいた。ここで、自力で探し回る前に、SFマガジン1月号は近辺の本屋には見当たらないという情報を与えられる。どこまでも便利な人だ。
 『ハイペリオン』などを買って大学に戻る。『ハイペリオン』は表紙が素敵だが、文庫だと何か普通の本みたいだ。

 実験を済ませて家に帰り、足の踏み場もないほど散らかった家の片付け。

 カウンタが13000を廻る。

11月26日(日)

 未明から喉が痛かったが、一晩寝て起きてみると、息がしにくいほど喉が痛く、咳・鼻水も止まらない有様。ひたすらだらだらして、気分も暗くなってくる。

 実験があるので、夕方大学へ。何か妙な結果が出た。先日鴨ちゃん(西原理恵子の夫のひと)が自分の好みそのものであることに気付いたというナゾの先輩がお腹空いたと言うので、一緒にご飯を食べに行き、唐突に貸してくれた「踊るマハラジャ」のビデオを持って帰宅。

 うう。しんどい。

11月27日(月)

 風邪を引いている。実験は単純作業をだらだら。頭が廻らない。

 SFオンラインを読みませう。
 SFマガジン12月号のコニー・ウィリス『桃の花咲く……』が石長比賣と木花佐久夜毘賣の物語だという指摘。ここを読むまで気付かなかったが、確かにそうだなあ。なるほど。
 林さんの挨拶「99.99%の読者の方ははじめまして」にはこっそり突っ込むのがよいのだろうな。

11月28日(火)

 午前中は外来バイト。いつも火曜日は睡眠不足だが、今日は輪をかけて寝ていない。おかげで外来中妙にハイ。口が滑らか(でも上滑り)。

 大学に帰ってきて実験。昨日色々とミスをしていたことに気付く。風邪はやや軽快したが、頭はやはり廻っていないので、単純作業だけ済ませて6時過ぎに早々と帰宅。

 こないだ文庫落ちした『蒲生邸事件』を読み終わる。前評判通り、素晴らしい。ふきが主人公の祖母だったりしないところがポイントだよなあ。『理由』も早く文庫落ちしないかな。

11月29日(水)

 風邪はだいぶ治ってきて、頭が少し廻るようになった。私は風邪に関してはいつも流行の最先端を走っているので、そろそろ周囲の人達が咳をしたり鼻をかんだりしはじめている。やはり風邪はうつさんと治らんよな。
 実験はうまくいかず。ううデータが出ない。

 注文していた羊パジャマ(「アリー・my・ラブ」第1シーズンでアリーが着ていたことで有名になった"COUNTING SHEEP"という羊柄のパジャマ)が届いた。水色の色がきれいで、予想通り可愛い。羊には番号が振ってある。本当に数えるんだな。
 しかし、small size だというのにでかい。事前にsmall sizeでも日本人には充分大きいと聞いてはいたのだが、これほどまでとは。私の身長は平均よりやや高いが、裾は二回、袖も一回折り返してちょうどよいくらい。ちょっと小さい人だと着れないぞ、これは。アメリカ人でかいな。

11月30日(木)

 昼間は大学、夕方から当直。

 当直先ではSFマガジン1月号を読んでいた。
 テリー・ビッスン「マックたち」は後味が非常に悪くてよい感じ。この手の短編は久しぶりに読んだので、なんか嬉しい。
 12歳の少年の手に世界の命運が委ねられるジェイムズ・パトリック・ケリー「少年の秋」は、面白くないわけではないが、どうも「シュレーディンガーの子猫」と比べてしまうので、数段落ちるような気がする。大筋より、1962年に「帰らぬク・メルのバラッド」を読む少年、というのに感動したりして。そーか、そんな昔の話なんだな>コードウェイナー・スミス。
 

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