11月1日(水)

 午前2時前の地震にびびる。

 相変わらずサザンな日々。サザン・オールスターズを聴いてるのではなく、サザンブロッティングをしているのです。
 お昼は、昨日食べなかった生協の弁当と家から持参のみかん。
 それにしても、雨がよく降る。やだやだ。

 勉強関係の本を買おうと思い、bk1で注文。重い、とにかく重い。配送料無料をめざし、一緒にいつか買おうと思っていた本をあれこれ注文する。でもちょっと足りないので、『バラヤー』を予約したところで、ヒラノさんの日記を読む。発売日に届かないのか。そんな予約購入にはメリットを感じないなあ。というか、発売日に欲しい本は予約してはいけないということだな。
 慌ててバラヤーを取り消し。河出の短篇集も予約しようかと思っていたところだった。危ない危ない。代わりに、今後の楽しみにとってあったエラリー・クイーンの未読作品を注文する。
 書店に行くと結局買わないことが多い専門書(実際に見てしまうと、その値段の高さと本の薄さに嫌気がさすのだ)や、たぶん取り寄せになると思われる本を買うには便利だと思うが、新刊は買えないな。それに、あの重さには辟易。
 その点、アマゾンコムはまだよくわからないけど、軽いところには好感が持てる。家の遅いパソコンでも見れるというのはとても嬉しい。

 河出の「20世紀SF短篇集」70年代にジョアンナ・ラスの『変革のとき』が入っているのを今頃知る。やったあ!ずーーっと読みたかったのだ。高校生の時から(この頃は愚かにもその辺の書店で買えると思っていた)。嬉しくて踊りそうだ。ふふ。

 でも昨日から気分はエンダーなのだった。

11月2日(木)

 DNAが足りなんだので、主実験は延期。夕方当直先へ。

 『エンダーズ・シャドウ』読み終わり。『エンダーのゲーム』とほぼ同じ時点を、配下ビーンの視点からみた話だ。以下結構ネタバレ気味。
 作者はどちらからでもいいと言っているが、やはり『エンダーのゲーム』から読むべきだと思う。『エンダーのゲーム』の最後のあのオチが、とっとと明らかにされてしまうので。あれを味わえないのはちょっと悲しい。
 それに、『エンダーズ・シャドウ』の訳の後だと、『エンダーのゲーム』の訳は読みにくすぎて泣きそうだ。比べながら結局『エンダーのゲーム』も読み返したのだが、この世界の仕組みがわかりにくかったのは、単に訳が読みにくかったせいではないか、と思えてくる。
 ビーンの幼少時代から話ははじまり、ビーンの出生の秘密とバトルスクールでの生活が並行して語られる。エンダーの戦いを中心に据えているので、ある程度は仕方がないとは思うのだが、どうもビーン自身の描き方は中途半端な感じがする。家族の一員として受け入れられるというオチが書きたかっただけなのか。それでビーンは幸せになるのか。ビーンの将来の野望は何なのか。そして体は大丈夫なのか
 それと、十分悲惨な環境とはいえ、あまりの知能のため、ビーンにはエンダーに比べ悲壮さが感じられない。まあこれは単に趣味の問題かもしれないけど。

 しかし、そんなことはこの際どうでもよい。私には、最後の戦いで、ビーンがエンダーの代理として控えていたというのが、大ショックだった。エンダーは自分しかいない、と思い込まされていたが、別にエンダーがあの戦いをやらなくてもよかったのである。
 ビーンはエンダーには共感能力や、部下をすすんで協力させる力がある、と言っているが(それもどうも言い訳がましい)ビーンとてエンダーのように4年もバトルスクールにいれば、自分に心酔する部下はいくらでも持てたであろう。彼が指揮官にならなかったのはエンダーの方が年上で経験も積んでいたからで、年齢が逆ならばエンダーが指揮官になったかどうかは疑わしい。
 しかも、エンダーは気付いていなかった、最後のゲームは実際の戦闘であった、ということをビーンは見抜いていた。それを知っていながらエンダーの配下としてゲームを戦い、最後の特攻も命令したビーンは、どうみてもエンダーより神経が太いし、ビーンを指揮官にしたほうがよかったのではないか。
 ビーンは最後の戦法を思い付かなかった(だからエンダーが指揮官でよかった)と言っているが、今までの容赦のない戦い振りからして、もし指揮官の立場に立たされたら、思い付いていたに違いない。しかもその後の精神的ダメージはビーンの方が少なそうだ。
 作者は別の主人公をあの設定で書いてみたかっただけかもしれないが、そんな、じゃあ、あれだけひどい目にあって一人で耐え抜いたエンダーの立場はどうなるんよ!(泣)
 だから結局何が言いたいのかというと、『エンダーのゲーム』を読み返すきっかけとなったのは嬉しいが、こんな話なら読むんじゃなかった、ということ。今さらエンダーが可哀相じゃないか。ああカードの新作に期待してはいけないのは学習してたけど、それにしてもこんな……(泣)

11月3日(金)

 朝起きて一番に目に入ったのは、ささっと冷蔵庫の壁面を横切る小さ目のごき。不吉だ。
 病院を出て、大学に寄ってちょっと実験。家に帰って1時間ほどうたた寝して、午後から買い物に出かける。

 チャチャの12、13巻と、家用に新しいパソコンを買った。CPU600MHzと言われてもどんなものかよくわからないが(今の6倍だ)これで家でもSFオンラインが見れるに違いない。
 しかし、新しいやつもどれぐらい持つことか。今のパソコンは3年強、その前のパソコンは4年強だったからな…。

11月4日(土)

 昨日買った『赤ずきんチャチャ』の12、13巻を読む。まさかチャチャ達がうらら学園を卒業して就職(笑)するとは思わなかった。それにしても愛しのセラヴィー先生の出自があのようなものとは…。ショック。

 唐突に髪を切りに行く。研究室の先輩がこないだ自分が行った美容室を教えてくれたので、予約を取ってそこへ。なんかおもきしショートにしたい気分だったのだが、いきなり切り過ぎるのは良くない、と美容師さんはそんなに切ってくれなかった。でも、適度にカラーリングしてくれて、終ってみると、ほぼ私がそうありたいと思っていた髪型に仕上がっていた。すごいぞ>美容師さん。なぜ説明してもいない私の理想の髪型がわかる。
 随分切るのが遅い人だったので(丁寧とも言えるが)ちょっと不安だったのだが、シャンプーも丁寧だし、今度からここに変えよう。前行っていた所は、店員の態度が悪すぎるので変えようと思っていたのだ。

 美容院を出て大学へ。細胞に遺伝子導入してから家に帰る。

11月5日(日)

 午前中に新しいパソコンが届く。

 しおしおご推薦の『西城秀樹のおかげです』を読む。途轍もなくとにかく素晴らしい短編集である。表題作と最後の「エロチカ79」が特にお気に入り。6月に出ているし、もうみんな読んでいるとは思うのだが、もし万が一何かの偶然でまだ読んでいない人がいたら、即座に買って読むべきだと思う。
 「ああ!あの恐ろしい疫病で人類が滅亡してから、すでに一年」なのである。「アシモフも(中略)ハインラインもディックも読んでない奴はSFファンでないどころか、単なる愚民」なのである。『後生だから』と言われたらそれなりの態度を示さないといけないのである。

 おかげで「天気のよい午後に、炬燵に入って、濃い紅茶とかぼちゃの種をお供に、この上もなく素晴らしい一冊の本を読む」という天国体験をさせていただきました。

 夕方から田中邸へ行って、WITCHBOOKの折り。作業に協力してくれた人々に感謝。何とかホチキスも止まって完成したので、後は誤植がないように祈るのみ。

 家に帰ってきて、新しいパソコンの整備作業。色々面倒くさい。あと、キーボードがかなり嘘つき。

11月6日(月)

 実験は相変わらず失敗続き。

 先輩達が旅行のお土産をくれた。杖の形をした長寿のお守り…。そりゃあ、もはや完全に「おばあちゃん」という呼び方が定着し、後でお腹痛いと言い出すから食べ物は与えるなとか、テロメア短いんじゃないかとか日々言われてはいるが、それにしてもまだ20代の人間にこんなものをお土産に渡すとは…。これはいぢめか。

 一方、新しい髪形は好評だった。幼く見える、と言う人が多かったのがやや不満だが(一応大人っぽくするつもりだった)好評なのは嬉しい。ふふ。

 それにしても、あのピルトダウンおやじにはびっくり。自分で埋めたのが最後の2遺跡だけとは思えんよなあ。発見したもん勝ちという構造上、ああいうことは起こりやすいんだろうか?>考古学。

 今年の京フェスは合宿先行で、しかも16時開場、17時開始です!例年より早いのでお間違えなく!!
 それと、去年はなかった京フェスクイズ(パソコン上で動くクイズゲーム)は復活する可能性が高い模様です(非確定情報)。一部にいるかもしれない京フェスクイズ愛好家の方はお楽しみに。

11月7日(火)

 午前中はバイト。今日は暇な週だった。
 バイト先から帰る途中、信号で止まっていると、後ろの原付から急に声をかけられびびる。大学院の同期の子だった。知らなかったのだが、彼にとっては通学路だったらしい。例によって叫んだりしながら運転していたので、聞かれたかとかなりどきどき。
 お昼はつくね入りそばだった。

 バイト先で『ラクトバチルス・メデューサ』を読み終わる。これ、面白いんだろうか。近未来パニック小説?
 何でも石灰化させてしまう遺伝子が入った乳酸菌がばらまかれちゃった、というただそれだけで引っ張る引っ張る。どうしてそんなに急に何でもかんでも石灰化させてしまうのか、という説明が欲しいと思うのだが。
 最後は感動的っぽくまとめ上げているが、ストーリーはありがち。異様に説明的なセリフもちょっと。今の感染症対策や薬事審査システムの駄目さ加減が書きたいだけなのだろうか。
 積極的につまらないとは思わないが、読んでも面白くない本だった。でもドラマ化されたりしそうな話。見栄えもするし。

 小林泰三『奇憶』も読み終わる。主人公の駄目駄目さが凄すぎ。大学中退後だらだらと暮らして就職せず、時間を拘束されるのが嫌でバイトもできず、仕送りも打ち切られて貧乏にあえいでる主人公はこう考えるのだ。「金銭的余裕を持って何ヵ月か自由な時間があれば、本当の実力が発揮できるはずだ」思わず蹴りを入れたくなるよーな駄目さ加減。これだけで読む価値は大ありだと思う。
 それにしても余白が大きい>祥伝社400円文庫。400円は割高に感じるなあ。せめて350円にして欲しい。
 
11月8日(水)

 研究室に行ったら、人がいなかった。休日並に閑散としている。
 実験は今日も(以下略)。

 ブッシュに敗北宣言の電話をかけたゴアは、結果が定まっていないのを知って、訂正の電話をかけたのだとか。
 なんて言ったんだろう。「さっきは負けたって言ったけど、まだ分からへんようやから、やっぱしもうちょっと頑張ってみるわ。ほいじゃ」てか?

 家の新しいパソコン(COMPAQのPresario)。キーボードにボタンがじゃらじゃらついていて、うっとおしいなと思っていたのだが、CDプレイヤーとして使う分にはやはりボタンが便利。なるほど。
 ディスプレイとスピーカーも、値段の割にはなかなか良いように思うし、色も白くてなんか可愛い。以前は毎日大学でノートパソコンを立ち上げると、速いし可愛いし嬉しかったのだが、こっちを買ってからノートに愛情が湧かなくなってしまった。寵愛の座を追われるのはこんなに簡単なのね。

 作業をしている。こんなことになるとは5年前は予想もしなかったぞ。泣きそう。

11月9日(木)

 飼っている細胞の調子悪し。昔から生物を飼うのは苦手なんだよな。

 夕方、当直先へ。
 祥伝社400円文庫『0番目の男』読み終わり。主人公はどうしてここまで自分の研究の成功について確信が抱けるのか。マカロフを作った側はどうしてマカロフ達が環境保全の研究に役立つと確信が抱けるのか。さらに奥さんはなぜ夫の心が変わらないと信じていられるのか。などなど、どうもその確信さ加減が気になるのだった。
 いやこの長さならある程度仕方ないとは思うけど。

 相撲放送でおなじみの元NHKアナウンサー、向坂さんが亡くなったというニュースを聞きびっくり。病気を苦にしての自殺だとか。
 あの特徴のある顔で、一番に覚えた相撲アナウンサーだった。悲しいことだ。

11月10日(金)

 実験はDNA採りとか。午後から突然腰痛に見舞われる。

 夜、田中君から携帯に電話があり、京フェスでのクイズ実行用に私のノートパソコンを徴用すると言われたので、しぶしぶ学校から家に持って帰る。

 今年の新作クイズ問題を持って田中邸へ。着いたのは22時頃だったのだが、なんとすでに明日の京フェスの準備が終了していた!!
 ワークブックとプログラムブックは既に折られており、名札・領収書の準備から当日時間割表まで出来上がっていて、加藤実行委員長、編集長しおしお、事務局長Rafaが荷物のそばに仁王立ちしていた。恐るべし。人徳のある実行委員長&有能な労働者2人がいるとすごいなあ。
 ワークブックとプログラムブックが早めに出来ていて(←これが重要)オープニングクイズがなければ、前日の準備はさして大変ではないのだな。

 あまりの準備の良さに感動に打ち震えながら、まとめた新作問題を田中君に渡す。が、今まで調子の良かった京フェスクイズがここで急にばぐばぐしだした。すったもんだの挙句、何とか復旧したので3時頃家に帰ったが、家でもテストプレイをしたら、色々と不備を発見。嫌になって寝る。



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